ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

2018年11月

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 鎌倉時代の1253年(建長5)に、鎌倉幕府第5代執権北條時頼が建長寺を創建し、落慶法要が行われた日ですが、新暦では12月24日となります。
 建長寺(けんちょうじ)は、神奈川県鎌倉市山ノ内にある臨済宗建長寺派の大本山で、鎌倉幕府第5代執権北条時頼を開基として、1251年(建長3)から造営が始められ、1253年(建長5)に落慶法要が行われました。
 山号は巨福山で、小袋(こぶくろ)坂の刑場跡で地蔵堂のあった場所に建てられたことに由来し、本尊は地蔵菩薩となっています。中国南宋より来朝した大覚禅師蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)のために建てられた禅寺で、日本最初の本格的な宋朝風純粋禅の道場として、中国の径山万寿寺(きんざんまんじゆじ)を模した左右対称の伽藍配置となりました。
 その後、1293年(正応6)に発生した鎌倉大地震により建造物の大半が倒壊、炎上します。その再建のために、元から来日した一山一寧を第十世に任じて担当させたものの、続いて1315年(正和4)に火災に見舞われました。
 その造営費用を調達するため、幕府公認で元へ貿易船(寺社造営料唐船)が、1325年(正中2)に派遣されましたが、「建長寺船」と呼ばれています。
 1341年(興国2/暦応4)に鎌倉五山の第一となり、1386年(元中3/至徳3)に京都・鎌倉の五山を定めたとき天竜寺とともに第一とされました。しかし、1416年(応永23)などのたびたびの火災で創建当初の建物を失います。
 江戸時代には、徳川家の援助で総門・山門(国指定重要文化財)などが新築され、仏殿・唐門(いずれも国指定重要文化財)などが移築されましたが、1923年(大正12)の関東大震災でも大きな被害を受けました。
 現在、梵鐘(国宝)、『蘭渓道隆像』1幅(国宝)、『大覚禅師墨跡』(国宝)、『十六羅漢図』(国指定重要文化財)、『釈迦三尊像図』(国指定重要文化財)、『木造北条時頼像』(国指定重要文化財)などのほか彫刻、古文書を多数所蔵し、境内は「建長寺境内」として国の史跡に指定、庭園は国指定名勝となっています。
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 今日は、明治時代前期の1873年(明治6)に、日本画家河合玉堂の生まれた日です。
 川合玉堂(かわい ぎょくどう)は、愛知県葉栗郡外割田村(現在の一宮市木曽川町)に、筆墨紙商の長男として生まれましたが、本名は芳三郎と言いました。
 12歳頃より絵に親しみ、1887年(明治20)に京都に出て望月玉泉、続いて幸野楳嶺に師事します。1890年(明治23)に「玉堂」と号するようになり、この時の「春渓群猿図」、「秋渓群鹿図」は第3回内国勧業博覧会に入選しました。
 その後、橋本雅邦の『竜虎図』に感動、1896年(明治29)に上京し、その門に入って狩野派を習います。1898年(明治31)に、雅邦に従って日本美術院の創立に参加、1900年(明治33年)頃からは私塾「長流画塾」を主宰しました。
 院展や文部省美術展覧会 (文展) に出品し、四条派、狩野派両派を取捨選択して独自の画風を築きます。1907年(明治40)の東京勧業博覧会に『二日月』を出品して注目を集め、第1回文展以降審査員となりました。
 それからは、東京美術学校教授(1915~38年) 、1917年(大正6)に帝室技芸員、1919年(大正8)に帝国美術院会員、1931年(昭和6)にフランス政府からレジオンドヌール勲章を贈られ、1937年(昭和12)には帝国芸術院 (日本芸術院) 会員となり、1933年(昭和8)にはドイツ政府から赤十字第一等名誉章を贈られ、1940年(昭和15)には、文化勲章を受章するなど数々の栄誉に輝きます。
 太平洋戦争中は、東京都西多摩郡三田村御岳(現在の青梅市)に疎開し、住居を「偶庵」、画室を「随軒」と命名しました。
 戦後も同地に定住して晩年を過ごしましたが、1957年(昭和32)6月30日に、同地で83歳で亡くなっています。
 尚、晩年を過ごした旧居は、1961年(昭和36)に玉堂美術館として公開されました。

〇河合玉堂の主要な作品

<日本画>

・『春渓群猿図』(1890年)
・『秋渓群鹿図』(1890年)
・『焚火』(1903年)五島美術館蔵
・『二日月』(1907年)
・『行く春』(1916年)東京国立近代美術館蔵
・『鵜飼』(1931年)東京芸術大学蔵
・『峰の夕』(1935年)永青文庫蔵
・『彩雨』 (1940年)永青文庫蔵
・『屋根草を刈る』(1954年)東京都蔵
・『宿雪』
・『月天心』

<歌集>
・『多摩の草屋』
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 今日は、江戸時代中期の1707年(宝永4)に、富士山宝永噴火の始まった日ですが、新暦では12月16日となります。
 富士山は、山梨県と静岡県境にあるある安山岩質の成層火山(標高3,776m)で、活火山の常時観測火山として知られ、過去に何度も噴火を繰り返してきました。中でも、史上最大の噴火は江戸時代中期の宝永噴火と言われていますが、それ以降は噴火が起きずに現在に至っています。
 宝永噴火は、1707年(宝永4)11月23日の朝10時頃、富士山南東側斜面5合目付近に亀裂が発生し(宝永火口)、そこから爆発的噴火が始まりました。それが12月9日まで約2週間続き、総噴出物量は約17億立方m、噴出した火山灰は、約1.7立法kmと推定されています。
 火山灰は、駿河国小山で3m、約50km離れた相模国伊勢原で30cm、約90km離れた武蔵国川崎でも5cm、江戸でも2~4cm、房総半島でも少し積もりました。江戸では降灰が10日以上続き、降ってくる火山灰と風で巻き上げられた堆積火山灰のため、関東一円に呼吸器疾患が大流行していますし、農作物の被害も甚大だったとされています。さらに、神奈川県の河川では降雨により降り積もった火山灰が流入し、土砂災害が頻発しました。
 江戸でも噴火の強い地震、鳴動、爆発音、空振がしきりに感じられ、黒雲が天を覆い、噴火開始の数時間後から灰白色の灰に引き続いて、灰黒色の灰が降り、昼間も灯火を用いたなどと新井白石著の随筆『折たく柴の記』、伊藤祐賢著『伊藤志摩守日記』などに記されています。
 宝永噴火の49日前には、マグニチュード8.7の地震(宝永東海地震)が起きていて、この噴火と関連するものとされました。
 尚、富士山には歴史上10回ほどの噴火の記録が残されていますが、延暦の大噴火(800年~802年)と貞観の大噴火(864年~866年)と並んで、宝永噴火は富士山三大噴火の一つとされています。

〇随筆『折たく柴の記』新井白石著の富士山宝永噴火の記述

 宝永四年十一月二十三日午後参るべき由を仰せ下さる。よべ地震ひ、此日午の時雷の声す。家を出るに及びて、雪のふり下るがごとくなるをよく見るに、白灰の下れる也。西南の方を望むに、黒き雲起こりて、雷の光しきりにす。西城に参りつきしにおよびては、白灰地を埋みて、草木もまた皆白くなりぬ。此日は大城に参らせ給ひ、未の半に還らせ給ひ、此日吉保朝臣の男、二人叙爵のありし故なり。やがて御前に参るに、天甚だ暗かりければ、燭を挙て講に侍る。戌の時ばかりに、灰下る事はやみしかど、或は地鳴り、或は地震ふ事は絶ず。二十五日に、また天暗くして、雷の震するごとくなる声し、夜に入りぬれば、灰また下る事甚し。「此日富士山火出て焼ぬるによりて」という事は聞えたりき。これよりのち、黒灰下る事やまずして、十二月の初におよび、九日の夜に至て雪降りぬ。此ほど世の人咳嗽をうれへずといふものあらず。かくて年明けぬれば、戊子(宝永五年)正月元旦、大雨よのつねならず。閏正月七日、去年富士山のやけしによりて、ほとりの国々の地埋みし灰砂を除はるべき役を諸国に充らる。武相駿三州の地のため也。百石の地より黄金二両を献らすべしと也。

<現代語訳>

 宝永4年(1707年)11月23日、午後、(甲府藩主徳川綱豊、のちの江戸幕府第6代将軍家宣より)参上せよと仰せがあった。昨夜、地震があり、この日の昼12時頃、雷鳴が聞こえた。家を出る時分には、雪が降っているように見えるので、よく見ると、白い灰が降っているのである。西南の方を見ると、黒雲がわき起こり、雷光がしきりに起こった。江戸城西ノ丸にたどり着くに及んでは、白い灰が地を覆いつくし、草木もまたみんな白くなっていた。この日、殿(徳川綱豊公)は本丸に出られ、午後二時頃に戻られたが、この日柳沢吉保殿の子息二人が位を授かった故のことであり、やがて御前に参上すると、空がとても暗いので、明かりをつけて講義をした。午後8時ごろに、灰の降るのは収まったが、大地の鳴動や地震は止むことがなかった。25日に再び空が暗くなって、雷鳴のような音がし、夜になると、灰がまた甚だしく降った。「この日、富士山が噴火して、焼けたためだ」ということが伝わった。その後、黒い灰の降ることがやまず、十二月の初め、九日の夜になって雪が降った。このころ、世間の人で咳になやまされない者はなかった。このようにして年が明けると、宝永5年正月元旦、尋常でない大雨であった。閏の正月7日、去年の富士山の噴火により、この付近の国々の土地を埋めた灰や砂を除去するための課役を、諸国に割り当てられたが、武蔵・相模・駿河の三国の土地のためであり、百石の土地につき金二両ずつ献納すべしということであった。
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 今日は、1913年(大正2)に、江戸幕府15代将軍・公爵徳川慶喜の亡くなった日です。
 徳川慶喜(とくがわ よしのぶ)は、江戸時代後期の1837年(天保8)9月29日に、常陸水戸藩主徳川斉昭(なりあき)の7男(母は有栖川宮王女登美宮吉子)として、小石川の江戸藩邸で生まれましたが、幼名は七郎麿と言いました。
 水戸弘道館で学んだのち、1847年(弘化4)に一橋家を相続し、慶喜と改名します。13代将軍徳川家定の死後、14代将軍の継嗣をめぐって慶福(のち徳川家茂)を擁立する井伊直弼ら紀伊派と対立しましたが敗れました。
 1859年(安政6)の安政の大獄に際しては隠居謹慎を命じられましたが、翌年の桜田門外の変で井伊直弼が暗殺されると解除されます。1862年(文久2)に将軍後見職として徳川家茂(いえもち)を補佐するようになり、1866年(慶応2)に家茂が亡くなると、将軍宣下を受け15代将軍に就きました。
 フランス公使レオン・ロッシュの助言をいれて幕政の改革に着手するものの、薩摩藩・長州藩と対立します。
 翌年に大政を奉還して将軍職を辞任、王政復古の政変後は大坂城に入りました。1868年(慶応4)の鳥羽・伏見の戦いで敗れ、江戸開城後は水戸で謹慎し、徳川宗家の家督を田安亀之助(徳川家達)に譲り駿府に移ります。
 1869年(明治2)謹慎を解かれましたが、以後表舞台にはたたず、放鷹、油絵、写真などの趣味に生きました。1897年(明治30)に東京の巣鴨に移り住み、1901年(明治34)に小石川区小日向第六天町(現在の文京区春日2丁目)の屋敷に転居しました。
 1902年(明治35)には公爵に叙せられ、徳川慶喜家を興し、貴族院議員にも就きましたが、1910年(明治43)、七男の慶久に家督を譲って、議員を辞しています。
 その後、隠居生活の中で再び趣味に没頭しましたが、1913年(大正2)11月22日に、東京において、76歳で亡くなりました。

〇徳川慶喜関係略年表(日付は明治5年まで旧暦です)

・1837年(天保8)9月29日 水戸藩主徳川斉昭の7男として、小石川の江戸藩邸で生まれる
・1838年(天保9)4月 江戸から水戸に移る
・1847年(弘化4)9月1日 一橋家を相続する
・1847年(弘化4)12月1日 12代将軍徳川家慶から偏諱を賜わり、慶喜と改名する
・1853年(嘉永6) 12代将軍徳川家慶が病死し、その跡を徳川家定が継いで13代将軍となる
・1858年(安政5)4月23日 井伊直弼が大老となる
・1858年(安政5)6月25日 井伊直弼が裁定し、将軍継嗣は慶福(家茂)と決する
・1858年(安政5)7月6日 13代将軍徳川家定が亡くなる
・1858年(安政5)12月1日 徳川家茂が14代将軍となる
・1859年(安政6) 安政の大獄に際して隠居謹慎を命じられる
・1860年(安政7)3月3日 桜田門外の変で井伊直弼が暗殺される
・1860年(万延元)9月4日 謹慎を解除される
・1862年(文久2) 将軍後見職として14代将軍徳川家茂を補佐するようになる
・1863年(文久3) 朝廷の攘夷督促に対して自ら開国を説くべく上洛して朝廷と折衝する
・1863年(文久3)8月18日 八月十八日の政変で長州藩を中心とする尊皇攘夷派が排斥される
・1864年(元治元)3月25日 将軍後見職を辞任、新設の禁裏守衛総督に任命される
・1864年(元治元)7月 禁門の変で活躍する
・1866年(慶応2)7月20日 14代将軍徳川家茂が亡くなる
・1866年(慶応2)12月5日 将軍宣下を受け15代将軍に就く
・1867年(慶応3) フランス公使レオン・ロッシュの意見を容れながら幕政改革に着手する
・1867年(慶応3)10月 大政を奉還して将軍職を辞任する
・1867年(慶応3)12月 王政復古の政変後は大坂城に入る
・1868年(慶応4)1月 鳥羽・伏見の戦いで敗れる
・1868年(慶応4)2月 恭順の態度を示し上野寛永寺に屏居する
・1868年(慶応4)4月11日 江戸開城後は水戸で謹慎する、
・1868年(慶応4)7月 徳川宗家の家督を田安亀之助(徳川家達)に譲り、駿府に移って謹慎する
・1880年(明治13) 正二位に叙せられる
・1897年(明治30)11月 東京の巣鴨に移り住む
・1898年(明治31) 皇居となった旧江戸城に参内し、明治天皇と面会する
・1901年(明治34)12月 小石川区小日向第六天町(現在の文京区春日2丁目)の屋敷に転居する
・1902年(明治35) 公爵に叙せられ、徳川慶喜家を興し、貴族院議員にも就く
・1910年(明治43)12月8日 七男の慶久に家督を譲って、議員を辞職する
・1913年(大正2)11月22日 東京において、76歳で亡くなる
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 今日は、昭和時代後期の1978年(昭和53)に、第20回国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)総会において「体育およびスポーツに関する国際憲章」が採択された日です。
 この憲章は、英語でInternational Charter of Physical Education and Sportといい、フランスのパリで開催された第20回国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)総会で採択された体育・スポーツに関する国際的な宣言でした。
 1976年(昭和51)にユネスコが開催した第1回青少年体育・スポーツ担当大臣会議の席上ではじめて制定の議論がされ、翌年の第1回体育・スポーツ暫定政府間会議で草案を作成、1978年(昭和53)の第2回政府間会議での審議をへて、採択へと至ります。
 前文と10ヶ条で構成され、最初に体育・スポーツの実践はすべての人にとっての基本的権利であることを強調(第1条)、体育・スポーツは生涯教育の重要な要素であること(第4条)、プログラムの個人的・社会的要求への対応(第5条)、研究と評価の重要性(第6条)、指導者の有資格(第7条)、十分な施設・設備の整備(第8条)、情報および文書の普及徹底、マス・メディアの体育・スポーツへの積極的寄与(第10条)、国際的組織や国際協力の重要性(第12条)などが宣言されました。

〇「体育およびスポーツに関する国際憲章」 1978年(昭和53)11月21日 ユネスコ総会採択

前文

ユネスコ総会は、
1. 国連憲章において、基本的人権と人間の尊厳及び価値への信念を宣言し、社会的進歩と生活水準の向上とを促進する決意を確認したことを想起し、
2. 世界人権宣言によって、すべての人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的又はその他の意見、国籍もしくは社会的出身、財産、門地、その他の地位によるいかなる差別をも受けることなく、そこに掲げられているすべての権利と自由を享有していることを想起し、
3. 人権の行使の条件は、すべての人が身体的、精神的、社会的な充足を育み維持させること、それらの能力を発達させ保つことができる安全と自由であることを確信し、
4. 被害を受けやすい又は取り残された集団が受けている格差を克服するために、体育・身体活動・スポーツのための資源、権限、責任が、ジェンダー、年齢、障がい、その他一切の理由に基づく差別なく与えられなければならないことを強調し、
5. 人類の無形の遺産のひとつである体育・身体活動・スポーツの文化的多様性には、運動遊び、レクリエーション、ダンス、組織化されたもの、日常的なもの、競争的なもの、伝統的なもの、先住民のものとしてのスポーツやゲームが含まれることを認識し、
6. 体育・身体活動・スポーツは、健康、社会的・経済的発展、若者のエンパワメント、和解、平和など、さまざまな個人的及び社会的恩恵をもたらすことを認識し、
7. 質の高い体育・身体活動・スポーツの提供は、フェアプレー、平等、誠実、卓越、責任、勇気、チームワーク、規則や法律の順守、自身や他者に対する尊重、共同体意識、連帯並びに楽しさや喜びなどの価値を促進するために要するあらゆる潜在的な能力を発揮するために欠かせないことを指摘し、
8. 質の高い体育・身体活動・スポーツを実現するために、あらゆる個人、専門家、ボランティアが一様に適切なトレーニング、監督、カウンセリングを受ける必要があることに対して注意を喚起し、
9. 幼少期からの保護者や保育者との遊びの経験や質の高い体育に参加することは、生涯にわたって身体活動やスポーツに参加し、さらには社会の一員となるために必要なスキル、態度、価値、知識、理解、喜びを子どもたちが学ぶための必須の入り口となることを明確に示し、
10. 体育・身体活動・スポーツは、人と人とのより強い絆、連帯、相互の尊重と理解、すべての個人の高潔性と尊厳に対する尊重を高めようとすべきであることを強調し、
11. あらゆるレベルの関係者による協調した行動と協力が、差別、人種差別、同性愛嫌悪、いじめ、ドーピング、不正な操作、子どもに対する過剰なトレーニング、性的搾取、不正取引並びに暴力から体育・身体活動・スポーツの高潔性と潜在的な恩恵を保護するための前提条件であることを主張し、
12. 体育・身体活動・スポーツは、自然環境において責任をもって行われることで豊かになること、ひいてはそれが地球の資源を尊重し、人類のより良い利益のための資源保護と利用への関心を呼び起こすことを自覚し、
13. この国際憲章は、体育・身体活動・スポーツを人類の発展に役立てることを宣言し、そして、その原則がすべての人類にとって現実のものとなるよう、すべての人、とりわけ政府、政府間組織、スポーツ組織、民間団体、実業界、メディア、教育者、研究者、スポーツ専門家とボランティア、参加者とその支援者、審判、家族並びに観客が憲章を守り、普及するよう強く促す。

第1条-体育・身体活動・スポーツの実践は、すべての人の基本的権利である

1.1 すべての人は、人種、ジェンダー、性的指向、言語、宗教、政治的又はその他の意見、国民もしくは社会的出身、財産、その他一切の理由に基づく差別を受けることなく、体育・身体活動・スポーツを行う基本的な権利を持っている。
1.2 これらの活動を通じた身体的、精神的、社会的な充足と能力を発達させる自由は、政府、スポーツ、教育に関わるすべての機関により支援されなければならない。
1.3 すべての人、とりわけ就学前の子ども、女性及び少女、老人、障がいのある人、先住民族に、体育・身体活動・スポーツへの参加のための誰もが受け入れられる適切で安全な機会が提供されなければならない。
1.4 レクリエーション、健康増進、パフォーマンスの向上といった目的にかかわらず、体育・身体活動・スポーツに参加し、あらゆる管理・意思決定レベルに参画するための平等な機会は、すべての少女と女性にとって積極的に守られなければならない権利である。
1.5 体育・身体活動・スポーツが多様であることは、それらの価値や魅力の基本的な要素になる。伝統的な、さらには先住民のゲーム、ダンス、スポーツは、今日創られつつある形態も含めて、世界の豊かな文化遺産を表現するものであり、保護され、普及されなければならない。
1.6 すべての個人は、体育・身体活動・スポーツを通じて各人の能力と興味に応じて一定の達成を得る機会を持たなければならない。
1.7 どの教育システムも、身体活動と他の教育要素との間のバランスと結びつきの強化を図るため、体育・身体活動・スポーツについて必要な位置づけと重要性を付与しなければならない。教育システムは、質が高く、排除される者がないような体育の授業が優先的に毎日、初等・中等教育の必須要素として含まれること、そしてスポーツと身体活動が学校及びその他の教育機関で、子どもたちや若者の日課で欠くことのできない役割を果たすことを保証しなければならない。

第2条-体育・身体活動・スポーツは、個人、コミュニティ、社会全体に幅広い恩恵をもたらすことができる

2.1 体育・身体活動・スポーツは、適切に組織され、教えられ、資源が提供され、実践されれば、個人、家族、コミュニティ、社会全体に対して幅広い恩恵をもたらす明確な貢献ができる。
2.2 体育・身体活動・スポーツは、忍耐力、強さ、柔軟性、協調性、バランス、コントロールを改善することにより、自らの身体を理解し対処する能力、充足感、健康及び能力の発達に顕著な役割を果たすことができる。水泳の能力は、溺れるリスクにさらされるあらゆる人にとって不可欠なスキルである。
2.3 体育・身体活動・スポーツは、身体に対する自信、自尊心、自己効力感を高め、ストレス、不安、抑うつを減らし、認知機能を高め、協力、コミュニケーション、リーダーシップ、規律、チームワークなどの参加や学習及びその他の生活面での成果に貢献する幅広いスキルや特性を発達させることで、心の健康、精神的充足と能力を改善させることができる。
2.4 体育・身体活動・スポーツは、コミュニティの絆や家族、友人、仲間との関係を築き、強化し、帰属意識や受容の気持ちを生み出し、肯定的な社会的態度や行動を発達させ、異なる文化的、社会的、経済的背景の人々を共通の目標や利益を求めて結びつけることにより、社会的充足と能力を支援することができる。
2.5 体育・身体活動・スポーツは、麻薬中毒、アルコール依存症、たばこ中毒、非行、搾取、極端な貧困の防止とそのリスクにさらされた人々の社会復帰に貢献できる可能性がある。
2.6 体育・身体活動・スポーツは、社会全体に顕著な健康的、社会的、経済的な恩恵を生み出すことができる。積極的なライフスタイルは、心臓疾患、糖尿病、ガン並びに肥満の防止の一助となり、究極的には早死を減らす。さらに、そのようなライフスタイルは、健康関連の費用を削減し、生産性を向上させ、市民的社会参加や社会的一体性を強化する。

第3条-すべての関係者が戦略的ビジョンの創造、方針の選択肢や優先順位の策定に参画しなければならない

3.1 体育・身体活動・スポーツのための戦略的ビジョンは、方針の選択肢と様々なレベルにおける優先順位が与える影響のバランスを取り、最適化するための前提条件である。
3.2 すべての関係者、とりわけスポーツ、教育、若者、健康、積極的なレクリエーション、開発、都市計画、環境、交通、ジェンダーや障がいの問題について責任を持つ国家や地方自治体、さらに政府間組織、オリンピック及びパラリンピック・ムーブメント、スポーツ組織、民間団体、実業界、メディア、教育者、研究者、スポーツ専門家とボランティア、参加者とその支援者、審判、家族並びに観衆は、体育・身体活動・スポーツ政策の発達と支援の責任を共有する。よって、上述のすべての関係者は、この責任を果たす機会を与えられるべきである。
3.3 あらゆるレベルの公的機関及び団体は、法律や規定の策定と施行、明確な目的を備えた国のスポーツ開発計画の策定、及び物質的、財政的、技術的な援助の条件を含めた、その他の体育・身体活動・スポーツの奨励策を採用するための措置を講じなければならない。
3.4 体育・身体活動・スポーツの戦略や方針は、ボランティアに関わる部門に対して、その継続的な発展と関与を保証するために特定の支援を提供し、自由な組織づくりを尊重することを強化し、当該ボランティア部門による社会の民主的な文化への貢献を認識しなければならない。
3.5 体育への持続した投資は、すべての国の教育とスポーツに対する取り組みの根本的な要素であり、質の高い体育プログラムの公的提供に対する予算割り当ては保護され、強化されるべきである。
3.6 大規模なスポーツ競技大会の開催を検討している国や都市は、身体活動への参加を持続させ強化するため、またより良い社会的一体性の改善の助けとなるよう、大会の開催を体育・身体活動・スポーツのための長期的戦略に統合させるべきである。

第4条-体育・身体活動・スポーツのプログラムは、生涯にわたる参加の動機づけとならなければならない

4.1 体育・身体活動・スポーツのプログラムは、生涯にわたって実践する人々の必要性や個人的特性を満たすよう設計しなければならない。
4.2 生涯を通じた身体活動やスポーツへの参加を維持するために必要な知識、スキル、態度、動機づけの基礎を築くために、遊び、ゲーム、身体活動に関する早期からのプラスの経験をだれもが優先できるようにすべきである。
4.3 スポーツや身体活動における生徒の能力や自信の開発に関係する学校教育課程の唯一の分野として、体育は生涯を通じた身体活動やスポーツに必要なスキル、態度、知識のための学習の入り口となる。資格を持った体育教師によって指導される、質が高く、排除される者がいないような体育授業が、すべての学年と教育レベルにおいて義務づけられるべきである。
4.4 体育・身体活動・スポーツの方針やプログラムは、プログラムが対象とする受益者の必要性を満足させているかどうかについて、官公庁による適切で体系的な監視と評価がなされなければならない。

第5条-すべての関係者は、その活動が経済的、社会的、環境的に持続可能であることを保証しなければならない

5.1 体育・身体活動・スポーツの提供に従事する者並びにスポーツ競技大会の組織者は、活動の計画、実施、評価を行う時に、経済上、社会上、環境上、スポーツ上のいずれにおいても最重要原則である持続可能性を十分考慮しなければならない。
5.2 スポーツ用品の消費の拡大がグローバル経済への肯定的な影響を与える可能性がある中、当該産業は社会と環境に優しい実践を発展させ、融合させていく責務を負わなければならない。
5.3 屋内・屋外活動の環境への負の影響は防止されるべきである。スポーツ施設の所有者は、観衆やその場に居合わせた人々にリスクを与えるような不注意な行動、騒音、廃棄物、化学物質の使用やその他自然に与える潜在的な損傷を回避する特別な責任を負う。
5.4 大規模なスポーツ競技大会の実現に関与する全関係者―とりわけ大会主催者、公的機関、スポーツ団体、商業的な関係者、メディア―は、財務費用、環境的・社会的な影響、大会後のインフラ活用、スポーツ・身体活動への参加効果の面から、開催地域にとっての持続可能なレガシーを保証しなければならない。

第6条-研究・科学的根拠・評価は、体育・身体活動・スポーツの発展に不可欠な要素である

6.1 方針決定は妥当かつ事実に基づいた根拠に拠るものでなければならない。方針策定の質の高さは、科学的調査、専門知識、メディア、その他の関係者との協議並びに過去の方針とプログラムの評価・監視などを含む幅広い資料から収集した情報の質の高さで決まる。
6.2 政府やその他の主要な関係者は、体育・身体活動・スポーツの分野における研究を開始し、支援するべきである。
6.3 研究・科学的根拠・評価は、定められた倫理基準を厳密に遵守し、体育・身体活動・スポーツにおけるドーピング、不正行為、その他違法行為などの不適切な適用を排除するべきである。
6.4 体育・身体活動・スポーツに関する研究成果、評価研究、その他の参考文献の収集及び普及は不可欠である。科学的研究及び評価の結果は、すべての関係者と社会全般が利用しやすく、理解しやすく、適切な方法で伝えられなければならない。
6.5 メディアは、体育・身体活動・スポーツの社会的重要性、倫理的価値及び利点について情報を提供し、認知度を高める上で極めて重大な役割を果たすことができる。公開討論及び意思決定の情報提供を目的としてメディア、科学界、その他の関係者が協力関係を強めることは相互の責任であり、良い機会になる。

第7条-体育・身体活動・スポーツの教育、コーチング、管理は有資格者が行わなければならない

7.1 体育・身体活動・スポーツに専門的責任を負うすべての人材は、適切な資格を有し、トレーニングを行い、継続して専門的能力の向上に努めなければならない。
7.2 すべての体育・身体活動・スポーツの人材は、その監督下にあるすべての人のバランスの良い発達及び安全を促進するために必要とされる適性を確実に獲得し、維持できるだけの十分な人数を採用し、訓練しなければならない。そのようなトレーニングを受けた人材には、遂行する職務に沿った職業的認証が与えられるべきである。
7.3 ボランティアのコーチ、役員及び支援者は、各部門におけるかけがえのない人材としての立場を与えられ、適切なトレーニング及び管理を提供されなければならない。それによって、彼らが重要な役割を遂行し、参加増大の手助けをし、参加者の発達と安全を確保し、民主的なプロセスや地域社会生活における幅広い人々の結びつきを育てることができる。
7.4 すべての参加レベルにおいて、排除される者のない、個人の状況に応じたトレーニングの機会が得られなければならない。

第8条-質の高い体育・身体活動・スポーツには、適切で安全な場所、施設、器具が不可欠である

8.1 適切で安全な場所、施設、器具、衣類の選択は、特に天候、文化、ジェンダー、年齢、障がいに伴う異なるニーズに配慮し、体育・身体活動・スポーツの参加者のニーズに合うよう提供され、維持されなければならない。
8.2 あらゆるレベルの施設を運営する公的機関、スポーツ団体、学校、その他の団体は、自然環境がもたらす機会や状況を考慮しながら、体育・身体活動・スポーツのための設備、施設、器具を設計し、提供し、その利用を最適化するために協力して取り組むべきである。
8.3 民間及び公的な職場は、従業員の福利及び生産性向上のために、あらゆるレベルの従業員が自由に利用できるよう適切な施設の配置、スタッフの配備と動機づけをして身体活動やスポーツのための機会を提供しなければならない。
8.4 公的機関は、市民の活動的で健康な生活を支援し発展させ、維持するために、身体活動やスポーツの機会を都市計画、地方の計画、交通計画に組み込まなければならない。
8.5 体育・身体活動・スポーツのための施設及び公共の場を建設、管理、運営する場合、責任当局及びスポーツ施設の所有者は、エネルギーと資源の効率を最大限にし、自然環境に対する悪影響を最小限にするよう努力しなければならない。

第9条-安全性及びリスク管理は質保証の必須の条件である

9.1 体育・身体活動・スポーツは、すべての参加者の尊厳、権利、健康を保護する安全な環境で行われなければならない。安全性を低下させる、または不適切なリスクを含む実践や行事は、体育・身体活動・スポーツの完全性及び潜在的な恩恵とは相いれない。そのような実践及び行事には断固たる即時の対策が必要である。
9.2 体育・身体活動・スポーツにおける安全性及びリスク管理では、すべての関係者が参加者、観客、指導者に対し制限や危害が加えられる実態がなくなるよう努力することを求める。中でも子ども、若者、高齢者、女性、障がい者、移民、先住民など社会的弱者となりやすい人々に留意する。害を及ぼす実態には、差別、人種差別、同性愛嫌悪、いじめ、ドーピングと不正な操作、教育妨害、子どもに対する過剰なトレーニング、性的搾取、不正取引、暴行が含まれる。
9.3 体育・身体活動・スポーツは、特にジェンダー不平等、有害な社会規範、ジェンダーに関する固定観念などの根本的な原因に対処することにより、ジェンダーに基づく暴力に関する現象一般を防止する強力な手段として役立てることができる。
9.4 体育・身体活動・スポーツにおける参加者、管理者、教師、コーチ、両親などのすべての関係者が潜在的リスク、特に子どもに対するリスク、危険な又は不適切なトレーニング方法や競争、さらにはあらゆる種類の心理的プレッシャーについて意識しておくことが重要である。

第10条-体育・身体活動・スポーツの高潔性と倫理的価値の保護及び促進は、すべての人にとって普遍的な関心事でなければならない

10.1 あらゆる形態の体育・身体活動・スポーツは、弊害から守られなければならない。スポーツ競技大会における暴力、ドーピング、政治的権力の濫用、汚職や不正工作などの事象は深刻な危険性をもって体育・身体活動・スポーツの信頼性と高潔性を脅かし、その教育的機能、発展的機能及び健康促進機能を損なう。審判、公的機関、法執行機関、スポーツ組織、公認ギャンブル事業者、スポーツ関連の権利の所有者、メディア、非政府組織、管理運営者、教育者、家族、医療従事者、その他の関係者を含む参加者は、高潔を脅かすものに対し、齟齬のない対応が行われるよう、協力しなければならない。
10.2 ドーピングの悪影響に対抗するためのあらゆる努力が払われなければならない。また、参加者の身体的・精神的・社会的な能力や健全な生活、フェアプレー及び競争の美徳、スポーツ・コミュニティの高潔性、さまざまなレベルでスポーツに参加する人々の権利を守るため、あらゆる努力が払われなければならない。世界的に採用されているアンチ・ドーピング規則が、国際的及び国内の管轄機関によって、あらゆるレベルのパフォーマンスに対し適用されることが極めて重要である。
10.3 スポーツ競技大会における不正工作は、スポーツの本質的価値を損ねる。それは賭博と結びつき、国際組織犯罪に大規模な事業機会を提供している。関連する国際手段に沿ったグローバルな協調的対応に加え、スポーツ競技大会における不正工作に対抗する国内外における協力関係を促進するため、有効な対策が取られなければならない。
10.4 体育・身体活動・スポーツを扱うあらゆる組織及び機関は、良好なガバナンスの原則を 実行しなければならない。ここでいう原則には、選挙及び意思決定における透明性の高い民主的な手続き、関係者集団との定期的な協議、資金の再分配のための明確な規定、説明責任及び透明性に関する原則の厳格な実施が含まれる。
10.5 体育・身体活動・スポーツまたは関連分野のすべての雇用主は、プロスポーツ選手を含め、被雇用者の精神的及び身体的な健康に十分配慮しなければならない。特に、児童労働及び人身売買を防止するため、国際的な労働協約及び基本的人権が尊重されなければならない。
10.6 大規模なスポーツ大会に関連する汚職及び浪費のリスクを低減させるため、イベント主催者、公的機関、その他の関係者は、これらのイベントの招致、計画、開催における透明性、客観性、公平性を最大化するための対策を取らなければならない。
10.7 体育・身体活動・スポーツの提供者に対し金銭的、物質的、またはその他の支援を提供する公的機関は、供与した資源の適切な使用を社会を代表して監査し、統制する権利と義務を有する。
10.8 公的機関及びスポーツ組織には、相互尊重の精神において協力を拡大し、体育・身体活動・スポーツにおける各々の役割、法的権利、相互責任を明確に定義することによって紛争のリスクを最小化することが求められる。
10.9 重視されるべき価値を明確に意識した教育と情報が含まれている防止プログラムは重要である。これらのプログラムは、スポーツにおけるドーピング防止に対する肯定的な態度、また不正工作、汚職、違法行為や搾取に対する否定的な態度を育成すべきであり、審判、公的機関、法執行機関、スポーツ組織、公認ギャンブル事業者、スポーツ関連の権利の所有者、メディア、非政府組織、管理運営者、教育者、家族、医療従事者、その他の関係者を含む参加者に提供されるべきである。
10.10 公的機関及びスポーツ組織はメディアに対し、体育・身体活動・スポーツの高潔性を促進し、守るよう働きかけるべきである。メディアは、大会、組織、関係者に対し、批判的かつ独立した観察者として、市民に与えられる体育・身体活動・スポーツの恩恵やリスク、教育的価値を伝える役割を全うすることが求められる。

第11条-体育・身体活動・スポーツは、開発、平和、紛争後及び災害後の目標の実現において重要な役割を果たすことができる

11.1 開発と平和のイニシアチブのためのスポーツは、貧困の根絶、及び民主主義、人権、安全保障、平和と非暴力の文化、対話と紛争解決、許容と非差別、社会的統合、男女の平等、法の支配、持続可能性、環境認識、健康、教育、市民社会の役割をより強固なものにすることを目的とするべきである。
11.2 開発と平和をめざすスポーツは、紛争防止、紛争後及び災害後の介入、コミュニティの構築、国の結束及び市民社会と国際開発の目標の有効的な機能に貢献するその他の取り組みを支援するために促進され、活用されるべきである。
11.3 開発と平和をめざすスポーツは、排除される者がおらず、文化、ジェンダー、年齢、障がいに配慮したものでなければならず、また、強固な監視と評価のメカニズムを含むべきである。それらは地域プロジェクトのオーナーシップ(当事者意識)を奨励し、その他の体育・身体活動・スポーツがめざすものと同様に持続可能性と高潔性の原則を具体的に表現するべきである。

第12条-国際協力は、体育・身体活動・スポーツの範囲と影響を拡大するための必須の条件である

12.1 すべての関係者は、国際協力及び国際協調を通じて、個人、コミュニティ、国家内の開発、平和、連帯、友好に体育・身体活動・スポーツを活用するべきである。
12.2 国際協力及び国際協調は、社会的及び経済的発展における体育・身体活動・スポーツの重要な貢献を国際的、地域的及び国内的レベルで効果的に提唱するうえで、また、関連する調査や証拠を支援し共有するうえで活用すべきである。
12.3 公的機関、スポーツ組織、その他の非政府組織の間の国際協力及び国際協調は、体育・身体活動・スポーツの提供において国家間及び国家内に存在する格差を縮小するうえで極めて重要である。このような国際協力及び国際協調は、現在の憲章で定められている普遍的な原則に基づく指標やその他の監視・評価ツールのほか、優れた事例、教育プログラム、能力開発、権利擁護の知見を交換し活用することで達成することが可能である。

  文部省ホームページより
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