この年は、前年の暮れ頃から大雪の傾向にありましたが、1月5日頃より秋田沖で猛烈に発達した低気圧によって、強い冬型の気圧配置が続く中で、2月初めごろまで、北陸地方を中心に東北地方から九州にかけての広い範囲で降雪が続き、記録的な豪雪となりました。
特に、日本海側平野部の広い範囲で未曾有の大雪に見舞われ、福井市で213(1位)、金沢市で181(1位)、富山市で186(2位)、高岡市で225(1位)、長岡市で318(2位)、三条市で245(1位)に達します。これに対する除雪が追い付かず、鉄道や道路も寸断され、孤立する集落が多数出て、雪の重みによる住家や施設の倒壊も相次ぎ、学校の休校も長期に及びました。
その中で、北陸管内の鉄道は麻痺状態となり、長距離列車は半月余り運休が続き、一番遅延したのは、23日に新潟を出た急行「越後号」で、東三条、押切、長岡で5日4晩、100余時間かかって27日にようやく上野駅に到着よるという状況となります。
また、雪崩や融雪による洪水も発生し、「消防白書」によると、死者228名、行方不明者3名、負傷者356名、住家全壊753棟、半壊982棟、床上浸水640棟、床下浸水6,338棟などの被害が出たとされています。
この豪雪について、1963年(昭和38)2月12日に気象庁は「昭和38年1月豪雪」と命名しましたが、一般には、「三八豪雪」と呼ばれるようになりました。
〇豪雪とは?
比較的短い時間に多量に降る雪のことで、「大雪(おおゆき)」よりもさらに多量のものをいう場合が多いとされます。
多雪地帯では、一晩で1m以上の降雪がおおむね豪雪の目安とされていますが、雪国では、これを「ドカ雪」と呼びならわしてきました。
また、積雪の多い地帯を豪雪地帯といいいますが、「豪雪地帯対策特別措置法」(1962制定)によると、積雪積算値(毎日の積雪の値をひと冬にわたって積算した値)が5,000cm/日以上の地帯ということになります。
☆昭和時代以降の記録的豪雪
・1927年(昭和2)の豪雪
・1945年(昭和20)の豪雪
・1963年(昭和38)の「昭和38年1月豪雪」(通称:三八豪雪)
・1981年(昭和56)の豪雪(通称:五六豪雪)
・2006年(平成18)の「平成18年豪雪」(通称:〇六豪雪・一八豪雪)