今日は、安土桃山時代の慶長元年に、豊臣秀吉の命で26人のカトリック信者が長崎で磔刑に処された日(日本二十六聖人の殉教の日)ですが、新暦では1597年2月5日となります。
日本二十六聖人(にほんにじゅうろくせいじん)は、豊臣秀吉の命令によって長崎で磔の刑に処された宣教師6人と日本人信者20人のカトリック信者のことでした。日本でキリスト教の信仰を理由に最高権力者の指令による処刑が行われたのはこれが初めてです。
豊臣秀吉は、1587年(天正15)に「バテレン追放令」を出し、多くの宣教師、信徒が捕えられました。そして、1596年(慶長元)に土佐国浦戸(現在の高知県高知市)に漂着したスペイン船サン・フェリペ号の事件が直接の契機となり、西ヨーロッパ諸国の侵略を疑った豊臣秀吉が京都や大坂でキリシタンを逮捕します。
その中で、フランチェスコ会宣教師6人と日本人信徒17人、日本人イエズス会士3人の計26人を長崎に送り、同年12月19日に十字架上に処刑しました。この出来事を「二十六聖人の殉教」といい、26人は後にカトリック教会によって聖人の列に加えられたため、彼らは「日本二十六聖人」と呼ばれることになります。
尚、1962年(昭和37)に日本二十六聖人の列聖100周年を記念して、この長崎の地に「日本二十六聖人記念館」がカトリック教会によって設立されました。記念館の前には日本二十六聖人記念碑が建っていて、舟越保武による二十六聖人のレリーフが制作されています。
〇日本二十六聖人の一覧
・フランシスコ吉(日本人)フランシスコ会員の世話をするため、一行に付き添い、道中で捕縛された。
・コスメ竹屋(日本人・38歳)大坂で捕縛される。
・ペトロ助四郎(日本人)イエズス会員の世話をするため一行に付き添い、道中で捕縛された。
・ミカエル小崎(日本人・46歳)京都で捕縛。トマス小崎の父。
・ディエゴ喜斎(日本人・64歳)大坂で捕縛。
・パウロ三木(日本人・33歳)大坂で捕縛。イエズス会員。
・パウロ茨木(日本人・54歳)京都で捕縛。レオ烏丸の兄。
・五島のヨハネ草庵(日本人・19歳)大坂で捕縛、イエズス会員。
・ルドビコ茨木(日本人・12歳)最年少。京都で捕縛。
・長崎のアントニオ(日本人・13歳)京都で捕縛。父は中国人、母は日本人。
・ペトロ・バウチスタ(スペイン人・48歳)京都で捕縛。フランシスコ会司祭。
・マルチノ・デ・ラ・アセンシオン(スペイン人・30歳)大坂で捕縛。フランシスコ会司祭。
・フェリペ・デ・ヘスス(メキシコ人・24歳)京都で捕縛。フランシスコ会修道士。メキシコの初聖人(列聖順)。
・ゴンザロ・ガルシア(ポルトガル人・40歳)京都で捕縛。フランシスコ会修道士。
・フランシスコ・ブランコ(スペイン人・28歳)京都で捕縛。フランシスコ会司祭。
・フランシスコ・デ・サン・ミゲル(スペイン人・53歳)京都で捕縛。フランシスコ会修道士。
・マチアス(日本人)京都で捕縛。
・レオ烏丸(日本人・48歳)京都で捕縛。パウロ茨木の弟。ルドビコ茨木のおじ。
・ボナベントゥラ(日本人)京都で捕縛。
・トマス小崎(日本人・14歳)大坂で捕縛。ミカエル小崎の子。
・ヨアキム榊原(日本人・40歳)大坂で捕縛。
・医者のフランシスコ(日本人・46歳)京都で捕縛。
・トマス談義者(日本人・36歳)京都で捕縛。
・絹屋のヨハネ(日本人・28歳)京都で捕縛。
・ガブリエル(日本人・19歳)京都で捕縛。
・パウロ鈴木(日本人・49歳)京都で捕縛。
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1876年(明治9) | 三重県飯野郡の農民が一揆(伊勢暴動)を起こす | 詳細 |
1941年(昭和16) | 「言論・出版・集会・結社等臨時取締法」が公布される | 詳細 |