霧信号所は、航路標識の中で、視界が悪いときに音で船舶に位置を知らせる音波標識で、「霧笛」とも呼ばれていました。
たいてい灯台と同じ場所に設置されていて、その鳴り方(周期といい鳴っている時間と休んでいる時間の間隔)が灯台毎に異なっているために、どこから発せられているか識別できるようになっています。
音の発し方は多くが、ダイヤフラムホーン(電磁式発信器)に変わりましたが、犬吠埼灯台では、エアーサイレン(圧搾空気方式)が最後まで残されていました。
1879年(明治12)12月20日、尻屋埼灯台(青森県下北郡東通村)に、日本で初め ての霧信号として霧鐘が設置されたので、それを記念して12月20日が、「霧笛記念日」となっています。
しかし、電波標識の整備に伴い廃止されるところが増え、2010年(平成22)3月31日をもって海上保安庁所管の霧信号所はすべて廃止となったものの、漁協などが代替機を設置して稼働しているものが存在しています。