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 今日は、江戸時代前期の1637年(寛永14)に、書家・陶芸家・芸術家本阿弥光悦の亡くなった日ですが、新暦では2月27日となります。
 本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)は、安土桃山時代の1558年(永禄元)に、京都で刀剣の鑑定、研磨等を家業とする父・本阿弥光二、母・妙秀の長男として生まれましたが、通称は次郎三郎と言いました。家業の刀剣の鑑定、研磨はもちろん、書、作陶、蒔絵、茶道などにも精通するようになり、父光二についで、加賀の前田家から200石の食知をうけるようになります。
 特に、書は光悦流をおこし、慶長期(1596~1615年)には弾力に富んだ、筆線の太細・潤渇を誇張した装飾的な書風になり、元和~寛永期(1615~44年)には筆線のふるえがみられ、古淡味を持つ書風へと変遷していきました。その中で、近衛信尹・松花堂昭乗と共に「寛永の三筆」の一人とされるようになります。
 作陶や蒔絵にも非凡の才を発揮し、作陶では国宝の『楽焼白片身替茶碗』 (銘「不二山」) はじめ、楽焼茶碗に傑作を残し、蒔絵は古典に主題を求めたものが多く、国宝『舟橋蒔絵硯箱』 (東京国立博物館蔵) が代表作とされました。
 また、茶の湯もよくする当代一流の文化人となり、晩年の1615年(元和元)には、徳川家康から洛北鷹峰に土地を賜って、一族や下職人らとともに、新しい芸術村を開き、創作と風雅三昧の生活を送ります。
 俵屋宗達をはじめ多くの芸術家を育成しましたが、1637年(寛永14年2月3日)に、京都において、数え年80歳で亡くなりました。
 尚、鷹峯の光悦一族の位碑所はのち寺堂となり、光悦寺と称するようになります。

〇本阿弥光悦の主要な作品

<庭園>
・本法寺「巴の庭」(京都・本法寺)国名勝

<陶器>
・不二山楽焼白片身変茶碗 銘「不二山」(長野・サンリツ服部美術館)国宝
・陶器黒楽茶碗 銘「雨雲」(東京・三井記念美術館)国重要文化財
・黒楽茶碗 銘「時雨」(愛知・名古屋市博物館)国重要文化財
・赤楽茶碗 銘「雪峰」(東京・畠山記念館)国重要文化財
・赤楽茶碗 銘「加賀」(京都・相国寺承天閣美術館)国重要文化財
・赤楽茶碗 銘「乙御前」(個人蔵)国重要文化財
・赤楽兎文香合 (東京・出光美術館)国重要文化財

<書跡>
・書跡四季草花下絵古今集和歌巻[光悦書、宗達下絵](畠山記念館)国重要文化財
・鶴下絵三十六歌仙和歌巻[光悦書、宗達下絵](京都国立博物館)国重要文化財
・始聞仏乗義(京都・妙蓮寺)国重要文化財
・立正安国論(京都・妙蓮寺)国重要文化財
・如説修行抄(京都・本法寺)国重要文化財
・法華題目抄(京都・本法寺)国重要文化財

<蒔絵>
・舟橋蒔絵硯箱(東京国立博物館)国宝
・光悦蒔絵芦舟蒔絵硯箱(東京国立博物館)国重要文化財
・舞楽蒔絵硯箱(東京国立博物館)国重要文化財
・子日蒔絵棚(東京国立博物館)国重要文化財
・樵夫蒔絵硯箱(静岡・MOA美術館)国重要文化財
・扇面鳥兜蒔絵料紙箱(兵庫・滴翠美術館)国重要文化財
・鹿蒔絵笛筒(奈良・大和文華館)国重要文化財