今日は、昭和時代後期の1969年(昭和44)に、「東京国立近代美術館」(現在の本館)が開館した日で、記念切手も発売されています。
その後、1999年(平成11)から2002年(平成14)1月まで、約2年半におよぶ大規模な増改築により、展示室の拡張、ライブラリ・視聴覚施設の充実、図書室の整備等が行われ、レストランやミュージアム・ショップが新設されています。
この美術館の前身は、1952年(昭和27)に石橋正二郎より旧日活会館の建物の寄贈を受け、改装して中央区京橋に開館した「国立近代美術館」で、1963年(昭和38)に設置した、京都分館が1967年(昭和42)に「京都国立近代美術館」として独立したため、現名称の「東京国立近代美術館」となりました。
1969年(昭和44)6月11日に、新しい建物が出来、現在地に移転開館後は、京橋の跡地を改装し、1970年(昭和45)に付設の「フィルムフィルムセンター」(2018年に独立して「国立映画アーカイブ」となった)が出来ます。
また、1977年(昭和52)に、北の丸公園内の旧近衛師団司令部庁舎 (国指定重要文化財) を利用して、分館として工芸館(陶磁器、ガラス、染織、漆工、木竹工等収蔵)がオープンしました。
尚、2001年(平成13)からは、「国立西洋美術館」、「京都国立近代美術館」、「国立国際美術館」と共に、独立行政法人国立美術館の運営となっています。
2016年(平成28)度時点で、全体の収蔵品は日本画839点、油彩画1,254点、版画3,051点、水彩・素描4089点、彫刻(立体造形)458点、映像56点、書21点、写真2,720点、美術資料666点、合計13,154点におよび、近代日本美術を中心に常設展示すると共に、内外の近・現代美術の動向をとらえた企画展が開催されてきました。
〇「東京国立近代美術館」(本館)の主要な収蔵品
<国指定重要文化財>
・絹本著色『賢首菩薩図』 菱田春草筆(1907年)
・『ゆあみ』(石膏原型) 新海竹太郎作(1907年)
・『南風』和田三造筆(1907年)
・『裸体美人』 萬鐵五郎筆(1912年)
・『切通しの写生』 岸田劉生筆(1915年)
・紙本著色『行く春図』六曲屏風一双 川合玉堂筆(1916年)
・絹本著色『湯女図』二曲屏風一双 土田麦僊筆(1918年)
・絹本著色『日高河清姫図』 村上華岳筆(1919年)
・『エロシェンコ像』 中村彝筆(1920年)
・絹本墨画『生々流転図』1巻 横山大観筆(1923年)
・絹本著色『三遊亭円朝像』 鏑木清方筆(1930年)
・絹本著色『母子』 上村松園筆(1934年)
・紙本著色『黄瀬川陣』六曲屏風一双 安田靫彦筆(1940・41年)