今日は、昭和時代中期の1962年(昭和37)に、福岡県北九州市洞海湾に架かる、当時東洋一の長さ(中央径間:367m)の若戸大橋が開通した日です。
若戸大橋(わかとおおはし)は、福岡県北九州市戸畑区と若松区の洞海湾を跨ぐ吊り橋で、全長2,068m、中央径間367m、主塔高84.2m、海面からの高さ42.6mで、桁下は1万t級の船舶が航行可能でした。日本における長大つり橋の先駆けで、開通当初は東洋最長で、1973年(昭和48)に、関門橋(山口県下関市・福岡県北九州市門司区)が開通するまでその座にありました。
若松・戸畑両区間の交通近代化と、船舶の湾内外への航行混雑を緩和するため、日本道路公団によって、アメリカ合衆国のフィラデルフィア―カムデンにかかるウォルト・ホイットマン橋をモデルにして、1958年(昭和33)に着工します。4年余の工期を経て、1962年(昭和37)9月26日に開通し、翌日から有料道路として供用が開始されました。
開通当初は、幅3mの歩道が設けられていましたが、北九州臨海工業地帯の産業道路としての交通量の増大に伴い、1987年(昭和62)に歩道を廃止し、車道が拡幅され、1990年(平成2)に4車線化工事が完成しています。2005年(平成17)に管理者が日本道路公団から北九州市に変更され、翌年から北九州市道路公社管理となりました。
その後も交通量が増え続け、2012年(平成24)には、渋滞緩和のため海底トンネルである若戸トンネル(新若戸道路)が開通しています。尚、2018年(平成30)12月1日から、若戸大橋と若戸トンネルの無料化が実施されました。
〇若戸大橋関係略年表
・1958年(昭和33) 着工する
・1962年(昭和37)9月26日 開通する(供用開始は翌日)
・1962年(昭和37)9月28日~11月25日 開通記念の「若戸大橋完成記念-産業・観光と宇宙大博覧会」が開催される
・1963年(昭和38)9月25日~27日 開通1周年を記念して、第1回若戸大橋みなと祭が開催される
・1972年(昭和47)2月1日 歩行者の通行料金が無料化される
・1984年(昭和59)4月 4車線化工事が着工される
・1987年(昭和62)5月 歩道が廃止される
・1990年(平成2)3月31日 4車線化工事が完成する
・2005年(平成17)9月30日 管理者が日本道路公団から北九州市に変更される
・2006年(平成18)4月1日 管理者が北九州市から北九州市道路公社に変更される
・2006年(平成18)8月1日 若戸トンネル(新若戸道路)と一元管理することを前提に、通行料金が値下げされる
・2011年(平成23) 開通50年を前に大規模補修工事が開始される
・2012年(平成24)9月15日 若戸トンネルの供用が開始される
・2012年(平成24)9月27日 開通50周年を迎える
・2018年(平成30)12月1日 若戸大橋と若戸トンネルが午前0時から無料化される
〇日本における戦後の長大橋建設略年表
・1955年(昭和30) 長崎県の西海橋(径間243.7m)
・1961年(昭和36) 徳島県鳴門市の小鳴門橋(中央径間160m)
・1962年(昭和37) 福岡県北九州市の若戸大橋(中央径間367m)
・1973年(昭和48) 福岡県北九州市・山口県下関市の関門橋(中央径間712m)
・1983年(昭和58) 広島県尾道市の因島大橋(中央径間770m)
・1985年(昭和60) 徳島県鳴門市・兵庫県南あわじ市の大鳴門橋(中央径間876m)
・1988年(昭和63) 香川県坂出市の南備讃瀬戸大橋(中央径間1,100m)
・1988年(昭和63) 香川県坂出市の北備讃瀬戸大橋(中央径間990m)
・1988年(昭和63) 岡山県倉敷市・香川県坂出市の下津井瀬戸大橋(中央径間940m)
・1988年(昭和63) 広島県尾道市・愛媛県今治市の大島大橋(中央径間560m)
・1993年(平成5) 東京都の東京港連絡橋<レインボーブリッジ>(中央径間570m)
・1998年(平成10) 兵庫県の明石海峡大橋(中央径間1,991m)
・1998年(平成10) 北海道室蘭市の白鳥大橋(中央径間720m)
・1999年(平成11) 愛媛県今治市の来島海峡第三大橋(中央径間1,030m)
・1999年(平成11) 愛媛県今治市の来島海峡第二大橋(中央径間1,020m)
・2000年(平成12) 広島県呉市の安芸灘大橋(中央径間750m)
・2008年(平成20) 広島県呉市の豊島大橋(中央径間540m)