カラーテレビとは、被写体の色彩のついた画像を伝送し再現するテレビジョン放送、およびそのテレビ受像機のことでした。
当初は、3色の回転フィルタを使った CBS方式 (アメリカ) により初めて実用化されましたが、この方式では従来の白黒受像器によって白黒像として受けることができない欠点がありました。そこで、この欠点を改善するものとして、アメリカで NTSC方式が開発され、1954年1月23日、米NBCのニューヨーク局であるWNBC局が最初に本放送を開始したのです。
日本では、1956年(昭和31)12月20日に実験放送として始まり、アメリカの NTSC方式を使って、1960年(昭和35)9月10日から、本放送が開始されましたが、アメリカ、キューバに次いで世界で3番目でした。尚、アメリカや日本のNTSC方式に対して、ヨーロッパではPAL方式、フランスやロシアではSECAM方式と違いがあります。
本放送開始時のカラーテレビ受像機はたいへん高価であり、カラー放送番組も少ししかありませんでしたが、1964年(昭和39)の東京オリンピックを契機に普及が促進されました。当時は、自動車(car)、クーラー(cooler)、カラーテレビ(color television)を「三C商品」と呼んで、庶民のあこがれの的となっていたのです。その後、急速に普及拡大していって、1973年(昭和48)には、カラーテレビの普及率が75%を超え、白黒テレビと逆転するまでになりました。
そして、1975年(昭和50)には、NHKのカラーテレビ受信契約数が2,000万件を突破し、さらに翌年には、カラーテレビの普及率は94%へと至ったのです。その後も、テレビは、さらに高精細・高音質を追求してデジタル化が進められ、ブラウン管テレビから徐々に液晶テレビやプラズマテレビへと変わっていくこととなりました。
しかし、最近は若者のテレビ離れが進行していて、10代から20代の若年層については、テレビの視聴時間は年ごとに減少しているのです。