今日は、昭和時代後期の1972年(昭和47)12月16日に、全国5番目の地下鉄として、横浜市営地下鉄初の伊勢佐木長者町駅~上大岡駅間(1号線)が開業した日です。
横浜市営地下鉄(よこはましえいちかてつ)は、神奈川県横浜市において、日本5番目の地下鉄として、伊勢佐木長者町駅~上大岡駅間(1号線)が開業しましたが、正式名称は横浜市高速鉄道とされてきました。1965年(昭和40)に横浜市の都市交通審議会が地下鉄の1~4号線の4路線の建設を提案、その後鉄道事業免許を取得して、紆余曲折を経て、1968年(昭和43)10月1日に1号線の起工式を挙行して、4年後に部分開通に至ります。
それからも、次々と新路線がつくられたり、延伸されたりして、 現在では、1号線(湘南台駅~関内駅)、3号線(関内駅~あざみ野駅)、4号線(日吉駅~中山駅)の3路線53.4km(40駅)が、横浜市交通局によって運行されてきました。1号線と3号線は一体のものとして運行されブルーラインと呼ばれ、4号線はグリーンラインと呼ばれています。
尚、横浜市内以外にも他社線との接続のために神奈川県藤沢市に湘南台駅を設置しているほか、川崎市麻生区(新百合ヶ丘駅)への延伸が計画されるようになりました。
〇横浜市営地下鉄(横浜市高速鉄道)関係略年表
・1960年(昭和35)3月1日 - 交通局に運輸調査室が設置され、高速度大量輸送機関の検討が始まる
・1962年(昭和37)1月25日 - 横浜市の諮問機関として、横浜市高速度鉄道計画研究調査会が設置され、浜市電を廃止し、地下鉄を建設すべきという答申が出される
・1963年(昭和38) 3月 - 運輸調査室が中心となり、市電を廃止して地下高速鉄道を整備すべきとの報告をまとめる
・1965年(昭和40) 6月11日 - 運輸省都市交通審議会が横浜部会を設置し、横浜市全体の鉄道整備計画について検討を開始する
・1965年(昭和40) 7月15日 - 都市交通審議会が、都市交通審議会答申第9号を発表、地下鉄の1号線・2号線・3号線・4号線の4路線(合計64.5km)が提案される
・1966年(昭和40) 10月11日 - 横浜市議会で、横浜市条例 昭和41年第65号「横浜市交通事業の設置等に関する条例」が成立し、4路線の建設が決定される
・1967年(昭和41)1月 - 第一次財政再建計画「再建整備5か年計画」を策定し、交通局の財政再建に乗り出し、横浜市電を縮小・廃止し、横浜市営バス・市営地下鉄に置き換えるものとする。
・1967年(昭和42)3月7日 -2号線 北幸町(横浜駅)~山下町(横浜マリンタワー付近)、 3号線 上大岡駅~港町(現 JR関内駅)の鉄道事業免許を取得する
・1968年(昭和43)10月1日 - 横浜市立桜岡小学校前広場にて、1号線の起工式を挙行する
・1971年(昭和46)3月30日 - 横浜市営地下鉄のシンボルマークを制定する
・1972年(昭和47)12月16日 - 横浜市営地下鉄の初路線として、1号線の伊勢佐木長者町駅~上大岡駅が開業(第1期開業)する
・1976年(昭和51) 9月4日 - 1号線の伊勢佐木長者町駅~関内駅・上永谷駅~上大岡駅と3号線の関内駅-横浜駅が開業、1号線と3号線で相互直通運転を開始(第2期開業)する
・1981年(昭和56)12月20日 - 横浜市が、横浜市総合計画「よこはま21世紀プラン」を公表。 「みなとみらい21線」(現在のみなとみらい線)の構想を発表する
・1985年(昭和60) 3月14日 - 1号線の上永谷駅~舞岡駅と3号線の横浜駅~新横浜駅が開業(第3期開業)する
・1987年(昭和62)5月24日 - 1号線の戸塚駅(暫定開業)~上大岡駅が開業(第4期開業)する
・1989年(平成元)8月27日 - 国鉄戸塚駅直下部分が完成し、戸塚駅が本開業(第5期開業)する
・1993年(平成5)3月18日 - 3号線の新横浜駅~あざみ野駅が開業(第6期開業)する
・1996年(平成8)2月17日 - 新羽車両基地が運用開始する
・1997年(平成9)5月23日 - 4号線の日吉駅-中山駅(13.0km)の鉄道事業免許を取得する
・1998年(平成10)10月10日 - 横浜市営交通イメージキャラクター「はまりん」が誕生する
・1999年(平成11)8月29日 - 1号線の戸塚駅~湘南台駅が開業(第7期開業)する
・2006年(平成18)6月15日 - 一般公募により、路線の愛称を、1・3号線は「ブルーライン」、4号線は「グリーンライン」に決定し発表される
・2007年(平成19) 3月18日 - 交通系ICカードPASMOの利用を開始する
・2008年(平成20年)3月30日 - 4号線の日吉駅~中山駅が開業する
〇「地下鉄」とは?
地下鉄道の略語で、地下にトンネルを掘り、そこに敷設された都市高速電気鉄道のことですが、一部地上を走る部分も含めて言う場合が多くありました。日本での法規上は、大阪市営地下鉄を除き「鉄道事業法」に基づくものです。大都市部では、鉄道用地取得が困難なため、やむを得ず地下に建設したもので、建設費はかかりますが、用地買収の手数が少く、道路との交差がないので高速運行が可能で、市街地景観も維持でき、沿線の騒音も小さいなどの利点があります。
日本最初の地下鉄は、昭和時代前期の1927年(昭和2)に、東京市の上野駅~浅草駅間(2.2km)の開通によるものでした。この路線は、1939年(昭和14)までに延伸されて、浅草駅~渋谷駅間が全通し、1941年(昭和16)に設立された帝都高速度交通営団に引き継がれ、営団地下鉄銀座線となります。一方、大阪市では、1933年(昭和8)に、梅田(仮駅)~心斎橋駅間(3.1km)が開通しました。
太平洋戦争後は、東京でも大阪でも新しい路線の建設や延伸が行われ、他の都市でも、1957年(昭和32)の名古屋市の名古屋駅~栄町駅間(2.4km)の開通を皮きりに広がって行きます。その後、札幌市(1971年)、横浜市(1972年)、神戸市(1977年)、京都市(1981年)、福岡市(1981年)、仙台市(1987年)などで開業し、2001年(平成13)時点の営業キロ数は672.9kmに達しました。それからも各地で新路線や延伸が進み、現在は、15事業者49路線で、営業キロ数は796.4kmとなっています。
☆日本で営業中の「地下鉄」(日本地下鉄協会の分類)一覧
・札幌市営地下鉄(札幌市交通局)3路線48.0km 46駅 日本唯一のゴムタイヤ式地下鉄
・仙台市地下鉄(仙台市交通局)2路線28.7km 29駅
・埼玉高速鉄道線(埼玉高速鉄道)1路線14.6km 8駅 総延長の97%が地下区間
・都営地下鉄(東京都交通局)4路線109.0km 98駅
・東京メトロ(東京地下鉄) 9路線195.1km 141駅
・りんかい線(東京臨海高速鉄道)1路線12.2km 8駅
・東葉高速線(東葉高速鉄道)1路線16.2km 9駅
・横浜市営地下鉄(横浜市交通局)3路線53.4km 40駅
・みなとみらい線(横浜高速鉄道)1路線4.1km 6駅
・名古屋市営地下鉄(名古屋市交通局)6路線93.2km 87駅
・京都市営地下鉄(京都市交通局)2路線31.2km 31駅
・大阪市営地下鉄(大阪市交通局)8路線129.9km 100駅
・神戸市営地下鉄(神戸市交通局)4路線30.6km 25駅
・アストラムライン(広島高速交通)1路線0.3km 2駅 総延長の10%が地下区間
・福岡市地下鉄(福岡市交通局)3路線29.8km 35駅
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1907年(明治40) | 洋画家浅井忠の命日 | 詳細 |
1932年(昭和7) | 東京市日本橋で白木屋大火災が起きる | 詳細 |