このケーブルカーの路線は、1918年(大正7)8月29日に、近畿日本鉄道の前身である大阪電気軌道の系列会社の生駒鋼索鉄道により、宝山寺への参拝客を見込んで、鳥居前駅~宝山寺駅間(宝山寺1号線)に建設されたもので、路線距離は0.9km、高低差146m、最急勾配227‰でした。
その後、1922年(大正11)1月25日に、大阪電気軌道が生駒鋼索鉄道を合併したのです。
そして、1926年(昭和元)12月30日に、宝山寺2号線が開業して、鳥居前駅~宝山寺駅間が複線化しました。
さらに、1929年(昭和4年)3月27日に、生駒山上に建設された遊園地のためのアクセス路線の山上線として、宝山寺駅~生駒山上駅間が開業しましたが、路線距離は1.1km、高低差322m、最急勾配333‰で、中間駅が2駅(梅屋敷駅・霞ヶ丘駅)ありました。
太平洋戦争中の1944年(昭和19) 2月11日に、山上線が不要不急線として休止させられましたが、戦後復活して現在に至っています。
〇日本のケーブルカー(鉄道事業法によるもの)一覧
・青函トンネル記念館青函トンネル竜飛斜坑線(青函トンネル体験坑道)全長778m、最大勾配250‰
・筑波観光鉄道 筑波山鋼索鉄道線(筑波山)全長1,634m、最大勾配358‰、高低差495m
・高尾登山電鉄高尾鋼索線(高尾山)全長1,020m、最大勾配608‰、高低差271m
・御岳登山鉄道(御岳山) 全長1,107m、最大勾配470‰、高低差424m
・箱根登山鉄道鋼索線(箱根山)全長1,240m、最大勾配200‰、高低差214m、中間駅4駅あり
・大山観光電鉄大山鋼索線(大山)全長786m、最大勾配477‰、高低差278m、中間駅1駅あり
・伊豆箱根鉄道十国鋼索線(十国峠)全長317m、最大勾配408‰、高低差101m
・立山黒部貫光鋼索線(立山黒部平)全長828m、最大勾配587‰、高低差373m
・立山黒部貫光鋼索線(立山美女平)全長1,366m、最大勾配560‰、高低差487m
・比叡山鉄道比叡山鉄道線(比叡山延暦寺)全長2,025m、最大勾配333‰、高低差484m、中間駅2駅あり
・京福電気鉄道鋼索線(比叡山延暦寺)全長1,458m、最大勾配530‰、高低差561m
・鞍馬山鋼索鉄道(鞍馬山鞍馬寺)全長207m、最大勾配499‰、高低差89m
・丹後海陸交通天橋立鋼索鉄道(天橋立傘松展望台)全長391m、最大勾配461‰、高低差115m
・近畿日本鉄道生駒鋼索線宝山寺線(生駒山)全長948m、最大勾配227‰、高低差146m
・近畿日本鉄道生駒鋼索線山上線(生駒山)全長1,124m、最大勾配333‰、高低差322m、中間駅2駅あり
・近畿日本鉄道西信貴鋼索線(高安山)全長1,263m、最大勾配480‰、高低差354m
・南海電気鉄道鋼索線(高野山金剛峯寺)全長864m、最大勾配563‰、高低差329m
・京阪電気鉄道鋼索線(男山石清水八幡宮)全長411m、最大勾配206‰、高低差82m
・能勢電鉄鋼索線(妙見山)全長666m、最大勾配424‰、高低差229m
・六甲山観光六甲ケーブル線(六甲山)全長1,764m、最大勾配498‰、高低差493m
・神戸すまいまちづくり公社摩耶ケーブル線(摩耶山)全長964m、最大勾配547‰、高低差312m
・四国ケーブル(五剣山)全長684m、最大勾配288‰、高低差167m
・皿倉登山鉄道(皿倉山)全長1,191m、最大勾配528‰、高低差441m
・岡本製作所別府ラクテンチケーブル線(別府ラクテンチ)全長253m、最大勾配558‰、高低差122m