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 今日は、戦国時代の1495年(明応4)に、飯尾宗祇ら編集による『新撰菟玖波集』が完成した日ですが、新暦では7月12日となります。
 『新撰菟玖波集』(しんせんつくばしゅう)は、1494年(明応3)に連歌に関心の深かった九州の守護大内政弘の発案・後援により、一条冬良、三条西実隆、宗祇、兼載らが共同編集した連歌集で、翌年6月20日に完成後、冬良が校閲して9月に奏覧しました。20巻からなり、永享年間(1429~41年)から明応年間に至る60年間の専順、大内政弘、智蘊 (ちうん) 、宗祇、兼載、宗伊、能阿、行助、三条西実隆、肖柏など約250人の2,052句を集成したものです。
 『菟玖波集』に次ぐ連歌の準勅撰集で、『古今和歌集』の部立にならって分類配列(俳諧の部は除かれている)してあり、連歌最盛期のものとして、典雅で幽玄な傾向が強く、高く評価されました。

〇『新撰菟玖波集』の代表的な句

・「日かげほのめく雨のあさかぜ 山はけふ雲ゐにかすむ雪きえて」(宗砌)
・「旅だちし故郷人をまつくれに 山路は雲のかへるをぞみる」(宗砌)
・「むかへば月ぞこゝろをもしる 西をのみねがふいほりの夜半のあき」(宗砌)
・「かすみこめたる木々のむらだち  みぬはなのにほひにむかふ山こえて」(智蘊)
・「庭にいりたつ木がらしの風 さむき日は野べの小鳥も人なれて」(智蘊)
・「一聲をたのむ思ひのたまさかに 残るほたるやかりをまつらむ」(行助)
・「わが心こそうはのそらなれ それとなくみしをおもひの始にて」(行助)
・「夏くればふかき清水を又汲みて 岩ふみならしこもるやまでら」(能阿)
・「又よといひし暮ぞはかなき ちるうちに人のさきだつ花をみて」(心敬)
・「名もしらぬ小草花さく河辺かな しばふがくれのあきのさは水」(心敬)
・「身ををしまぬもたゞ人のため 国やすくなるはいくさのちからにて」(専順)
・「老のあはれを月もとへかし 風つらきひばらの山の秋の庵」(宗伊)
・「雲なき月のあかつきの空 さ夜枕しぐれも風も夢さめて」(宗祇)
・「なみだの水に身をやしづめむ さのみかくなげくもいかゞ苔のした」(兼載)
・「むつまじきまでなれる袖の香 いづくともしらぬにひきしあやめ草」(肖柏)
・「夏の夜はたゞ時のまのほどなれや  なけば雲ひくやまほとゝぎす」(宗長)