今日は、昭和時代中期の1959年(昭和34)に、国連総会において「児童の権利に関する宣言」が採択された日で、「世界こどもの日」とされています。
この宣言は、子どもの権利を促進する国際文書で、1924年(昭和19)に、5ヶ条からなる「ジュネーブ児童権利宣言」が、国際連盟で採択され、太平洋戦争後の1959年(昭和34)11月20日に拡張されたものが国際連合において採択されました。
「国連憲章」と「世界人権宣言」に基づくもので、前文6項と本文10ヶ条からなり、心身ともに未成熟な子供が、健全な成育と幸福と社会的諸権利を保障されるべきことを確認したものです。これを実現するために、両親、個人、民間団体、地方行政機関および政府が、この宣言に従って立法およびその他の措置を講じることを求めていました。日本では、1959年(昭和34)12月に参議院本会議で支持を決議します。
その後、この宣言の30周年に合わせ、1989年(平成元)11月20日に国連総会で「児童の権利に関する条約」が採択され、翌年9月2日に発効しました。
日本国内では、1994年(平成6)3月29日に国会承認され、同年5月22日から効力が発生しましたが、「批准国は子の最善の利益のために行動しなければならない」(第3条)と定められています。
〇「児童の権利に関する宣言」(1959年11月20日に国連総会で採択)
国際連合の諸国民は、国際連合憲章において、基本的人権と人間の尊厳及び価値とに関する信念をあらためて確認し、かつ、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進することを決意したので、
国際連合は、世界人権宣言において、すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、同宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有する権利を有すると宣言したので、
児童は、身体的及び精神的に未熟であるため、その出生の前後において、適当な法律上の保護を含めて、特別にこれを守り、かつ、世話することが必要であるので、
このような特別の保護が必要であることは、1924年のジュネーブ児童権利宣言に述べられており、世界人権宣言並びに児童の福祉に関係のある専門機関及び国際機関の規約により認められているので、
人類は児童に対し、最善のものを与える義務を負うものであるので、
よつて、ここに、国際連合総会は、
児童が、幸福な生活を送り、かつ、自己と社会の福利のためにこの宣言に掲げる権利と自由を享有できるようにするために、この児童権利宣言を公布し、また、両親、個人としての男女、民間団体、地方行政機関及び政府に対し、これらの権利を認識し、次の原則に従つて漸進的に執られる立法その他の措置によつてこれらの権利を守るよう努力することを要請する。
第1条
児童は、この宣言に掲げるすべての権利を有する。すべての児童は、いかなる例外もなく、自己またはその家庭のいずれについても、その人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位のため差別を受けることなく、これらの権利を与えられなければならない。
第2条
児童は、特別の保護を受け、また、健全、かつ、正常な方法及び自由と尊厳の状態の下で身体的、知能的、道徳的、精神的及び社会的に成長することができるための機会及び便益を、法律その他の手段によつて与えられなければならない。この目的のために法律を制定するに当つては、児童の最善の利益について、最善の考慮が払わなければならない。
第3条
児童は、その出生のときから姓名及び国籍をもつ権利を有する。
第4条
児童は、社会保障の恩恵を受ける権利を有する。児童は、健康に発育し、かつ、成長する権利を有する。この目的のため、児童とその母は、出産前後の適当な世話を含む特別の世話及び保護を与えられなければならない。児童は、適当な栄養、住居、レクリェーション及び医療を与えられる権利を有する。
第5条
身体的、精神的又は社会的に障害のある児童は、その特殊な事情により必要とされる特別の治療、教育及び保護を与えなければならない。
第6条
児童は、その人格の完全な、かつ、調和した発展のため、愛情と理解とを必要とする。児童は、できる限り、両親の愛護と責任のもとで、また、いかなる場合においても、愛情と道徳的及び物質的保障とのある環境の下で育てられなければならない。幼児は、例外的な場合を除き、その母から引き離されてはならない。社会及び公の機関は、家庭のない児童及び適当な生活維持の方法のない児童に対して特別の保護を与える義務を有する。子供もの多い家庭に属する児童については、その援助のため、国その他の機関による費用の負担が望ましい。
第7条
1.児童は、教育を受ける権利を有する。その教育は、少なくとも初等の段階においては、無償、かつ、義務的でなければならない。児童は、その一般的な教養を高め、機会均等の原則に基づいて、その能力、判断力並びに道徳的及び社会的責任感を発達させ、社会の有用な一員となりうるような教育を与えられなければならない。
2.児童の教育及び指導について責任を有する者は、児童の最善の利益をその指導の原則としなければならない。その責任は、まず第一に児童の両親にある。
3.児童は、遊戯及びレクリェーションのための十分な機会を与えられる権利を有する。その遊戯及びレクリェーションは、教育と同じような目的に向けられなければならない。社会及び公の機関は、この権利の享有を促進するために努力しなければならない。
第8条
児童は、あらゆる状況にあつて、最初に保護及び救済を受けるべき者の中に含められなければならない。
第9条
1.児童は、あらゆる放任、虐待及び搾取から保護されなければならない。児童は、いかなる形態においても売買の対象にされてはならない。
2.児童は、適当な最低年令に達する前に雇用されてはならない。児童は、いかなる場合にも、その健康及び教育に有害であり、又その身体的、精神的若しくは道徳的発達を妨げる職業若しくは雇用に、従事させられ又は従事することを許されてはならない。
第10条
児童は、人種的、宗教的その他の形態による差別を助長するおそれのある慣行から保護されなければならない。児童は、理解、寛容、諸国民間の友愛、平和及び四海同胞の精神の下に、また、その力と才能が、人類のために捧げられるべきであるという充分な意識の中で、育てられなければならない。
この宣言は、子どもの権利を促進する国際文書で、1924年(昭和19)に、5ヶ条からなる「ジュネーブ児童権利宣言」が、国際連盟で採択され、太平洋戦争後の1959年(昭和34)11月20日に拡張されたものが国際連合において採択されました。
「国連憲章」と「世界人権宣言」に基づくもので、前文6項と本文10ヶ条からなり、心身ともに未成熟な子供が、健全な成育と幸福と社会的諸権利を保障されるべきことを確認したものです。これを実現するために、両親、個人、民間団体、地方行政機関および政府が、この宣言に従って立法およびその他の措置を講じることを求めていました。日本では、1959年(昭和34)12月に参議院本会議で支持を決議します。
その後、この宣言の30周年に合わせ、1989年(平成元)11月20日に国連総会で「児童の権利に関する条約」が採択され、翌年9月2日に発効しました。
日本国内では、1994年(平成6)3月29日に国会承認され、同年5月22日から効力が発生しましたが、「批准国は子の最善の利益のために行動しなければならない」(第3条)と定められています。
〇「児童の権利に関する宣言」(1959年11月20日に国連総会で採択)
国際連合の諸国民は、国際連合憲章において、基本的人権と人間の尊厳及び価値とに関する信念をあらためて確認し、かつ、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進することを決意したので、
国際連合は、世界人権宣言において、すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、同宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有する権利を有すると宣言したので、
児童は、身体的及び精神的に未熟であるため、その出生の前後において、適当な法律上の保護を含めて、特別にこれを守り、かつ、世話することが必要であるので、
このような特別の保護が必要であることは、1924年のジュネーブ児童権利宣言に述べられており、世界人権宣言並びに児童の福祉に関係のある専門機関及び国際機関の規約により認められているので、
人類は児童に対し、最善のものを与える義務を負うものであるので、
よつて、ここに、国際連合総会は、
児童が、幸福な生活を送り、かつ、自己と社会の福利のためにこの宣言に掲げる権利と自由を享有できるようにするために、この児童権利宣言を公布し、また、両親、個人としての男女、民間団体、地方行政機関及び政府に対し、これらの権利を認識し、次の原則に従つて漸進的に執られる立法その他の措置によつてこれらの権利を守るよう努力することを要請する。
第1条
児童は、この宣言に掲げるすべての権利を有する。すべての児童は、いかなる例外もなく、自己またはその家庭のいずれについても、その人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位のため差別を受けることなく、これらの権利を与えられなければならない。
第2条
児童は、特別の保護を受け、また、健全、かつ、正常な方法及び自由と尊厳の状態の下で身体的、知能的、道徳的、精神的及び社会的に成長することができるための機会及び便益を、法律その他の手段によつて与えられなければならない。この目的のために法律を制定するに当つては、児童の最善の利益について、最善の考慮が払わなければならない。
第3条
児童は、その出生のときから姓名及び国籍をもつ権利を有する。
第4条
児童は、社会保障の恩恵を受ける権利を有する。児童は、健康に発育し、かつ、成長する権利を有する。この目的のため、児童とその母は、出産前後の適当な世話を含む特別の世話及び保護を与えられなければならない。児童は、適当な栄養、住居、レクリェーション及び医療を与えられる権利を有する。
第5条
身体的、精神的又は社会的に障害のある児童は、その特殊な事情により必要とされる特別の治療、教育及び保護を与えなければならない。
第6条
児童は、その人格の完全な、かつ、調和した発展のため、愛情と理解とを必要とする。児童は、できる限り、両親の愛護と責任のもとで、また、いかなる場合においても、愛情と道徳的及び物質的保障とのある環境の下で育てられなければならない。幼児は、例外的な場合を除き、その母から引き離されてはならない。社会及び公の機関は、家庭のない児童及び適当な生活維持の方法のない児童に対して特別の保護を与える義務を有する。子供もの多い家庭に属する児童については、その援助のため、国その他の機関による費用の負担が望ましい。
第7条
1.児童は、教育を受ける権利を有する。その教育は、少なくとも初等の段階においては、無償、かつ、義務的でなければならない。児童は、その一般的な教養を高め、機会均等の原則に基づいて、その能力、判断力並びに道徳的及び社会的責任感を発達させ、社会の有用な一員となりうるような教育を与えられなければならない。
2.児童の教育及び指導について責任を有する者は、児童の最善の利益をその指導の原則としなければならない。その責任は、まず第一に児童の両親にある。
3.児童は、遊戯及びレクリェーションのための十分な機会を与えられる権利を有する。その遊戯及びレクリェーションは、教育と同じような目的に向けられなければならない。社会及び公の機関は、この権利の享有を促進するために努力しなければならない。
第8条
児童は、あらゆる状況にあつて、最初に保護及び救済を受けるべき者の中に含められなければならない。
第9条
1.児童は、あらゆる放任、虐待及び搾取から保護されなければならない。児童は、いかなる形態においても売買の対象にされてはならない。
2.児童は、適当な最低年令に達する前に雇用されてはならない。児童は、いかなる場合にも、その健康及び教育に有害であり、又その身体的、精神的若しくは道徳的発達を妨げる職業若しくは雇用に、従事させられ又は従事することを許されてはならない。
第10条
児童は、人種的、宗教的その他の形態による差別を助長するおそれのある慣行から保護されなければならない。児童は、理解、寛容、諸国民間の友愛、平和及び四海同胞の精神の下に、また、その力と才能が、人類のために捧げられるべきであるという充分な意識の中で、育てられなければならない。