今日は、飛鳥時代の669年(天智天皇8)に、政治家・藤原氏の祖藤原鎌足の亡くなった日ですが、新暦では11月14日となります。
藤原鎌足(ふじわら の かまたり)は、614年(推古天皇22)に、大和国において、推古・舒明朝に仕えた神官であった中臣弥気の長子(母は大伴連囓の娘)として生まれましたが、名は鎌子とも言いました。若年から学問に励み、兵法書の『六韜(りくとう)』を暗記し、僧旻や南淵請安に周易や儒教を学びます。
644年(皇極天皇3)に中臣氏の家業であった神祇伯に任じられましたが、病と称して出仕せず、摂津国三島の別邸に退きました。翌年には、中大兄皇子(のちの天智天皇)、軽皇子 (かるのみこ) らとはかって、蘇我蝦夷・入鹿父子を打倒し、大化改新を断行します。
孝徳天皇 (軽皇子) 即位後、内臣(うちつおみ)として、中大兄皇子を補佐して律令制への改革を進めました。647年(大化3)の新冠位制により大錦冠を授与されたとされ、649年(大化5)に倉梯麻呂・石川麻呂が薨去・失脚したあと勢力を伸ばし、654年(白雉5)には大臣の位である紫冠を授かり、さらに大紫冠(だいしかん)に昇進します。
668年 (天智7) に制定された『近江令』 (22巻) の編纂を主宰したとされますが、翌年10月に山科の御猟場に狩りに行き、馬上から転落して負傷しました。病床で天智天皇より、大織冠(たいしょっかん)と大臣の位、藤原朝臣の氏姓をあたえられたものの、同月16日に数え年56歳で亡くなっています。
〇藤原鎌足(中臣鎌足)関係略年表(日付は旧暦です)
・614年(推古天皇22年) 大和国において、中臣弥気の長子(母は大伴連囓の娘)として生まれる
・644年(皇極天皇3年) 神祇伯に任じられるが、病と称して出仕せず、摂津国三島の別邸に退く
・645年(皇極天皇4年6月) 中大兄皇子、軽皇子らとはかって、蘇我蝦夷・入鹿父子を打倒する
・645年(皇極天皇4年6月14日) 軽皇子が即位して孝徳天皇となり、内臣(うちつおみ)となる
・646年(大化2年1月1日) 改新の詔が出される
・647年(大化3年) 新冠位制により大錦冠を授与されたとされる
・649年(大化5年) 倉梯麻呂・石川麻呂が薨去・失脚したあと勢力を伸ばす
・651年(白雉2年) 増封され、前後1万5000戸の封戸を賜る
・654年(白雉5年) 大臣の位である紫冠を授かり、さらに大紫冠(だいしかん)に昇進する
・661年(斉明天皇7年7月) 斉明天皇が亡くなる
・663年(天智天皇2年8月) 白村江の戦いで唐と新羅の連合軍に敗北する
・664年(天智天皇3年) 百済鎮将劉仁願の使者郭務のもとに沙門智祥を派遣し物を賜る
・667年(天智天皇6年3月19日) 飛鳥から近江大津宮へ遷都される
・668年 (天智天皇7年1月3日) 中大兄皇子が即位し、天智天皇となる
・668年 (天智天皇7年) 新羅使金東厳に付して新羅の上臣金信に船一隻を賜る
・668年 (天智天皇7年) 『近江令』 (22巻) の編纂を主宰したとされる
・669年(天智天皇8年10月) 山科の御猟場に狩りに行き、馬上から転落して負傷する
・669年(天智天皇8年10月15日) 病床で天智天皇より、大織冠と大臣の位、藤原朝臣の氏姓をあたえられる
・669年(天智天皇8年10月16日) 数え年56歳で亡くなる
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1279年(弘安2) | 『十六夜日記』の著者阿仏尼が鎌倉に向けて京を出立する(新暦11月21日) | 詳細 |
1970年(昭和45) | 物理学者坂田昌一の命日 | 詳細 |