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 今日は、昭和時代中期の1949年(昭和24)に、「土地改良法」が公布され、土地改良事業が一本化された日です。
 この法律は、太平洋戦争後の農地改革の理念を受けて、農業生産の基盤の整備・開発を図るため、農用地の改良・開発・保全・集団化に関する事業を適正かつ円滑に推進するため、その種類や実施の手続きなどを規定したものでした。
 これに関しては、戦前からの耕地整理組合、普通水利組合、水害予防組合、北海道土功組合などがありましたが、それらを廃して、法人として土地改良区の設立が定められます。戦前からの諸組合が土地所有者を組合員としていたのに対し、土地改良区は、原則として農地改革で創設された戦後自作農を構成員とし、土地改良の直接的担い手とするものでした。
 戦後の国土荒廃、困難な食糧事情を反映して、土地改良は重要な国策となり、国民食糧の安定確保、水・土地など国土資源の有効かつ適切な開発・保全などに寄与するとの観点から、国および県など地方公共団体による助成の対象とされて、各種補助制度が設けられるなど、膨大な国家資金が投入されたのです。
 その後何度も法改正されてきましたが、2001年(平成13)に大きく改正され、事業の実施に際しては、環境への負荷や影響に対して、“自然環境への影響緩和”の考え方を基本とした環境配慮対策を検討することになりました。

〇土地改良法(抄文) 昭和24年6月6日法律第195号

第一章 総 則

(目的及び原則)

第一条 この法律は、農用地の改良、開発、保全及び集団化に関する事業を適正かつ円滑に実施するために必要な事項を定めて、農業生産の基盤の整備及び開発を図り、もつて農業の生産性の向上、農業総生産の増大、農業生産の選択的拡大及び農業構造の改善に資することを目的とする。
2 土地改良事業の施行に当たつては、その事業は、環境との調和に配慮しつつ、国土資源の総合的な開発及び保全に資するとともに国民経済の発展に適合するものでなければならない。

(定義)

第二条 この法律において「農用地」とは、耕作の目的又は主として家畜の放牧の目的若しくは養畜の業務のための採草の目的に供される土地をいう。
2 この法律において「土地改良事業」とは、この法律により行なう次に掲げる事業をいう。
一 農業用用排水施設、農業用道路その他農用地の保全又は利用上必要な施設(以下「土地改良施設」という。)の新設、管理、廃止又は変更(あわせて一の土地改良事業として施行することを相当とするものとして政令で定める要件に適合する二以上の土地改良施設の新設又は変更を一体とした事業及び土地改良施設の新設又は変更(当該二以上の土地改良施設の新設又は変更を一体とした事業を含む。)とこれにあわせて一の土地改良事業として施行することを相当とするものとして政令で定める要件に適合する次号の区画事理、第三号の農用地の造成その他農用地の改良又は保全のため必要な事業とを一体とした事業を含む。)
二 区画整理(土地の区画形質の変更の事業及び当該事業とこれに附帯して施行することを相当とする次号の農用地の造成の工事又は農用地の改良若しくは保全のため必要な工事の施行とを一体とした事業をいう。)
三 農用地の造成(農用地以外の土地の農用地への地目変換又は農用地間における地目変換の事業(埋立て及び干拓を除く。)及び当該事業とこれに附帯して施行することを相当とする土地の区画形質の変更の工事その他農用地の改良又は保全のため必要な工事の施行とを一体とした事業をいう。)
四 埋立て又は干拓
五 農用地又は土地改良施設の災害復旧
六 農用地に関する権利並びにその農用地の利用上必要な土地に関する権利、農業用施設に関する権利及び水の使用に関する権利の交換分合
七 その他農用地の改良又は保全のため必要な事業

(以下略)

      「法令全書」より