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 昭和時代前期の1945年(昭和20)に、幣原首相・マッカーサー会談で、GHQから「五大改革指令」が通達された日です。
 これは、太平洋戦争後の1945年(昭和20)10月11日に、幣原首相・マッカーサー(連合国最高司令官)会談が行われた時、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)指令として、口頭で通達されたもので、5項目からなります。
 GHQは、9月19日に、「自由な新聞のもつ責任とその意味を日本の新聞に教えるものである」とするプレス・コード(言論統制)を発表し、さらに10月4日に、「自由制限の撤廃についての覚書」を出し、天皇に対する批判の自由、政治犯の釈放、特高警察の廃止、山崎巌内相の罷免などを東久邇宮稔彦内閣につきつけましたが、同内閣は実行不能として総辞職しました。
 そこで、あらたに首相に就任した幣原喜重郎に対して、日本の民主化に関する指示をしたものです。その内容は、①婦人の解放、②労働組合の助長、③教育の自由主義化、④圧制的諸制度の撤廃、⑤経済の民主化の5項目で、「ポツダム宣言」や「アメリカの初期対日方針」を具体化するものでした。
 これによって、戦後改革は足を踏み出し、婦人参政権の確立、「労働組合法」の制定、「教育基本法」と「学校教育法」の制定、財閥解体と農地改革などが着手されることになります。

〇五大改革指令 (全文)  1945年(昭和20)10月11日に指示

一 選挙権賦与による日本婦人の解放・・・・政治体の一員たることに依り、日本婦人は家庭の福祉に直接役立つが如き政府に関する新しき観念を齎すべし。

二 労働組合の結成奨励・・・・右は労働者を搾取と酷使より保護し、その生活水準を向上せしむるために有力なる発言を許容するが如き権威を労働組合に賦与せんが為なり。又現行行はれ居る幼年労働の弊害を矯正するに必要な措置を講ずべきこと。

三 より自由なる教育を行ふ為の諸学校の開設・・・・国民が事実に基づく知識によりその将来の進歩を形作り、政府が国民の主人たるよりは寧ろ公僕たるが如き制度を理解することに依り利益を受くる為なり。

四 秘密検察及びその濫用に依り国民を不断の恐怖に曝し来りたるが如き諸制度の廃止・・・・即ち右に代り人民を圧制的専断的且不正なる手段より保護し得るが如き司法制度を確立すべきこと。

五 所得並びに生産及商工業の諸手段の所有の普遍的分配を齎すが如き方法の発達に依り、独占的産業支配が改善せらるるやう日本の経済機構を民主主義化すること。

              『幣原喜重郎』より