この日は、日本に最大級の寒波が到来していて、北海道の内陸部上川盆地の中心に位置している上川測候所(現在の旭川地方気象台)で、観測された記録でした。これは、富士山頂で観測されている最低気温(-38.0℃)をも上回っています。ちなみにこの寒波時、青森県の八甲田山では、青森歩兵第5連隊による雪中行軍の訓練が行われており、行軍中の210名が猛吹雪と厳しい寒さに遭遇、内199名が凍死し、生存者はわずか11名という大惨事(八甲田雪中行軍遭難事件)が起きました。尚、世界の最低気温の記録は、1983年7月21日に南極大陸ボストーク基地で観測された-89.2℃です。
〇最低気温とは?
日最低気温ともいい、通常は1日の連続した気温のうちの最低の値をいいます。つまり、0時~24時までに観測された気温の最低値のことで、晴天の日では3時から9時の間に観測されることが多くいのですが、、その日の気圧配置によっては昼間に観測されることもありました。気象庁が発表している最低気温は、正式な気象官署やアメダス(自動気象データ収集システム)による観測の値です。
☆日本の最低気温のベスト5(気象官署・アメダス観測点による)
・1位 -41.0℃ [1902年(明治35)1月25日] 北海道石狩国上川郡旭川町(現在の旭川市)
・2位 -38.2℃ [1902年(明治35)1月26日] 北海道河西郡下帯広村(現在の帯広市)
・3位 -38.1℃ [1978年(昭和53)2月17日] 北海道旭川市江丹別
・4位 -38.0℃ [1981年(昭和56)2月27日] 富士山頂
・5位 -37.9℃ [1978年(昭和53)2月17日] 北海道枝幸郡枝幸町歌登
注:同一地点での記録は、省略しているため旭川では、2位を上回る記録を全部で6回観測しています。
<参考記録> (正式な観測点以外の記録)
・-44.0℃ [1931年(昭和6)1月27日] 北海道枝幸郡枝幸村(現在の枝幸町)上幌別(北海道森林気象観測所)
・-41.5℃ [1931年(昭和6)1月27日] 北海道天塩国中川郡美深町(区内観測所)
・-41.2℃ [1978年(昭和53)2月17日] 北海道雨竜郡幌加内町母子里(北海道大学雨竜演習林内)