これによって、本四連絡橋・尾道今治ルート(愛称:しまなみ海道)は、生口島内の高速道路を除いて、繋がりましたが、6年後に生口島北IC~生口島南IC(生口島道路)が開通する、2006年(平成18)4月29日が、西瀬戸自動車道としての全通日となりました。本四連絡橋では唯一、歩行者・自転車専用道が併設され、徒歩や自転車、原動機付き自転車での利用もできるのが特徴です。
本州四国連絡道の3つのルートの一つとして、尾道~今治間59・4kmを結び、海峡部の橋梁として新尾道大橋、因島大橋、生口橋、多々羅大橋、大三島橋、伯方・大島大橋(伯方橋、大島大橋)、来島海峡大橋(来島海峡第一大橋・来島海峡第二大橋・来島海峡第三大橋)の10本が建設され、総事業費は約7,800億円かかりました。
このルートの来島海峡大橋は特に長大な吊り橋として有名で、3つの吊り橋が連続し、その来島海峡第三大橋(中央径間1,030m)は日本で第3位、来島海峡第二大橋(中央径間1,020m)は第4位、来島海峡第一大橋(中央径間600m)は第12位となっていて、全長は4,105mにもおよびます。
〇来島海峡大橋とは?
平成時代の1999年(平成11)5月1日に開通した、瀬戸内海の大島と四国の間にある来島海峡をまたぐ長大な3連吊り橋で、来島海峡第一大橋(中央径間600m)、来島海峡第二大橋(中央径間1,020m)、来島海峡第三大橋(中央径間1,030m)の総称です。中央が西瀬戸自動車道(しまなみ海道)で、北側に自転車・歩道、南側にバイク道を併設し、全長は4,105mありました。歩行者は無料で、歩きながらすばらしい眺望を楽しむことができますが、結構スリリングです。また、今治市吉海町に亀老山展望台、今治市小浦町に糸山公園展望台があって、そこからの来島海峡大橋の眺望はすばらしいものでした。
〇「吊り橋」とは?
空間に張り渡したケーブルに沿って橋床をつるした橋のことで、ケーブルを空中高く支持するための塔、ケーブルを地盤に定着させるためのアンカー、つりケーブルでつり下げた補剛桁などから構成されます。古くから、原始的な形態のものが存在したと考えられますが、現在でも山間部に見られ、徳島県祖谷の蔓橋などが残されていました。近代の吊橋では、床の部分をプレートガーダーまたはトラスを組み合わせて剛性を高める構造が用いられています。世界の代表的な吊り橋としては、1937年に完成したサンフランシスコのゴールデン・ゲート橋(中央径間1,280m)が著名です。
日本においても、太平洋戦争後に計画されるようになり、その長大吊り橋の嚆矢としては、1961年に完成した徳島県の小鳴門橋(中央径間160m)と1962年(昭和37)に完成した北九州市の若戸大橋(中央径間367m)があげられます。
その後、1973年(昭和48)に関門橋(中央径間712m)、1983年(昭和58)に因島大橋(中央径間770m)、1985年(昭和60)に大鳴門橋(中央径間876m)、1988年(昭和63)に南備讃瀬戸大橋(中央径間1,100m)、1998年(平成10)に明石海峡大橋(中央径間1,991m)と次々に建設されていったのです。
☆日本の長大吊り橋ベスト15(中央径間の長さで比較しています)
1. 明石海峡大橋(兵庫県神戸市垂水区・淡路市)中央径間1,991m…1998年開通
2. 南備讃瀬戸大橋(香川県坂出市)中央径間1,100m…1988年開通
3. 来島海峡第三大橋(愛媛県今治市)中央径間1,030m…1999年開通
4. 来島海峡第二大橋(愛媛県今治市)中央径間1,020m…1999年開通
5. 北備讃瀬戸大橋(香川県坂出市)中央径間990m…1988年開通
6. 下津井瀬戸大橋(岡山県倉敷市・香川県坂出市)中央径間940m…1988年開通
7. 大鳴門橋(徳島県鳴門市・兵庫県南あわじ市)中央径間876m…1985年開通
8. 因島大橋(広島県尾道市)中央径間770m…1983年開通
9. 安芸灘大橋(広島県呉市)中央径間750m…2000年開通
10. 白鳥大橋(北海道室蘭市)中央径間720m…1998年開通
11. 関門橋(福岡県北九州市門司区・山口県下関市)中央径間712m…1973年開通
12. 来島海峡第一大橋(愛媛県今治市)中央径間600m…1999年開通
13. 東京港連絡橋<レインボーブリッジ>(東京都)中央径間570m…1993年開通
14. 大島大橋(広島県尾道市・愛媛県今治市)中央径間560m…1988年開通
15. 豊島大橋(広島県呉市)中央径間540m…2008年開通