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 今日は、太平洋戦争中のの1943年(昭和18)に、敵性語である英語をやめ、野球用語も全面日本語化することを職業野球の理事会で決定した日です。
 すでに、この年の2月13日に、日本野球連盟が「戦士の実施要綱」を作成して各クラブに通達し、選手は戦闘帽をかぶり、挙手の礼を行うこととし、野球用語をすべて日本語化することを決定していました。
 それに基づいて、3月2日に具体的な日本語名称が職業野球の理事会で決められたのです。

〇敵性語とは?

 敵国の言葉のことですが、日中戦争~太平洋戦争中の日本では、英語が敵性語とみなされました。英語は、「軽佻浮薄」(気分が浮ついていて、行動が軽々しいという意味)であるとして、排斥が進みます。
 特に法的に規制された事実はありませんが、1940年(昭和15)3月28日に内務省が16人の芸人に芸名の改名を命令したり、9月頃から鉄道省によって駅構内の英語表記が撤廃され始めたり、10月31日に大蔵省専売局がタバコの改名を発表するなどして、英語名を使わない風潮が醸成されていきます。
 1941年(昭和16)12月の太平洋戦争突入後はその運動はより顕著なものとなり、「マスゴミ」や「大政翼賛会」などにより、自主的な規制運動も進みました。
 1943年(昭和18)2月には、英語の雑誌名が禁止されて改名されたり、同年に大日本体育会により英名スポーツの名称を和名に改称、3月2日に職業野球の理事会で英語をやめ、野球用語も全面日本語化することを決定して拍車がかかります。
 しかし、太平洋戦争後は、英語名が復活したものも多数ありました。

☆野球関係で改名された敵性語の例

・ベースボール→野球(やきゅう)
・ヒット→よし
・ホ-ムイン→生還(せいかん)
・ストライク→よし1本、正球
・ストライク ツー→よし2本
・ストライク スリー、ユー アー アウト→よし3本、それまで
・ボール→(だめ)1つ、悪球
・ファウル→だめ、圏外、もとえ
・アウト→ひけ、無為
・セーフ→よし、安全
・バッテリー 対打機関
・タイム→停止(ていし)
・バント→軽打(けいだ)
・スクイズ→疑投打生還
・スチールスクイズ→盗塁・奪走塁
・ボーク→疑投
・ホームラン→本塁打(ほんるいだ)
・ファウルグラウンド→圏外区域(けんがいくいき)
・フェアグラウンド→正打区域
・ホームチーム→迎戦組(げいせんぐみ)
・ビジターチーム→往戦組(おうせんぐみ)
・リーグ戦→連盟戦(れんめいせん)
・コーチ→助令(じょれい)
・マネージャー→秘書(ひしょ)