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 今日は、昭和時代中期の1955年(昭和30)に、長崎県大村湾口に当時日本一の長さ(支間長:216m)の西海橋が竣工した日です。
 この橋は、長崎県佐世保市針尾島と西海市西彼町の間にある伊ノ浦瀬戸(針尾瀬戸)に架かるアーチ橋で、戦災復興事業として建設されたもので、その後の長大橋建設の先駆けになりました。
 形式は、上路式鋼ブレースドリブ固定アーチで、橋長316.26m(支間長:216m)、アーチ両端の距離(径間)243.7m、幅員7.5m、海面からの高さ43mです。当時は、アーチ橋としては東洋一、世界第3位の長さで、1962年(昭和37)9月26日の若戸大橋(福岡県北九州市)開通までは日本一の長さでした。
 太平洋戦争前から建設計画がありましたが、戦後の戦災復興事業として、1950年(昭和25)6月に全額国庫負担による国の直轄事業として建設が決定、1951年(昭和26)に着工します。
 総事業費5億5千万円をかけて、1955年(昭和30)10月18日に竣工し、同年12月1日に有料道路として供用を開始しました。
 この橋梁により国道202号も完成し、佐世保~長崎が直結され、沿線の産業開発に役だつとともに、西海国立公園の一中心に当たり、針尾瀬戸、大村湾を望む快適な観光コースとなります。
 1956年(昭和31)に建設省から管理を日本道路公団に移管し、1970年(昭和45)3月1日から無料開放されます。
 2006年(平成18)3月5日には西方を並行して走る有料の新西海橋(西海パールライン)も完成しました。
 尚、2018年(平成30)7月20日、国の文化審議会が西海橋を登録有形文化財(建造物)とするように答申しています。

〇日本における戦後の長大橋建設略年表

・1955年(昭和30) 長崎県の西海橋(径間243.7m)
・1961年(昭和36) 徳島県鳴門市の小鳴門橋(中央径間160m)
・1962年(昭和37) 福岡県北九州市の若戸大橋(中央径間367m)
・1973年(昭和48) 福岡県北九州市・山口県下関市の関門橋(中央径間712m)
・1983年(昭和58) 広島県尾道市の因島大橋(中央径間770m)
・1985年(昭和60) 徳島県鳴門市・兵庫県南あわじ市の大鳴門橋(中央径間876m)
・1988年(昭和63) 香川県坂出市の南備讃瀬戸大橋(中央径間1,100m)
・1988年(昭和63) 香川県坂出市の北備讃瀬戸大橋(中央径間990m)
・1988年(昭和63) 岡山県倉敷市・香川県坂出市の下津井瀬戸大橋(中央径間940m)
・1988年(昭和63) 広島県尾道市・愛媛県今治市の大島大橋(中央径間560m)
・1993年(平成5) 東京都の東京港連絡橋<レインボーブリッジ>(中央径間570m)
・1998年(平成10) 兵庫県の明石海峡大橋(中央径間1,991m)
・1998年(平成10) 北海道室蘭市の白鳥大橋(中央径間720m)
・1999年(平成11) 愛媛県今治市の来島海峡第三大橋(中央径間1,030m)
・1999年(平成11) 愛媛県今治市の来島海峡第二大橋(中央径間1,020m)
・2000年(平成12) 広島県呉市の安芸灘大橋(中央径間750m)
・2008年(平成20) 広島県呉市の豊島大橋(中央径間540m)