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 今日は、平成時代の2013年(平成25)に、推理作家・評論家佐野洋が亡くなった日です。
 佐野洋(さの よう)は、昭和時代前期の1928年(昭和3)5月22日に、東京市大森(現在の東京都大田区大森)で生まれましたが、本名は丸山一郎と言いました。東京中学校卒業後、旧制第一高等学校を経て、東京大学文学部へ入学します。
 卒業後、1953年(昭和28)に読売新聞社に入社、新聞記者となったものの、1958年(昭和33)に『週刊朝日』と『宝石』の共催コンクールで短編『銅婚式』が入選し、作家としてデビューしました。勤務のかたわら小説を執筆し、『一本の鉛』(1959年)を発表した後は新聞社を辞め、作家生活に専念します。
 旺盛な文筆活動により、長短のミステリー小説を出しましたが、1964年(昭和39)に長編『華麗なる醜聞』で第18回日本推理作家協会賞を受賞しました。1973年(昭和48)から月刊誌『小説推理』で批評コラム『推理日記』の連載を開始、好評を得て、その連載は39年間に及びます。
 一方で、1973年(昭和48)から1979年(昭和54)まで日本推理作家協会理事長を務め、1997年(平成9)には、推理文壇への貢献を讃えられて、第1回日本ミステリー文学大賞を受賞しました。その後も、多くの作品を刊行し、2009年(平成21)に菊池寛賞を受賞しましたが、2013年(平成25)4月27日に、神奈川県川崎市の病院において、84歳で亡くなっています。

〇佐野洋の主要な著作

・小説『銅婚式』(1958年)「週刊朝日」と「宝石」共催の懸賞小説入選
・小説『一本の鉛』(1959年)
・小説『透明な暗殺』(1960年)
・小説『金属音病事件』(1961年)
・小説『完全試合』(1961年)
・小説『華麗なる醜聞』(1965年)日本推理作家協会賞受賞
・小説『透明受胎』(1965年)
・小説『轢(ひ)き逃げ』(1970年)
・小説『禁じられた手綱』(1973年)
・随筆『推理日記』(1973~2012年)
・小説『事件の年輪』(2004年)
・小説『葬送曲』(2005年)