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 今日は、江戸時代前期の1610年(慶長15)に、絵師長谷川等伯の亡くなった日ですが、新暦では3月19日となります。
 長谷川等伯は、戦国時代の1539年(天文8)に、能登国七尾城主畠山氏の家臣奥村文之丞宗道の子として生まれましたが、幼名は又四郎と言いました。
 幼時に等春門人で染物業を営む長谷川宗清の養子となったと言われています。七尾を拠点に信春の名で仏画などを手がけていましたが、1571年(元亀2)頃に30代で京へ上り、狩野派の画風や雪舟の水墨画などを学びました。
 その後、等伯と号して、日本独自の水墨画様式を確立し、金碧障壁画も手掛け、狩野派を脅かすほどの絵師となります。
 東京国立博物館所蔵の国宝「松林図屏風」は日本の水墨画の最高傑作と評され、智積院所蔵の国宝「楓図壁貼付」は金碧画の代表作とされました。
 これらの業績により、長谷川派の始祖としての地位を確立して、狩野派と対抗する存在となり、1604年(慶長9)に法橋、翌年には法眼に叙されます。
 しかし、1610年(慶長15)に、徳川家康に召されて江戸に赴いたものの、道中病を得て到着後まもなくの2月24日に、71歳で亡くなりました。
 尚、日蓮宗の信者で本法寺の日通上人と親交が深く、等伯の談を日通が綴った『等伯画説』は日本初の画論として著名となります。

〇長谷川等伯の主要な作品

・国宝『祥雲寺(現智積院)障壁画』(智積院蔵)
・国宝『松林図屏風』 (東京国立博物館蔵)
・『竹林猿猴図屏風』(相国寺蔵)
・『十二天像』(正覚寺蔵)
・『日蓮上人像』(大法寺蔵)
・『三十番神図』(大法寺蔵)
・『涅槃図』(妙成寺蔵)
・『日乗上人像』(妙成寺蔵)
・『日堯上人像』(本法寺蔵)
・『日通上人像』(本法寺蔵)
・『花鳥図屏風』(妙覚寺蔵)
・『武田信玄像』(成慶院蔵)
・『伝名和長年像』(東京国立博物館蔵)
・『牧馬図屏風』(東京国立博物館蔵)
・旧大徳寺三玄院『山水図襖絵』(円徳院、楽美術館現蔵)
・『枯木猿猴図屏風』(竜泉院蔵)
・『達磨図』(竜門寺蔵)
・『十六羅漢図』(霊泉寺蔵)
・『涅槃図』(妙成寺蔵)
・『千利休像』(京都・表千家蔵)
・『春屋宗園像』(三玄院蔵)