今日は、平成時代の2007年(平成19)に、「鉄道の日」を記念して、埼玉県さいたま市大宮区に「鉄道博物館」(愛称:鉄博)が開館した日です。
「鉄道博物館(てつどうはくぶつかん)」は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の創立20周年記念事業の一環として、開館した鉄道専門の博物館でした。2006年(平成18)に閉館した「交通博物館」(東京都千代田区)に替わる施設として、その展示・収蔵品を引き継ぐほか、各地から集めた各時代の鉄道車両など日本と世界の鉄道に関する遺産と資料をたくさん展示しています。
そのコンセプトは、①日本および世界の鉄道に関わる遺産・資料に加え、国鉄改革やJR東日本に関する資料を体系的に保存し調査研究を行う、②鉄道システムの変遷を、車両等の実物展示を柱にそれぞれの時代背景等を交えながら産業史として紹介する、③鉄道の原理・しくみと最新の鉄道技術について、子どもたちが模型やシミュレーション、遊戯器具等を活用しながら体験的に学習できる場、としてきました。国指定重要文化財・鉄道記念物となっている1号機関車、ナデ6141号電動車をはじめ、1292号蒸気機関車「善光」、7101号蒸気機関車「弁慶」、開拓使号客車(コトク5010)、ナデ6141号電車などの鉄道記念物が展示され、明治・大正時代に活躍した鉄道車両の実物を見ることができ、文献、映像資料などを含め、鉄道の創設から発展の歴史を学ぶことができます。
尚、とても人気となって来場者が増え、2018年(平成30年)5月26日には入館者1,000万人を達成、同年7月4日には新館(南館)の落成と本館の改修が完成しました。
〇鉄道博物館に収蔵されている鉄道記念物一覧
・1号機関車(1958年指定)国指定重要文化財
・1号御料車(1958年指定)
・弁慶号機関車(1958年指定)
・善光号機関車(1959年指定)
・鉄道古文書(1959年指定)
・開拓使号客車(1961年指定)
・西園寺公望自筆の鉄道国有法案説明草稿(1962年指定)
・2号御料車(1963年指定)
・鉄道助佐藤政養文書(1963年指定)
・ウエブ・エンド・トムソン式電気通票器(1964年指定)
・壱岐丸の号鐘(1967年指定)
・7号御料車(1967年指定)
・9号御料車(1969年指定)
・10号御料車(1969年指定)
・12号御料車(1969年指定)
・ナデ6141号電動車(1972年指定)国指定重要文化財
※準鉄道記念物で国指定重要文化財のED40 10号機関車もあります。
☆鉄道記念物とは?
1958年(昭和33)に当時の日本国有鉄道(国鉄)が制定し、日本の鉄道に関する歴史的文化的に重要な事物等を指定して保存、継承するためのものでした。また、1963年(昭和38)に制定された、地方的に重要な事物等を指定する準鉄道記念物というのもありました。国鉄分割民営化後は、既存の記念物がJR各社の管理に移されましたが、長らく指定が行われなかったものの、2004年(平成16)以後、にJR各社によって、準鉄道記念物から鉄道記念物への格上げという形で、指定行われています。現在、鉄道記念物に44件、準鉄道記念物に51件が指定されています。これ以外にも、経済産業省が認定している近代化産業遺産の中に鉄道関係のものがありますし、国の重要文化財や史跡に指定されているものもあります。
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1867年(慶応3) | 第15代将軍徳川慶喜が朝廷に政権返上し、大政奉還される(新暦11月9日) | 詳細 |
1873年(明治6) | 祝祭日を定める太政官布告「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」が発布される | 詳細 |