日蓮(にちれん)は、1222年(貞応元年2月16日)に、安房国長狭郡東条郷片海(現在の千葉県鴨川市)で、有力漁民の子として生まれましたが、幼名を薬王丸、本名は蓮長と言いました。
1233年(天福元年)に、清澄山清澄寺の道善房を師として修学に励みます。1238年(暦仁元)に出家して、是生房蓮長と称し、鎌倉、京畿、比叡山などで諸教学を学びました。
1253年(建長5)に清澄寺に帰山し、法華信仰に立って「南無妙法蓮華経」と題目を唱え始め(立教開宗)、名を日蓮と改めます。法華仏教至上の立場から浄土教を批判したため、浄土教徒に圧迫され清澄寺を退出、鎌倉にて辻説法を開始しました。
『立正安国論』を著し、国難を予言して北条時頼に献じましたが、その忌諱に触れ、1261年(弘長元)に伊豆国伊東(現在の静岡県伊東市)へ配流されます。
1263年(弘長3)に赦免され、鎌倉に戻って伝道活動を再開しますが、幕府・諸宗批判を止めなかったため、1269年(文永6)に龍ノ口で処刑(龍ノ口法難)されかけたものの、免れて佐渡に流されました。
1274年(文永11)に赦免後は、甲斐身延山に隠棲し、弟子の育成に努めます。1282年(弘安5)に病を得て下山し、武蔵国千束郡(現在の東京都大田区池上)へ行き、六老僧を定めた後、同年10月13日に、数え年61歳で没しました。
〇日蓮の主要な著作
・『立正安国論』
・『開目鈔』
・『撰時鈔』
・『報恩鈔』
・『観心本尊鈔』
・『守護国家論』