天草五橋(あまくさごきょう)は、熊本県宇土半島先端の三角から、天草諸島の大矢野島、永浦島、池島、前島を経て天草上島までを結ぶ5つの橋(天門橋、大矢野橋、中の橋、前島橋、松島橋)のことで、日本道路公団によって建設されました。
国道266号の一部をなし、現在の宇城市から上天草市にかけての約12kmの連絡道路となっていますが、開通当初は有料道路で、30年で償還する予定だったものの、わずか9年で通行無料になります。
1935年(昭和10)に、天草架橋構想が熊本県議会に提案されて以降、27年にして、1962年(昭和37)に、日本道路公団によって起工されました。各橋はそれぞれ周囲の自然環境と技術上の条件を考慮して選ばれた構造形式を採用し、当時の日本橋梁技術の粋を集めたものです。そして、3年の工期を経て完成し、熊本県民の悲願がかなうことになりました。
周辺は、雲仙天草国立公園の指定を受ける風光明媚なところで、この完成によって、長崎、雲仙と阿蘇、別府とを結ぶ国際観光ルートとして注目され、多くの観光客を呼び込むことになります。
〇「天草五橋」の特徴
・1号橋(天門橋)形式:トラス橋、全長502m 宇土半島先端~大矢野島
・2号橋(大矢野橋)形式:ランガートラス橋、全長249m 大矢野島~永浦島
・3号橋(中の橋)形式:PC箱桁橋、全長361m 永浦島~池島
・4号橋(前島橋)形式:PC箱桁橋、全長510m 池島~前島
・5号橋(松島橋)形式:パイプアーチ橋、全長178m 前島~天草上島東端