日本の鉄道は、1870年(明治3)東京~京都~神戸間その他の鉄道を政府自ら建設することを正式に決定、同年3月に新橋~横浜間が着工し、1872年(明治5年5月7日)に品川~横浜間が仮開業しました。
そして、新橋~横浜間29kmの開通をみた1872年10月14日(明治5年9月12日)明治天皇臨席のもと、新橋(後の汐留貨物駅、現在は廃止)、横浜(現在の根岸線桜木町駅)両駅で盛大な開業式典を挙行、お召し列車も運行され、翌日から正式営業に入ります。
1921年(大正10)10月14日に鉄道開業50周年を記念して東京駅の丸の内北口に鉄道博物館(初代)が開館しました。その翌年から新暦換算日の10月14日が、鉄道省により「鉄道記念日」として制定されることになりました。
しかし、1987年(昭和62)の国鉄分割民営化後、1994年(平成6)から「鉄道の日」と改名され、現在も各種イベントが開催されています。
尚、この時に鉄道の開業式典が催された新橋駅舎は、1923年(大正12)の関東大震災で被災・焼失し、後に汐留貨物駅となり埋もれていましたが、1965年(昭和40)5月12日に国の史跡に指定され、1986年(昭和61)に汐留貨物駅廃止後に発掘調査が行われました。
その後、風化を防ぐために埋め戻され、2003年(平成15)にその上に開業当時の駅舎を再現した「旧新橋停車場」が建てられ、内部は鉄道の歴史に関する「鉄道歴史展示室」となって、見学できます。
尚、ここには0哩ポストがありますが、1870年4月25日(明治3年3月26日)に測量の起点となる第一杭がこの場所に打ち込まれたことを記念し、1936年(昭和11)に日本の鉄道発祥の地として0哩標識と約3mの軌道が復元されたものでした。これは、1958年(昭和33)10月14日に、旧国鉄によって鉄道記念物に指定されています。
〇鉄道記念物とは?
鉄道記念物は、1958年(昭和33)に当時の日本国有鉄道(国鉄)制定し、日本の鉄道に関する歴史的文化的に重要な事物等を指定して保存、継承するためのものでした。また、1963年(昭和38)に制定された、地方的に重要な事物等を指定する準鉄道記念物というのもありました。
国鉄分割民営化後は、既存の記念物がJR各社の管理に移されましたが、長らく指定が行われなかったものの、2004年(平成16)以後、にJR各社によって、準鉄道記念物から鉄道記念物への格上げという形で、指定行われています。
現在、鉄道記念物に43件、準鉄道記念物に51件が指定されています。これ以外にも、経済産業省が認定している近代化産業遺産の中に鉄道関係のものがありますし、国の重要文化財や史跡に指定されているものもあります。