ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

2019年07月

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 今日は、昭和時代中期の1952年(昭和27)に、警察予備隊を保安隊に改組するための「保安庁法」が制定公布(施行は8月1日)された日です。
 「保安庁法(ほあんちょうほう)」は、第13回通常国会で成立した法律第265号のことで、1950年(昭和25)8月10日に施行された「警察予備隊令」が「サンフランシスコ平和条約」発効から180日後に失効することから、それに代わるものとして成立させられました。
 「保安庁の所掌事務の範囲及び権限を定めるとともに、その任務を能率的に遂行するに足る組織及びその職員の身分取扱等を定めること」を目的とする法律で、それまでの警察予備隊を第1幕僚監部のもとに改編した陸上部隊(当初約108,000人)とし、海上部隊は警備隊として、それまで海上保安庁所属であったものを新たに保安庁の第2幕僚監部のもとに入れ(当初127隻約30,500tを保有)、国家防衛と警察を任務とする機関とされます。そして、同年10月15日に警察予備隊が保安隊に改編されました。
 その後、1954年(昭和29)3月に「日米相互防衛援助協定」が結ばれ、日本は「自国の防衛力の増強」という義務を負うことになります。それに伴い同法は、1954年(昭和29)6月9日に全部改正されると同時に「防衛庁設置法」(法律第164号)へと改題され、同年7月に保安隊は陸上自衛隊に、警備隊は海上自衛隊にそれぞれ再改編され、警察的機能から軍隊的機能へと移行しました。
 以下に、制定当時の「保安庁法」を全文掲載しておきますので御参照下さい。

〇「保安庁法」(法律第265号)1952年(昭和27)7月31日制定

   第一章 総則

 (この法律の目的)

第一条 この法律は、保安庁の所掌事務の範囲及び権限を定めるとともに、その任務を能率的に遂行するに足る組織及びその職員の身分取扱等を定めることを目的とする。

 (設置)

第二条 総理府の外局として、保安庁を置く。

 (長官)

第三条 保安庁の長は、保安庁長官とし、国務大臣をもつて充てる。
2 保安庁長官(以下「長官」という。)は、内閣総理大臣の指揮監督を受け、庁務を統括し、所部の職員を任免し、且つ、その服務についてこれを統督する。但し、第一幕僚長又は第二幕僚長の監督を受ける部隊その他の機関(以下「部隊等」という。)に対する長官の指揮監督は、それぞれ当該幕僚長を通じて行うものとする。
3 前項の任命権の一部は、部内の上級の職員に委任することができる。

 (保安庁の任務)

第四条 保安庁は、わが国の平和と秩序を維持し、人命及び財産を保護するため、特別の必要がある場合において行動する部隊を管理し、運営し、及びこれに関する事務を行い、あわせて海上における警備救難の事務を行うことを任務とする。

 (保安隊及び警備隊)

第五条 この法律において「保安隊」という場合は、長官、次長、長官官房及び各局、第一幕僚監部並びに第一幕僚長の監督を受ける部隊その他の機関を含むものとする。
2 この法律において「警備隊」という場合は、長官、次長、長官官房及び各局、第二幕僚監部並びに第二幕僚長の監督を受ける部隊その他の機関を含むものとする。
3 保安隊は主として陸上において、警備隊は主として海上において、それぞれ行動することを任務とする。

 (保安庁の権限)

第六条 保安庁は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、この権限の行使は、法律(これに基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。
 一 予算の範囲内で所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。
 二 収入金を徴収し、所掌事務の遂行に必要な支払をすること。
 三 所掌事務の遂行に直接必要な庁舎、営舎、演習場等の施設を設置し、及び管理すること。
 四 所掌事務の遂行に直接必要な装備品、船舶、航空機、食糧、需品等を調達すること。
 五 不用財産を処分すること。
 六 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理すること。
 七 職員の厚生及び保健のため必要な施設を設置し、及び管理すること。
 八 職員に貸与する宿舎を設置し、及び管理すること。
 九 所掌事務に関する文書、統計及び調査資料を作成し、頒布し、又は刊行すること。
 十 所掌事務の監察を行い、法令の定めるところに従い必要な措置をとること。
 十一 所掌事務の周知宣伝を行うこと。
 十二 保安庁の公印を制定すること。
 十三 海上における法令の違反の防止、犯罪の予防及び鎮圧、犯人の捜査及び逮捕並びに海難、天災事変その他救済を必要とする場合において人命及び財産の保護のため必要な措置をとること。
 十四 前号に規定するものの外、わが国の平和と秩序を維持し、人命及び財産を保護するため、特別の必要がある場合において行動すること。
 十五 海上の航路障害物及び危険物の除去及び処理を行うこと。
 十六 保安隊の訓練の目的に適合する場合において、国又は地方公共団体の土木工事を引き受け、及びこれを実施すること。
 十七 前各号に掲げるものの外、法律(これに基く命令を含む。)に基き保安庁に属させられた権限

 (定員)

第七条 保安庁の職員(海上公安局に勤務する職員を除く。以下同じ。)の定員(二月以内の期間を定めて雇用される者、休職者及び非常勤の者を除く。)は、十一万九千九百四十七人とし、うち十一万人を保安官、七千五百九十人を警備官とする。

 (次長)

第八条 保安庁に、次長一人を置く。
2 次長は、長官を助け、庁務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。
   第二章 組織
    第一節 内部部局
     第一款 通則

 (内部部局)

第九条 保安庁に、長官官房の外、左の四局並びに第一幕僚監部及び第二幕僚監部を置く。
  保安局
  人事局
  経理局
  装備局

     第二款 長官官房及び各局

 (長官官房及び各局の任務)

第十条 長官官房及び各局は、保安隊及び警備隊に関する各般の方針及び基本的な実施計画の作成について長官の行う第一幕僚長又は第二幕僚長に対する指示、保安隊又は警備隊に関する事項に関して第一幕僚長又は第二幕僚長の作成した方針及び基本的な実施計画について長官の行う承認並びに保安隊又は警備隊の隊務(長官官房及び各局の所掌事務を除く保安隊又は警備隊の事務をいう。以下同じ。)に関して長官の行う一般的監督について、長官を補佐する。

 (長官官房の事務)

第十一条 長官官房においては、保安庁の所掌事務に関し、左の事務をつかさどる。
 一 機密に関すること。
 二 長官の官印及び庁印の管守に関すること。
 三 公文書の接受、発送、編集及び保管に関すること。
 四 調査及び統計に関すること。
 五 各部局及び機関との連絡調整に関すること。
 六 長官官房及び各局の分課及び定員に関すること。
 七 長官官房及び各局の職員の人事に関すること。
 八 法令案の審査に関すること。
 九 文書の審査及び進達に関すること。
 十 こう報に関すること。
 十一 前各号に掲げるものの外、他の部局又は機関の所掌に属しない事務に関すること。

 (保安局の事務)

第十二条 保安局においては、左の事務をつかさどる。
 一 警備に関する計画の基本及び調整に関すること。
 二 保安隊及び警備隊の行動の基本に関すること。
 三 第一幕僚監部及び第二幕僚監部並びに部隊等の組織、定員、編成、装備及び配置の基本に関すること。
 四 警備に必要な資料及び情報の収集整理に関すること。
 五 職員の訓練及び教育の基本に関すること。
 六 保安研修所に関すること。
 七 保安大学校に関すること。

 (人事局の事務)

第十三条 人事局においては、左の事務をつかさどる。
 一 職員の任免、分限、懲戒、服務、規律、監察その他の人事に関すること。
 二 礼式、表彰及び職員の服制に関すること。
 三 職員の補充の基本に関すること。
 四 職員の勤務条件及び給与に関する制度に関すること。
 五 職員の福利厚生の基本に関すること。
 六 職員の保健衛生の基本に関すること。
 七 公正審査会に関すること。

 (経理局の事務)

第十四条 経理局においては、左の事務をつかさどる。
 一 経費及び収入の予算及び決算並びに会計に関すること。
 二 会計監査に関すること。
 三 行政財産及び物品の会計に関する制度に関すること。
 四 施設の取得、維持及び管理の基本に関すること。
 五 事務能率の改善の基本に関すること。

 (装備局の事務)

第十五条 装備局においては、左の事務をつかさどる。
 一 装備品、船舶、航空機、食糧及び需品(以下「装備品等」という。)並びに役務の調達の基本に関すること。
 二 装備品等の補給、維持及び管理の基本に関すること。
 三 装備品等の規格統一及び研究改善の基本に関すること。
 四 技術研究所に関すること。

 (長官官房及び各局の職員)

第十六条 長官官房に官房長を、各局に局長を置く。
2 長官官房及び各局に、課長、部員、事務官、技官その他の所要の職員を置く。
3 官房長は、命を受け、長官官房の事務を掌理する。
4 局長又は課長は、命を受け、局務又は課務を掌理する。
5 部員は、命を受け、課務に参画する。
6 長官、次長、官房長、局長及び課長は、三等保安士以上の保安官(以下「幹部保安官」という。)又は三等警備士以上の警備官(以下「幹部警備官」という。)の経歴のない者のうちから任用するものとする。

 (長官官房及び各局における保安官又は警備官の勤務)

第十七条 長官は、必要があると認めるときは、第一幕僚監部若しくは第二幕僚監部又は保安隊若しくは警備隊の部隊に所属する保安官又は警備官を長官官房及び各局において勤務させることができる。
2 前項の保安官又は警備官は、その職務についてはその勤務を命ぜられた部局の長の指揮監督を、その身分上の事項についてはその所属する部局又は部隊の長の監督を受けるものとする。

     第三款 幕僚監部

 (幕僚監部)

第十八条 第一幕僚監部は保安隊の隊務に関する長官の幕僚機関とし、第二幕僚監部は警備隊の隊務に関する長官の幕僚機関とする。
2 第一幕僚監部及び第二幕僚監部に、部及び課を置く。
3 前項に定めるものの外、第一幕僚監部及び第二幕僚監部の内部組織は、総理府令で定める。

 (幕僚長)

第十九条 第一幕僚監部の長を第一幕僚長とし、第二幕僚監部の長を第二幕僚長とする。
2 第一幕僚長は保安官をもつて、第二幕僚長は警備官をもつて充てる。
3 第一幕僚長又は第二幕僚長は、長官の指揮監督を受け、それぞれ第一幕僚監部又は第二幕僚監部の事務を掌理し、保安隊又は警備隊の隊務及び所部の職員の服務を監督する。
4 第一幕僚長は保安隊の隊務に関し、第二幕僚長は警備隊の隊務に関し、それぞれ最高の専門的助言者として長官を補佐する。
5 第一幕僚長又は第二幕僚長は、それぞれ部隊等に対する長官の命令を執行する。

 (幕僚監部の事務)

第二十条 第一幕僚監部は保安隊について、第二幕僚監部は警備隊について、それぞれ左の事務をつかさどる。
 一 教育、訓練、行動、編成、装備、配置、情報、経理、調達、補給及び保健衛生並びに職員の人事及び補充の計画の立案に関すること。
 二 隊務の能率的運営の調査及び研究に関すること。
 三 部隊等の管理及び運営の調整に関すること。
 四 長官が定めた方針又は計画の執行に関すること。
 五 その他長官の命じた事項に関すること。

 (幕僚監部の職員)

第二十一条 第一幕僚監部に第一幕僚長の外所要の保安官を、第二幕僚監部に第二幕僚長の外所要の警備官を置く。
2 第一幕僚監部又は第二幕僚監部に、幕僚副長を置くことができる。幕僚副長は、保安官又は警備官をもつて充てる。
3 幕僚副長は、第一幕僚長又は第二幕僚長を助ける。
4 第一項及び第二項の職員の外、第一幕僚監部及び第二幕僚監部に、事務官、技官その他の所要の職員を置く。

 (幕僚監部間の連絡)

第二十二条 第一幕僚監部及び第二幕僚監部は、その所掌事務を行うについては、相互に緊密な連絡をとるものとする。

    第二節 附属機関

 (附属機関)

第二十三条 左の表の上欄に掲げる機関は、保安庁の附属機関として置かれるものとし、その設置の目的は、それぞれ下欄に記載するとおりとする。

  種類      目的

 保安研修所 保安隊及び警備隊の管理及び運営に関する基本的な調査研究をするとともに、幹部保安官、幹部警備官その他の幹部職員を訓練すること。
 保安大学校 幹部保安官又は幹部警備官となるべき者を訓練すること。
 技術研究所 保安隊及び警備隊の装備品等について技術的研究を行うこと。

2 前項の附属機関の所掌事務、位置及び内部組織は、政令で定める。
3 第一項の附属機関に、その所掌事務を行わせるため保安官又は警備官を置く外、事務官、技官、教官その他の所要の職員を置くことができる。
4 保安大学校の学生(以下「学生」という。)の員数は、第七条に規定する職員の定員外とする。

    第三節 部隊その他の機関

 (部隊)

第二十四条 保安庁に、保安隊及び警備隊の部隊を置く。
2 前項の部隊の組織及び編成は、政令で定める。

 (その他の機関)

第二十五条 保安庁に、第一幕僚長又は第二幕僚長の監督を受ける訓練施設その他の所要の機関を置く。
2 前項の機関の組織及び所掌事務は、政令で定める。

 (部隊その他の機関の職員)

第二十六条 部隊及び前条の機関に、保安官又は警備官を置く外、事務官、技官、教官その他の所要の職員を置くことができる。

    第四節 海上公安局

 (海上公安局)

第二十七条 保安庁に、海上公安局を置く。
2 海上公安局の組織、所掌事務及び権限等については、海上公安局法(昭和二十七年法律第二百六十七号)の定めるところによる。

   第三章 職員

    第一節 通則

 (任命権者)

第二十八条 職員の任用、休職、復職、退職、免職、補職及び懲戒処分は、長官又はその委任を受けた職員が行う。

 (事務官、技官及び教官)

第二十九条 事務官は、命を受け、事務に従事する。
2 技官は、命を受け、技術(教育に関するものを除く。)に従事する。
3 教官は、命を受け、教育に従事する。

 (保安官及び警備官)

第三十条 保安官又は警備官は、命を受け、それぞれ保安隊又は警備隊の隊務を行う。
2 保安官の階級は、保安監、保安監補、一等保安正、二等保安正、三等保安正、一等保安士、二等保安士、三等保安士、一等保安士補、二等保安士補、三等保安士補、保査長、一等保査及び二等保査とする。
3 警備官の階級は、警備監、警備監補、一等警備正、二等警備正、三等警備正、一等警備士、二等警備士、三等警備士、一等警備士補、二等警備士補、三等警備士補、警査長、一等警査、二等警査及び三等警査とする。

 (服制)

第三十一条 保安官、警備官、学生その他その勤務の性質上制服を必要とする職員の服制は、総理府令で定める。

    第二節 任免

 (職員の採用)

第三十二条 職員の採用は、競争試験によるものとする。但し、競争試験以外の能力の実証に基く選考によることを妨げない。
2 前項の競争試験及び選考その他職員の採用の方法及び手続に関し必要な事項は、総理府令で定める。

 (保査長等の任用期間及びその延長)

第三十三条 保査長、一等保査及び二等保査(以下「保査長等」という。)は、二年を期間として任用されるものとする。
2 長官は、保査長等が第六十一条第一項の規定により出動を命ぜられている場合その他前項の期間が経過したことに因り保査長等が退職することが保安隊の任務の遂行に重大な支障を及ぼすと認める場合には、六月以内の期間を限つて、同項の期間を延長することができる。
3 第一項の期間が経過した場合において、保査長等が志願をしたときは、長官の定めるところにより、任用期間を定めて、引き続いて任用されることができる。

 (職員の昇任)

第三十四条 職員の昇任は、勤務実績に基く選考又は競争試験によるものとする。
2 前項の選考及び競争試験その他職員の昇任の方法及び手続に関し必要な事項は、総理府令で定める。

 (欠格条項)

第三十五条 左の各号の一に該当する者は、職員となることができない。
 一 禁治産者及び準禁治産者
 二 禁こ以上の刑に処せられ、その執行を終るまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
 三 法令の規定による懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
 四 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
2 職員は、前項各号の一に該当するに至つたときは、総理府令で定める場合を除き、当然失職する。

 (人事に関する不正行為の禁止)

第三十六条 何人も、職員の任用、休職、復職、退職、免職、補職、懲戒処分その他の人事に関する行為を不正に実現し、又は不正にその実現を妨げる目的をもつて、金銭その他の利益を授受し、提供し、若しくはその授受を要求し、若しくは約束し、脅迫、強制その他これに類する方法を用い、又は公の地位を利用し、若しくはその利用を提供し、要求し、若しくは約束し、あるいはこれらの行為に関与してはならない。

 (条件附任用)

第三十七条 職員の採用及び昇任は、すべて条件附のものとし、その職員がその職において六月を下らない期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなる。
2 条件附任用に関し必要な事項及び条件附採用期間であつて六月をこえる期間を要するものについては、総理府令で定める。

    第三節 分限、懲戒及び保障

 (身分保障)

第三十八条 職員は、左の各号の一に該当する場合を除き、その意に反して、降任され、又は免職されることがない。
 一 勤務成績がよくない場合
 二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
 三 前二号に規定する場合の外、その職務に必要な適格性を欠く場合
 四 組織若しくは定員の改廃又は予算の減少に因り、廃職又は過員を生じた場合

第三十九条 職員は、左の各号の一に該当する場合を除き、その意に反して、休職にされることがない。
 一 心身の故障のため長期の休養を要する場合
 二 刑事事件に関し起訴された場合

 (休職の効果)

第四十条 休職の期間は、三年をこえない範囲内において、長官又はその委任を受けた職員が定める。但し、前条第二号の規定による休職の期間は、その事件が裁判所に係属する間とする。
2 休職者は、職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。
3 休職者には、法令で別段の定をする場合を除き、給与を支給しない。
4 長官又はその委任を受けた職員は、休職者について休職の事由が消滅したときは、すみやかに、その者を復職させなければならない。

 (停年)

第四十一条 保安官及び警備官(保査長等を除く。)は、その階級ごとに政令で定める年齢に達したときに、退職するものとする。

 (懲戒処分)

第四十二条 職員が左の各号の一に該当する場合には、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
 二 職員たるにふさわしくない行為のあつた場合
 三 その他この法律又はこの法律に基く命令に違反した場合

 (懲戒の効果)

第四十三条 停職の期間は、一年以内とする。停職者は、職員としての身分を保有するが、特に命ぜられた場合を除き、職務に従事しない。
2 停職者には、法令で別段の定をする場合を除き、給与を支給しない。
3 減給は、一年以内の期間、俸給の三分の一以下を減ずるものとする。

 (学生の分限及び懲戒の特例)

第四十四条 保安大学校の長(以下本条中「学校長」という。)は、学生が左の各号の一に該当する場合には、その意に反して、退校又は休学を命ずることができる。
 一 成績不良で修学の見込がない場合
 二 心身の故障のため修学に堪えない場合
 三 刑事事件に関し起訴された場合
2 学校長は、学生が左の各号の一に該当する場合には、これに対し懲戒処分として、退校、停学又は戒告の処分をすることができる。
 一 学生としての義務に違反し、又は学業を怠つた場合
 二 学生たるにふさわしくない行為があつた場合
 三 その他この法律又はこの法律に基く命令に違反した場合
3 学生が前二項の規定により退校にされた場合には、当然退職するものとする。
4 前項に定めるものの外、学生の分限及び懲戒の効果に関し必要な事項は、政令で定める。

 (委任規定)

第四十五条 第四十二条及び前条第二項の規定による懲戒の手続に関し必要な事項は、総理府令で定める。

 (審査の請求及び公正審査会)

第四十六条 職員は、その意に反して、降任され、休職にされ、若しくは免職され、又は懲戒処分を受けた場合には、長官に対して、その審査を請求することができる。
2 長官は、前項の審査の請求を受けた場合には、これを公正審査会に付議しなければならない。
3 長官は、前項の規定により付議した処分に対する公正審査会の判定があつたときは、その判定に従つて必要な措置をとらなければならない。
4 公正審査会は、保安庁に置く。
5 審査の請求の手続並びに公正審査会の組織及び運営は、政令で定める。

 (適用除外)

第四十七条 第三十八条から第四十条まで及び前条の規定は、条件附採用期間中の職員、臨時的職員及び学生については、適用しない。

    第四節 服務

 (服務の宣誓)

第四十八条 職員は、総理府令で定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。

 (勤務態勢及び勤務時間等)

第四十九条 職員は、何時でも職務に従事することのできる態勢になければならない。
2 職員の勤務時間及び休暇は、勤務の性質に応じ、総理府令で定める。

 (指定場所に居住する義務)

第五十条 保安官及び警備官は、総理府令で定めるところに従い、長官が指定する場所に居住しなければならない。

 (職務遂行の義務)

第五十一条 職員は、法令に従い、誠実にその職務を遂行するものとし、職務上の危険若しくは責任を回避し、又は上司の許可を受けないで職務を離れてはならない。

 (上司の命令に服従する義務)

第五十二条 職員は、その職務の遂行に当つては、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

 (品位を保つ義務)

第五十三条 職員は、常に品位を重んじ、いやしくも職員としての信用を傷つけ、又は保安隊若しくは警備隊の威信を損するような行為をしてはならない。
2 保安官、警備官及び学生は、長官の定めるところに従い、制服を着用し、服装を常に端正に保たなければならない。

 (秘密を守る義務)

第五十四条 職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を離れた後も、同様とする。
2 職員が法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合には、長官の許可を受けなければならない。その職を離れた後も、同様とする。
3 前項の許可は、法令に別段の定がある場合を除き、拒むことができない。

 (職務に専念する義務)

第五十五条 職員は、法令に別段の定がある場合を除き、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用いなければならない。
2 職員は、法令に別段の定がある場合を除き、保安庁以外の国家機関の職を兼ね、又は地方公共団体の機関の職につくことができない。
3 職員は、自己の職務以外の保安庁の職務を行い、又は保安庁以外の国家機関の職を兼ね、若しくは地方公共団体の機関の職につく場合においても、これに因り給与を受けることができない。

 (政治的行為の制限)

第五十六条 職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法をもつてするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、政令で定める政治的行為をしてはならない。
2 職員は、公選による公職の候補者となることができない。
3 職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない。

 (私企業からの隔離)

第五十七条 職員は、営利を目的とする会社その他の団体の役員若しくは顧問の地位その他これらに相当する地位につき、又は自ら営利企業を営んではならない。
2 職員は、その離職後二年間は、営利を目的とする会社その他の団体の地位で、離職前五年以内に従事していた職務と密接な関係のあるもので総理府令で定めるものについてはならない。但し、総理府令で定める基準に従い行う長官の許可を受けた場合には、この限りでない。

 (他の職又は事業の関与制限)

第五十八条 職員は、報酬を受けて、第五十五条第二項に規定する国家機関及び地方公共団体の機関の職並びに前条第一項の地位以外の職又は地位につき、あるいは営利企業以外の事業を行う場合には、総理府令で定める基準に従い行う長官の許可を受けなければならない。

 (職員の団体の結成等の禁止)

第五十九条 職員は、勤務条件等に関し使用者たる国の利益を代表する者と交渉するための組合その他の団体を結成し、又はこれに加入してはならない。
2 職員は、同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。
3 何人も、前項の行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。
4 前三項の規定に違反する行為をした職員は、その行為の開始とともに、国に対し、法令に基いて保有する任用上の権利をもつて対抗することができない。

 (委任規定)

第六十条 本節に定めるものの外、職員の服務に関し必要な事項は、総理府令で定める。

   第四章 行動及び権限

    第一節 行動

 (命令出動)

第六十一条 内閣総理大臣は、非常事態に際して、治安の維持のため特に必要があると認める場合には、保安隊又は警備隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による出動を命じた場合には、出動を命じた日から二十日以内に国会に付議して、その承認を求めなければならない。但し、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会においてすみやかにその承認を求めなければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において、不承認の議決があつたとき又は出動の必要がなくなつた場合には、すみやかに保安隊又は警備隊の撤収を命じなければならない。

 (海上公安局の統制)

第六十二条 長官は、前条第一項の規定による警備隊の全部又は一部に対する出動命令があつた場合において、特別の必要があると認めるときは、海上公安局の全部又は一部を警備隊の統制下に入れることができる。

 (出動待機命令)

第六十三条 長官は、事態が緊迫し、第六十一条第一項に規定する出動命令が発せられることが予測される場合において、これに対処するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、保安隊又は警備隊の全部又は一部に対し出動待機命令を発することができる。

 (要請出動)

第六十四条 都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し保安隊又は警備隊の部隊(「部隊」という。以下同じ。)の出動を要請することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊の出動を命ずることができる。
3 都道府県知事は、事態が収まり、部隊の出動の必要がなくなつたと認める場合には、内閣総理大臣に対しすみやかに部隊の撤収を要請しなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の要請があつた場合又は部隊の出動の必要がなくなつたと認める場合には、すみやかに部隊の撤収を命じなければならない。
5 都道府県知事は、第一項に規定する要請をした場合には、事態が収まつた後、すみやかにその旨を当該都道府県の議会に報告しなければならない。
6 第一項及び第三項に規定する要請の手続は、政令で定める。

 (海上における警備行動)

第六十五条 長官は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため緊急の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、警備隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。

 (災害派遣)

第六十六条 都道府県知事その他政令で定める者は、天災、地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊の派遣を長官又はその指定する者に要請することができる。
2 長官又はその指定する者は、前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊を救援のため派遣することができる。但し、庁舎、営舎その他の保安庁の施設又はこれらの近傍に火災その他の災害が発生した場合には、同項の要請を待たないで部隊を派遣することができる。
3 第一項の要請の手続は、政令で定める。

 (関係機関との連絡及び協力)

第六十七条 第六十一条第一項、第六十四条第二項、第六十五条又は前条第二項の規定により部隊が行動する場合には、当該部隊及びその行動する区域に関係のある都道府県知事、市町村長、警察機関その他の国又は地方公共団体の機関は、相互に緊密に連絡し、及び協力するものとする。

    第二節 権限

 (武器の保有及び所持)

第六十八条 保安隊及び警備隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる。
2 保安官及び警備官は、その任務の遂行に必要な武器を所持することができる。

 (命令出動時の権限)

第六十九条 警察官等職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)の規定は、第六十一条第一項の規定により出動を命ぜられた保安隊の保安官又は警備隊の警備官の職務の執行について準用する。この場合において、同法第四条第二項中「公安委員会」とあるのは、「長官の指定する者」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する警察官等職務執行法第七条の規定により保安官又は警備官が武器を使用するには、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条に該当する場合を除き、当該部隊指揮官の命令によらなければならない。

第七十条 第六十一条第一項の規定により出動を命ぜられた保安隊の保安官又は警備隊の警備官は、前条の規定により武器を使用する場合の外、左の各号の一に該当すると認める相当の理由があるときは、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。
 一 職務上警護する人、施設又は物件が暴行又は侵害を受け、又は受けようとする明白な危険があり、武器を使用する外、他にこれを排除する適当な手段がない場合
 二 多衆集合して暴行若しくは脅迫をし、又は暴行若しくは脅迫をしようとする明白な危険があり、武器を使用する外、他にこれを鎮圧し、又は防止する適当な手段がない場合
3 前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

第七十一条 海上公安局法第十一条、第十二条第一項、第二項及び第三項並びに第十三条の規定は、第六十一条第一項の規定により出動を命ぜられた警備隊の三等警備士補以上の警備官の職務の執行について準用する。

第七十二条 第六十一条第一項の規定により出動を命ぜられた保安隊の保安官又は警備隊の警備官は、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に規定する司法警察職員として、現行犯人の外、同法第二百十条の規定により被疑者を逮捕することができる。この場合においては、当該現行犯人又は被疑者をすみやかに(被疑者については、刑事訴訟法第二百十条第一項の規定による逮捕状を得た後すみやかに)権限を有する国家地方警察若しくは自治体警察の警察官若しくは警察吏員又は海上公安官若しくは海上公安官補に引き渡さなければならない。但し、これを引き渡すことのできないやむを得ない事情がある場合には、なお引き続き当該現行犯人又は被疑者に係る当該事件の継続処理に必要な限度において、司法警察職員として職務を行うことができる。
2 前項の規定により司法警察職員として職務を行う保安官又は警備官のうち、三等保安士補又は三等警備士補以上の者は司法警察員とし、その他の者は司法巡査とする。

 (要請出動時の権限)

第七十三条 前条及び警察官等職務執行法の規定は、第六十四条第二項の規定により出動を命ぜられた保安隊又は警備隊の部隊の保安官又は警備官の職務の執行について準用する。この場合において、警察官等職務執行法第四条第二項中「公安委員会」とあるのは、「長官の指定する者」と読み替えるものとする。
2 海上公安局法第十一条、第十二条第一項、第二項及び第三項並びに第十三条の規定は、第六十四条第二項の規定により出動を命ぜられた警備隊の部隊の三等警備士補以上の警備官の職務の執行について準用する。
3 第六十九条第二項の規定は、第一項の場合について準用する。

 (海上における警備行動時の権限)

第七十四条 第七十二条及び警察官等職務執行法第七条の規定は、第六十五条の規定により行動を命ぜられた警備隊の部隊の警備官の職務の執行について準用する。
2 海上公安局法第十一条、第十二条第一項、第二項及び第三項並びに第十三条の規定は、第六十五条の規定により行動を命ぜられた警備隊の部隊の三等警備士補以上の警備官の職務の執行について準用する。
3 第六十九条第二項の規定は、第一項の場合について準用する。

 (海上における災害派遣時の権限)

第七十五条 海上公安局法第十一条の規定は、第六十六条第二項の規定により派遣を命ぜられた警備隊の部隊の三等警備士補以上の警備官の職務の執行について準用する。

 (武器庫等の防護のための武器の使用)

第七十六条 保安官又は警備官は、保安隊又は警備隊の武器庫、弾薬庫又は火薬庫を職務上警護するに当り、人又は武器庫、弾薬庫若しくは火薬庫を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。但し、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合の外、人に危害を与えてはならない。

 (部内の秩序維持に専従する者の権限)

第七十七条 保安官又は警備官のうち、部内の秩序維持の職務に専従する者は、政令で定めるところにより、左の各号に掲げる犯罪について、第七十二条第二項の例により、刑事訴訟法の規定による司法警察職員として職務を行う。
 一 保安官、警備官並びに第一幕僚監部、第二幕僚監部及び部隊等に所属する保安官及び警備官以外の職員並びに学生(以下本条中「職員」という。)の犯した犯罪又は職務に従事中の職員に対する犯罪その他職員の職務に関し職員以外の者の犯した犯罪
 二 保安庁(海上公安局を除く。以下本条中同じ。)の使用する船舶、庁舎、営舎その他の施設内における犯罪
 三 保安庁の所有し、又は使用する物件に対する犯罪

2 警察官等職務執行法第七条の規定は、前項の保安官又は警備官の職務の執行について準用する。

   第五章 雑則

 (募集事務の一部委任)

第七十八条 都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、内閣総理大臣の指揮監督を受け、保安官又は警備官の募集に関する事務の一部を行う。
2 都道府県知事は、前項の事務について、市町村長を指揮監督する。
3 内閣総理大臣は、国家地方警察及び自治体警察に対し、保安官又は警備官の募集に関する事務の一部について協力を求めることができる。
4 第一項の規定により都道府県知事及び市町村長の行う事務並びに前項の規定により自治体警察の行う協力に要する経費は、国庫の負担とする。

 (礼式及び表彰)

第七十九条 保安庁の礼式及び表彰に関し必要な事項は、総理府令で定める。

 (機雷等の除去)

第八十条 警備隊は、長官の命を受け、海上における機雷その他の爆発性の危険物の除去及びこれらの処理を行うものとする。

 (土木工事の引受)

第八十一条 長官は、保安隊の訓練の目的に適合する場合には、国又は地方公共団体の土木工事を引き受け、及びこれを実施することができる。
2 前項の土木工事の引受に関し必要な事項は、政令で定める。

 (水路官署及び航路標識官署との関係)

第八十二条 警備隊と水路官署及び航路標識官署は、相互に常に緊密な連絡を保たなければならない。
2 長官は、警備隊の任務遂行上特に必要があると認める場合には、水路官署又は航路標識官署に対し、協力を求めることができる。この場合においては、水路官署又は航路標識官署は、特別の事情のない限り、これに応じなければならない。

 (保安庁の船舶及び航空機の標識等)

第八十三条 保安庁の使用する船舶は、番号及び他の船舶と明らかに識別し得るような標識を付し、国旗及び長官の定める旗を掲げなければならない。
2 保安庁の使用する船舶以外の船舶は、前項に規定する標識若しくは旗又はこれらにまぎらわしい標識若しくは旗を付し、又は掲げてはならない。
3 前二項の規定は、保安庁の使用する航空機の標識について準用する。
4 保安庁の使用する船舶及び航空機の標識及び旗の制式は、官報で告示する。

 (火薬類取締法の適用除外及び特例)

第八十四条 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)の規定は、第三条、第四条、第七条、第九条第一項及び第二項、第十条から第十三条まで、第十四条第一項、第十五条、第十九条第二項、第二十八条、第二十九条、第三十条第一項、第三十一条第一項、第三項及び第四項、第三十二条、第三十三条第一項及び第三項、第三十五条、第三十九条第一項並びに第四十六条第二項の規定を除き、保安隊及び警備隊の行う火薬類の製造、貯蔵、運搬、消費その他の取扱については、適用しない。
2 保安隊及び警備隊の行う火薬類の製造、貯蔵、運搬、消費その他の取扱についての火薬類取締法(前項の規定により適用を除外される規定を除く。)の適用については、政令で特例を定めることができる。
3 長官は、第一項の規定にかかわらず、保安隊及び警備隊が取り扱う火薬類について、火薬類取締法及びこれに基く命令の規定に準拠して製造、貯蔵、運搬、消費その他の取扱に関する技術上の基準を定め、その他火薬類に因る災害を防止し、公共の安全を確保するため必要な措置を講じなければならない。

 (航空法の適用除外及び特例)

第八十五条 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)中第十一条、第二十条第一項、第二十八条第一項及び第二項、第三十四条第二項、第三十八条第一項、第六十五条、第六十六条、第八十六条、第九十条、第九十五条、第百三十二条第一項及び第二項並びに第百三十四条第一項及び第二項の規定は、保安隊又は警備隊の使用する航空機及びその航空機に乗り組んで運航に従事する者並びに保安隊又は警備隊が設置する飛行場及び航空保安施設については、適用しない。
2 航空法第四十九条から第五十一条までの規定は、保安隊又は警備隊が設置する飛行場について準用する。この場合において、同法第四十九条第一項中「第四十条(第四十三条第二項において準用する場合を含む。)の告示」とあるのは「保安庁長官の告示」と、同法第五十条中「当該飛行場の設置又は第四十三条第一項の施設の変更」とあるのは「当該飛行場の設置又は変更」と読み替えるものとする。
3 保安隊又は警備隊の使用する航空機及びその航空機に乗り組んで運航に従事する者についての航空法第六章(第一項の規定により適用を除外される規定を除く。)の規定の適用については、政令で特例を定めることができる。
4 長官は、第一項の規定にかかわらず、保安隊又は警備隊が使用する航空機の安全性及び運航に関する基準、その航空機に乗り組んで運航に従事する者の技能に関する基準並びに保安隊又は警備隊が設置する飛行場及び航空保安施設の設置及び管理に関する基準を定め、その他航空機に因る災害を防止し、公共の安全を確保するため必要な措置を講じなければならない。
5 長官は、前項の規定による基準を定めようとする場合には、あらかじめ運輸大臣と協議するものとする。

 (労働組合法等の適用除外)

第八十六条 労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)、労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)及び船員法(昭和二十二年法律第百号)(第一条、第二条、第七条から第十八条まで、第二十条、第二十五条から第二十七条まで、第百二十二条から第百二十五条まで、第百二十六条(第六号及び第七号を除く。)、第百二十七条、第百二十八条(第三号を除く。)及び第百三十四条並びにこれらに関する第百二十条の規定を除く。)並びにこれらに基く命令の規定は、特別職である保安庁の職員については、適用しない。

 (船舶安全法の適用除外)

第八十七条 船舶安全法(昭和八年法律第十一号)の規定は、警備隊の使用する船舶については、適用しない。

 (船舶職員法の適用除外)

第八十八条 船舶職員法(昭和二十六年法律第百四十九号)の規定は、警備隊の使用する船舶及びこれに乗り組んで船舶職員の業務に従事する職員については、適用しない。

 (電波法の適用除外)

第八十九条 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第百四条の規定にかかわらず、同法の規定のうち、無線局の免許及び検査並びに無線従事者に関するものは、保安隊及び警備隊の使用する移動無線局については、適用しない。
2 長官は、保安隊及び警備隊の移動無線局の使用しようとする周波数については、郵政大臣の承認を受けなければならない。
3 保安隊及び警備隊の移動無線局は、前項に規定する周波数の使用について、他の無線局の運用を阻害するような混信を防止するため郵政大臣が定めるところに従うものとする。

 (銃砲刀剣類等所持取締令の適用除外)

第九十条 銃砲刀剣類等所持取締令(昭和二十五年政令第三百三十四号)第二十五条の規定は、保安隊及び警備隊が保有し、並びに保安官及び警備官が所持する銃砲については、適用しない。

   第六章 罰則

第九十一条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
 一 第五十四条第一項又は第二項の規定に違反して秘密を漏らした者
 二 第五十七条の規定に違反した者 
 三 正当な理由がなくて武器を使用した者
2 前項第一号に掲げる行為を企て、そそのかし、又はそのほう助をした者は、同項の刑に処する。

第九十二条 左の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は禁こに処する。
 一 第五十六条第一項の規定に違反した者
 二 第五十九条第一項の規定に違反して組合その他の団体を結成した者
 三 第五十九条第二項の規定に違反した者
 四 第六十一条第一項の規定による出動命令を受けた者で、上司の職務上の命令に服従しなかつたもの
 五 第六十三条の規定による出動待機命令を受けた者で、正当な理由がなくて職務の場所を離れ七日を過ぎたもの又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて七日を過ぎてなおその場所につかないもの
 六 上司の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
 七 正当な権限がなくて又は上司の職務上の命令に違反して部隊を指揮した者
2 前項第二号、第四号若しくは第五号に規定する行為の遂行をそそのかし、若しくはそのほう助をした者又は同項第三号、第六号若しくは第七号に規定する行為の遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおり、若しくはこれらの行為を企てた者は、それぞれ同項の刑に処する。

第九十三条 第六十一条第一項の規定による出動命令を受けた者で、左の各号の一に該当するものは、五年以下の懲役又は禁こに処する。
 一 第五十九条第二項の規定に違反した者
 二 正当な理由がなくて職務の場所を離れ三日を過ぎた者又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて三日を過ぎてなおその場所につかない者
 三 上司の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
 四 正当な権限がなくて又は上司の職務上の命令に違反して部隊を指揮した者
2 前項第二号に規定する行為の遂行をそそのかし、若しくはそのほう助をした者又は同項第一号、第三号若しくは第四号に規定する行為の遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおり、若しくはこれらの行為を企てた者は、それぞれ同項の刑に処する。

   附 則(略)
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 今日は、室町時代の1502年(文亀2)に、連歌師・古典学者宗祇の亡くなった日ですが、新暦では9月1日となります。
 宗祇(そうぎ)は、1421年(応永28)に生まれたとされますが、生国は紀伊とも近江とも言われ、姓は飯尾とも言われるもののはっきりしません。若年より京都相国寺に入り、30歳のころより文芸を志したとされます。連歌を宗砌(そうぜい)、心敬、専順に師事し、和歌・古典を飛鳥井雅親、東常縁(とうのつねより)、一条兼良らに学び、神道の教を卜部兼倶に受けました。
 1461年(寛正2)独吟の『何人百韻』が現存する最初の連歌作品で、各地の連歌会に参加して、頭角を現します。1471年(文明3)、伊豆に出陣中の常縁より『古今集』の講釈を聴聞し、古今伝授を受けたとされてきました。
 1473年(文明5)以後、公家や将軍、管領の居住する上京(かみきょう)に種玉庵を結び、自撰句集『萱草(わすれぐさ)』を編み、先達7人の句を集めた『竹林抄』を撰します。1480年(文明12)大内政弘の招きにより山口に下り、その勢力下の北九州を回って、『筑紫道記』を著しました。
 三条西実隆、細川政元ら公家、幕府要人と親交を結び、1488年(長享2)に北野連歌所宗匠となり、名実ともに連歌界の第一人者となります。1495年(明応4)に猪苗代兼載、一条冬良らと『新撰菟玖波集』を撰集しました。
 また、『古今集』、『源氏物語』など多くの古典を講釈し、その注釈の書を残しています。大名高家に招かれ、各地を旅して連歌を普及、古典一般にも通じ、文化の地方伝播にも貢献しましたが、1502年(文亀2年7月30日)に、旅の途中の相模国箱根湯本において、82歳で亡くなりました。

<宗祇の代表的な句>
・「雪ながら 山もとかすむ 夕かな」(水無瀬三吟百韻)
・「松むしに さそはれそめし 宿出でて」(湯山三吟百韻)

〇宗祇の主要な著作

・『何人(なにひと)百韻』(1461年)
・連歌作法書『藻塩草』(1466年)
・連歌論書『吾妻問答』 (1467年?)
・紀行『白河紀行』(1468年)
・古典注釈書『古今集両度聞書』(1471年)
・連歌句集『萱草 (わすれぐさ) 』(1474年)
・連歌撰集『竹林抄』(1476年)
・連歌論書『老のすさみ』 (1479年)
・紀行『筑紫道記(つくしみちのき)』(1480年)
・連歌句集『老葉 (わくらば) 』(1481年頃)
・『水無瀬三吟百韻』肖柏、宗長らとの共著(1488年)
・『湯山三吟百韻』肖柏、宗長らとの共著(1491年)
・連歌句集『下草』(1493年)
・『新撰菟玖波集』兼載、一条冬良と共に編纂(1495年)
・連歌句集『宇良葉(うらば)』
・連歌論書『長六文(ちょうろくぶみ)』
・連歌論書『淀渡(よどのわたり)』
・連歌論書『分葉(ぶんよう)』
・歌集『宗祇法師集』
・古典注釈書『弄花抄』
・『葉守千句』
・古典注釈書『種玉編次抄』
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 今日は、平成時代の1989年(平成元)に、小説家森敦の亡くなった日です。
 森敦(もり あつし)は、明治時代後期の1912年(明治45)1月22日に、長崎市銀屋町で生まれました。少年時代は朝鮮の京城府(現在のソウル市)で暮らし、京城中学校で学びます。1931年(昭和6)に旧制第一高等学校理科に入学しましが、小説がいかにあるべきかを追求するジッドに関心をもち、また禅や華厳経の世界に興味を抱いて、翌年退学します。
 その後、横光利一に師事し、その推薦により、1934年(昭和9)に「東京日日新聞」、「大阪毎日新聞」に『酩酊舟〔よいどれぶね〕』を連載して文壇に登場、太宰治・檀一雄らと文芸同人誌「青い花」を創刊しました。その頃から各地を放浪するようになり、奈良市や松本市などを転々とします。
 1941年(昭和16)に横光利一夫妻の媒酌により前田暘と結婚、1945年(昭和20)頃から妻の故郷である山形県酒田市に住み、1951年(昭和26)から翌年にかけて、湯殿山注連寺に滞在しました。1955年(昭和30)に「立像」を創刊、1957年(昭和32)には、三重県の電源開発に、1962年(昭和37)には東京の近代印刷に勤務しています。
 1968年(昭和43)から「ポリタイア」に小説を書くようになり、1973年(昭和49)に、「季刊芸術」に発表した『月山』で第70回芥川賞を受賞、当時の最高齢(62歳)受賞者として話題になりました。それからも、小説集『鳥海山』(1974年)、エッセイ集『意味の変容』(1984年)、『マンダラ紀行』(1986年)などを出し、1987年(昭和62)の長編小説『われ逝くもののごとく』で第40回野間文芸賞を受賞しています。
 しかし、1989年(平成元)7月29日に、東京において、77歳で亡くなりました。

〇森敦の主要な著作

・『酩酊船(よいどれぶね)』(1934年)
・『月山(がっさん)』(1974年)第70回芥川賞受賞
・小説集に『鳥海山』(1974年)
・エッセー集『文壇意外史』(1974年)
・作品集『私家版柳斎志異』(1979年)
・エッセー集『わが青春わが放浪』(1982年)
・エッセー集『わが風土記』(1982年)
・エッセイ集『意味の変容』(1984年)
・エッセイ集『マンダラ紀行』(1986年)
・『われ逝(ゆ)くもののごとく』(1987年)第40回野間文芸賞受賞
・短編集『浄土』(1989年)
・自伝『楽しかりし日々』
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 今日は、平成時代の1989年(平成元)に、「緑の文明学会」と「社団法人日本公園緑地協会」によって、「日本の都市公園100選」が選ばれた日です。
 これは、都市に住む人々の公園緑地に対する愛護意識が高められることを期待して、「緑の文明学会」と「社団法人日本公園緑地協会」が主催、建設省(現在の国土交通省)が後援して選定されました。一般からの公募方式により、日頃から人々の身近にあって、地域から親しまれ、自慢されている都市公園を広く全国から募集します。
 その結果、3ヶ月の募集期間に、総数131,432通、653公園の応募があり、これを2回にわたる予備選考委員会(建設省、日本公園緑地協会、緑の文明学会により構成)により、応募数、地域バランス、利用状況などを判断して絞り込みました。その上で、佐藤昌 (日本公園緑地協会会長・農学博士)委員長、浅井慎平(写真家)、石井幹子(照明デザイナー)、高橋延清(緑の文明学会会長・東京大学名誉教授)、平野侃三(東京農業大学教授)、真嶋一男(建設省都市局長)の6名をメンバーとする 「日本の都市公園100選」選定委員会にかけられます。
 その中で、 ̄?膺堯↓公園の利用者数、整備・管理・運営の現況、ち換颪療垰垳?爐量枠呂箸覆襪茲Δ米団А瞥イ譴新粉僉独創的デザイン、個性的な施設など)、あるいは造園文化に関する歴史性などを考慮に入れた選定作業が進められ、各都道府県から最低一つが選ばれるように配慮されて、最終的には102ヶ所が選定されました。
 尚、都市公園とは、都市またはその近郊に設けられる公園のことで、一般的には1956年(昭和31)制定の「都市公園法」に基づき地方公共団体が都市計画区域内に設置したり、国が設置するものとされています。

〇「都市公園法」とは?

 昭和時代中期の1956年(昭和31)4月20日に公布、同年10月15日に施行され、時々の状況に合わせて何度か改正されていますが、「都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて、都市公園の健全な発達を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」(第1条)とした法律です。内容としては、都市公園の設置基準(第3条)、都市公園の占用の許可(第6条)、都市公園の保存(第16条)、公園一体建物に関する協定(第22条)、公園保全立体区域における行為の制限(第26条)などが定められました。
 この法律による都市公園の定義は、
(1)都市計画施設である公園または緑地で地方公共団体が設置するもの、および地方公共団体が都市計画区域内において設置する公園または緑地、
(2)国が設置する公園で、(a)前記(1)の都府県の区域を超えるような広域の見地から設置する都市計画施設である公園または緑地、(b)国家的な記念事業として、またはわが国固有の優れた文化的資産の保存および活用を図るため閣議決定を経て設置する都市計画施設である公園または緑地、
 と規定されています。

☆「日本の都市公園100選」一覧(102ヶ所)

<北海道>
・常磐公園(北海道旭川市)
・北海道子どもの国(北海道砂川市)
・大通公園(北海道札幌市中央区)
・中島公園(北海道札幌市中央区)
・月寒公園(北海道札幌市豊平区)
・ゆめの森公園(北海道中標津町)

<東北>
・鷹揚公園(青森県弘前市)
・合浦公園(青森県青森市)
・岩手公園(岩手県盛岡市)
・高田松原公園(岩手県陸前高田市)
・松島公園(宮城県松島町、塩竈市、七ヶ浜町、利府町、東松島市) 日本三景
・榴岡公園(宮城県仙台市宮城野区)
・千秋公園(秋田県秋田市)
・霞城公園(山形県山形市)
・日和山公園(山形県酒田市)
・翠ヶ丘公園(福島県須賀川市)

<関東>
・偕楽園(茨城県水戸市) 日本三名園
・長峰公園(栃木県矢板市)
・栃木県井頭公園(栃木県真岡市)
・華蔵寺公園(群馬県伊勢崎市)
・敷島公園(群馬県前橋市)
・大宮公園(埼玉県さいたま市大宮区)
・国営武蔵丘陵森林公園(埼玉県比企郡滑川町) 国営公園
・さきたま古墳公園(埼玉県行田市)
・川口市立グリーンセンター(埼玉県川口市)
・千葉市昭和の森公園(千葉県千葉市緑区)
・富津公園(千葉県富津市)
・北区立音無親水公園(東京都北区)
・東京都立日比谷公園(東京都千代田区)
・東京都立上野恩賜公園(東京都台東区)
・東京都立水元公園(東京都葛飾区)
・東京都立代々木公園(東京都渋谷区)
・国営昭和記念公園(東京都立川市、昭島市) 国営公園
・東高根森林公園(神奈川県川崎市宮前区)
・山下公園(神奈川県横浜市中区)
・港の見える丘公園(神奈川県横浜市中区)
・三笠公園(神奈川県横須賀市)
・秦野市運動公園(神奈川県秦野市)
・七沢森林公園(神奈川県厚木市)

<中部>
・五十公野公園(新潟県新発田市)
・白山公園(新潟県新潟市中央区)
・悠久山公園(新潟県長岡市)
・県民公園太閤山ランド(富山県射水市)
・高岡古城公園(富山県高岡市)
・兼六園(石川県金沢市) 日本三名園
・越前陶芸公園(福井県丹生郡越前町)
・山梨県小瀬スポーツ公園(山梨県甲府市)
・鳥居平やまびこ公園(長野県岡谷市)
・中央公園(長野県松本市)
・国営木曽三川公園(岐阜県海津市) 国営公園
・城山公園(岐阜県高山市)
・姫の沢公園(静岡県熱海市)
・城北公園(静岡県静岡市葵区)
・舘山寺総合公園(静岡県浜松市中区)
・岡崎公園(愛知県岡崎市)
・東山公園(愛知県名古屋市千種区)
・大高緑地(愛知県名古屋市緑区)
・名城公園(愛知県名古屋市中区)
・落合公園(愛知県春日井市)

<近畿>
・中部台運動公園(三重県松阪市)
・金亀公園(滋賀県彦根市)
・湖岸緑地(滋賀県大津市ほか)
・円山公園(京都府京都市東山区)
・宝ヶ池公園(京都府京都市左京区)
・京都府立山城総合運動公園(京都府宇治市)
・大阪城公園(大阪府大阪市中央区)
・中之島公園(大阪府大阪市北区)
・服部緑地(大阪府豊中市)
・五月山緑地(大阪府池田市)
・大仙公園(大阪府堺市堺区)
・中央公園(大阪府岸和田市)
・兵庫県立甲山森林公園(兵庫県西宮市)
・神戸市立須磨離宮公園(兵庫県神戸市須磨区)
・兵庫県立明石公園(兵庫県明石市)
・奈良公園(奈良県奈良市)
・平草原公園(和歌山県西牟婁郡白浜町)

<中国>
・打吹公園(鳥取県倉吉市)
・島根県立浜山公園(島根県出雲市)
・後楽園(岡山県岡山市北区) 日本三名園
・平和記念公園(広島県広島市中区)
・呉市中央公園(広島県呉市)
・維新百年記念公園(山口県山口市)
・ときわ公園(山口県宇部市)

<四国>
・徳島中央公園(徳島県徳島市)
・栗林公園(香川県高松市)
・城山公園(愛媛県松山市)
・南楽園(愛媛県宇和島市)
・春野総合運動公園(高知県高知市)

<九州>
・響灘緑地(福岡県北九州市若松区)
・天地山公園(福岡県豊前市)
・海の中道海浜公園(福岡県福岡市東区)
・南公園(福岡県福岡市中央区)
・佐賀城公園(佐賀県佐賀市)
・上山公園(長崎県諫早市)
・水前寺江津湖公園(熊本県熊本市東区)
・うしぶか公園(熊本県天草市)
・高尾山自然公園(大分県大分市)
・宮崎県総合運動公園(宮崎県宮崎市)
・特別史跡公園西都原古墳群(宮崎県西都市)
・吉野公園(鹿児島県鹿児島市)

<沖縄>
・国営沖縄記念公園(沖縄県国頭郡本部町) 国営公園
・東平安名崎公園(沖縄県宮古島市)
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 今日は、江戸時代後期の1835年(天保6)に、日本画家橋本雅邦が生まれた日ですが、新暦では8月21日となります。
 橋本雅邦(はしもと がほう)は、江戸木挽町(現在の東京都中央区)の狩野家の邸内において、武蔵国川越藩の御用絵師橋本晴園養邦の子として生まれましたが、幼名は千太郎(のち長卿)と言いました。1847年(弘化4)に13歳で狩野勝川院雅信に入門しましたが、狩野芳崖とは同じ頃の入門で、勝川門の二神足と称され、1854年(安政元)には塾頭となります。
 1860年(万延元)に勝園雅邦(ただくに)の号を与えられ、独立を許されたものの、幕末の混乱期で困窮を極め、中国向け輸出の扇子絵描きなどで糊口をしのぎました。1870年(明治3)に木挽町狩野家は火災で焼失、財産のほとんどを失い、妻は発狂し、苦労を重ねます。
 翌年から、生活のため海軍兵学寮に製図係として出仕し、ウィーン万博出品の日本全国地図などを制作しました。一方、1882年(明治15)の第1回内国絵画共進会では、『琴棋書画図』が銀印主席を取り、1884年(明治17)の第2回内国絵画共進会展にも出品し、岡倉天心、フェノロサに認められます。
 1886年(明治19)には海軍兵学校を辞し、文部省の絵画取調所に出仕するようになり、東京美術学校(のちの東京芸術大学)設立にも尽力し、1889年(明治22)開校とともに初代教授となって、後進の育成にあたりました。同年に最初の帝室技芸員ともなり、翌年の第3回内国勧業博覧会には審査官として『白雲紅樹』を出品し、1等妙技賞を受賞します。
 1898年(明治31)の天心の美術学校退職と行をともにし、日本美術院の創立に参加、主幹となって、横山大観、菱田春草、下村観山らを指導しました。狩野派の伝統的手法による穏やかな写実的作風で、近代日本画の礎を築きましたが、1908年(明治41)1月13日に、東京において、数え年74歳で亡くなっています。

〇橋本雅邦の主要な作品

・油絵『豫譲』川越市立美術館蔵
・油絵『水雷命中』(1868年)東京国立博物館蔵
・『琴棋書画図』(1882年)第1回内国絵画共進会銀印主席 MOA美術館蔵
・『竹に鳩』(1882年)三の丸尚蔵館蔵
・『秋景山水』(1884年頃)練馬区立美術館蔵
・『月夜山水』(1889年)東京芸術大学蔵
・『白雲紅樹』(1890年)第3回内国勧業博覧会1等妙技賞受賞 東京芸術大学蔵 国指定重要文化財
・『竜虎図屏風』(1895年)静嘉堂文庫庫蔵 国指定重要文化財
・『春秋山水図』(1901年)宮内庁三の丸尚蔵館蔵
・『瀟湘八景』東京国立博物館蔵
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