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 今日は、明治時代の1890年(明治23)に、小説家・翻訳家・仏文学者・児童文学者豊島与志雄の生まれた日です。
 豊島与志雄(とよしま よしお)は、福岡県下座郡福田村(現在の朝倉市)で、士族の家に生まれました。福岡県中学修猷館、第一高等学校を経て、東京帝国大学文学部仏文科に入学します。
 在学中の1914年(大正3)に、芥川龍之介、菊池寛、久米正雄らと第3次「新思潮」を刊行し、その創刊号に処女作となる『湖水と彼等』を発表、続いて同年に「帝国文学」に発表した『彼と彼の叔父』によって、文壇に登場しました。1915年(大正4)に大学を卒業後、1917年(大正6年)に小説集『生あらば』を刊行して、作家として認められます。
 生活のためピクトル・ユーゴ作『レ・ミゼラブル』の翻訳を始めましたが、ベストセラーとなり、続いてロマン・ロラン作『ジャン・クリストフ』(1920年)の翻訳も成功しました。1923年(大正12)に法政大学法文学部教授となり、旺盛な創作活動も行って、小説『野ざらし』(1923年)、小説集『人間繁栄』(1924年)などを刊行します。
 1932年(昭和7)に明治大学文芸科教授、翌年に評論集「書かれざる作品」を刊行、1935年(昭和10)に東京大学講師ともなって、フランス文学の研究・講義も進めました。太平洋戦争後は、活動を停止していた日本ペンクラブ再建に尽力し、1947年(昭和22)に幹事長に就任します。
 1949年(昭和24)に法政・明治両大学を辞職し、法政大学名誉教授となり、同年、日本芸術院会員ともなりました。その後も小説『どぶろく幻想』(1952年)、『山吹の花』(1954年)などの他に、数多くの児童文学作品も書きましたが、1955年(昭和30)6月18日に、東京において、64歳で亡くなっています。

〇豊島与志雄の主要な著作

・小説『湖水と彼等』(1914年)
・小説『彼と彼の叔父』(1914年)
・小説集『生あらば』(1917年)
・翻訳『レ・ミゼラブル』ピクトル・ユーゴ作(1918~19年)
・翻訳『ジャン・クリストフ』ロマン・ロラン作(1920年)
・小説『野ざらし』(1923年)
・小説集『人間繁栄』(1924年)
・評論『書かれざる作品』(1933年)
・小説集『道化役』(1934年)
・小説『白い朝』(1938年)
・小説集『白蛾』(1946年)
・小説『高尾ざんげ』(1948年)
・小説『どぶろく幻想』(1952年)
・小説『山吹の花』(1954年)
・童話集『夢の卵』
・童話集『エミリアンの旅』

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

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