この地震は、午前5時46分頃に兵庫県南部を震源(兵庫県南部の深さ約16km、北緯34度36分、東経135度02分)として発生したマグニチュード7.3の大地震で、断層は震源から北西~南東方向に延びた長さ 40~50kmの横ずれ断層で、その平均的なすべり量は約 2mでした。同日午前11時、気象庁はこの地震を「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」と命名し、政府はこれによって引き起こされた災害を「阪神・淡路大震災」と呼ぶことに決します。
これによって、気象庁の震度階級に震度7が導入されてから初めて、神戸市や淡路島などの一部に最大震度7が記録され、都市直下型であったため、家屋や鉄道線路・高速道路の倒壊、火災、崖崩れなどによる大きな被害が発生しました。
この結果、死者・行方不明者 6,437人、負傷者43,792人、住家被害249,180棟(全壊104,906棟、半壊144,274棟)、火災被害の全焼7,036棟、道路被害7,245箇所、橋梁被害330箇所、河川被害774箇所、崖崩れ347箇所などとなり、被害総額は約10兆円と多大なものとなります。港湾地区では広範囲の液状化が発生、また断水・停電・ガス供給停止などの都市基盤の被害も甚大で、東海道山陽新幹線の新大阪~姫路間は 同年4月20日までの約 3ヶ月間不通となるなど住民生活に大きな影響を与え、復旧するまでに多くの時日を要しました。
政府や行政の対応の遅れが批判された一方で、学生などを中心としたボランティア活動が活発化し、「日本のボランティア元年」と言われるようになります。その後、1995年(平成7)12月に、ボランティア活動への認識を深め、災害への備えの充実強化を図る目的で、1月17日を「防災とボランティアの日」とすることが閣議決定され、翌年から実施されました。
〇明治時代以降に日本周辺で起きた被害の大きかった地震ワースト12
1. 関東地震[関東大震災](1923年9月1日)死者・行方不明者105,385人<マグニチュード7.9>
2. 東北地方太平洋沖地震[東日本大震災](2011年3月11日)死者・行方不明者22,010人<マグニチュード9.0>
3. 明治三陸地震(1896年6月15日)死者・行方不明者21,959人<マグニチュード8.2>
4. 濃尾地震(1891年10月28日)死者・行方不明者7,273人<マグニチュード8.0>
5. 兵庫県南部地震[阪神・淡路大震災](1995年1月17日)死者・行方不明者6,437人<マグニチュード7.3>
6. 福井地震(1948年6月28日)死者・行方不明者3,769人<マグニチュード7.1>
7. 昭和三陸地震(1933年3月3日)死者・行方不明者3,064人<マグニチュード8.1>
8. 北丹後地震(1927年3月7日)死者2,912人<マグニチュード7.3>
9. 三河地震(1945年1月13日)死者・行方不明者1,961人<マグニチュード6.8>
10,昭和南海地震(1946年12月21日)死者・行方不明者1,443人<マグニチュード8.0>
11.昭和東南海地震(1944年12月7日)死者・行方不明者1,223人<マグニチュード7.9>
12.鳥取地震(1943年9月10日)死者1,083人<マグニチュード7.2>