
大正10年函館大火(たいしょうじゅうねんはこだてたいか)は、この日の午前1時15分に、函館区東川町198番地の菓子製造所から出火した大火でした。8~11m/sの強い東風が吹く中で、上水道が断水中という悪条件も重なり、次々と延焼していき、莱町、相生町をまたたく間に焼失し、午前4時頃には、十字街を襲い曙町20間坂付近に達します。さらに、西方向へ延焼は拡大し、末広町、会所町、元町へとその被害範囲を拡げ、風力が衰えたために、出火から6時間余り経った午前7時30分に、ようやく鎮火しました。
焼失区域は152,830坪(504,339㎡)の広範囲に及び、病院5、学校3、銀行4、劇場5と市の中心街を焼失しています。これによって、死者1名、焼失戸数2,141戸、催災人口10,996名、損害総額17,798,549円という大きな被害が出ました。
尚、函館市における大火は明治時代以降、焼失戸数1,000戸以上のものだけで10回ありますが、一般的に「函館大火」というと、最も被害の大きかった1934年(昭和9)3月21日のものとされています。
焼失区域は152,830坪(504,339㎡)の広範囲に及び、病院5、学校3、銀行4、劇場5と市の中心街を焼失しています。これによって、死者1名、焼失戸数2,141戸、催災人口10,996名、損害総額17,798,549円という大きな被害が出ました。
尚、函館市における大火は明治時代以降、焼失戸数1,000戸以上のものだけで10回ありますが、一般的に「函館大火」というと、最も被害の大きかった1934年(昭和9)3月21日のものとされています。
〇函館における大火一覧(函館の大火の内、明治時代以降で焼失戸数1,000戸以上のもの)
・1871年(明治4年9月2日) 「切見世火事」1,123戸焼失
・1873年(明治6年)3月23日 「家根屋火事」死者5名、14,314戸焼失
・1879年(明治12年)12月6日 2,326戸焼失
・1896年(明治29年)8月26日 「テコ婆火事」2,280戸焼失
・1899年(明治32年)9月15日 2,494戸焼失
・1907年(明治40年)8月25日 死者8名、負傷者1,000名、12,390戸焼失
・1913年(大正2年)5月4日 1,532戸焼失
・1916年(大正5年)8月2日 1,763戸焼失
・1921年(大正10年)4月14日 死者1名、2,141戸焼失
・1934年(昭和9年)3月21日 死者2,166名、負傷者9,485名、22,667戸焼失
☆明治・大正時代の大火一覧(焼失1,000戸以上で、戦火・地震によるものを除く)
・1871年(明治4)9月12日 函館の「切見世火事」(焼失1,123戸)
・1872年(明治5)2月26日 東京の銀座大火(焼失4,879戸)
・1873年(明治6)3月22日 函館の「家根屋火災」(焼失1,314戸)
・1873年(明治6)3月22日~23日 横浜の「相生町の大火」(重軽傷者20余名、焼失1,577戸)
・1874年(明治7)4月27日 浜松明治7年の大火「小野組火事」(焼失家数1,318軒)
・1875年(明治8)4月24日 飛騨高山明治8年の大火(死亡者1名、焼失1,032戸)
・1879年(明治12)1月26日~27日 高崎明治13年の大火(消失2,500余戸)
・1879年(明治12)3月3日 高岡明治12年の大火(焼失2,000余戸)
・1879年(明治12)12月6日 明治12年函館大火(焼失2,326戸)
・1879年(明治12)12月26日 東京の日本橋大火(全焼10,613戸)
・1880年(明治13)5月15日 弘前明治13年の大火(焼失1,000余戸)
・1880年(明治13)5月21日 三条の大火「糸屋万平火事」(死者34名、焼失2,743戸)
・1880年(明治13)8月7日 新潟明治13年の大火(死者3名、負傷名37名、焼失6,175戸)
・1880年(明治13)12月24日 明治13年大阪南の大火「島の内出火」(死者8名、負傷者350~60名、焼失3,388戸)
・1881年(明治14)1月26日 東京の神田の大火(全焼10,673戸)
・1881年(明治14)2月11日 東京の神田区の大火(全焼7,751戸)
・1881年(明治14)4月25日 福島明治の大火「甚兵衛火事」(死者7名、焼失1,785戸)
・1882年(明治15)5月15日 富山県氷見明治の大火(焼失1,600余戸)
・1884年(明治17)5月13日 水戸明治17年「下市の大火」(焼失1,200余戸)
・1884年(明治17)11月7日~8日 盛岡明治17年の大火(焼失1,432戸)
・1885年(明治18)5月31日~6月1日 富山明治18年の大火「安田焼」(死者9名、焼失5,925戸)
・1886年(明治19)4月30日~5月1日 秋田明治19年の大火「俵屋火事」(死者17名、負傷者186名、焼失3,554戸)
・1886年(明治19)12月30日 水戸明治19年「上市の大火」(焼失1,800余戸)
・1888年(明治21)1月4日 松本明治21年南深志の大火(死者5名、焼失1,553戸)
・1888年(明治21)1月31日 横浜明治21年野毛の放火による大火(重軽傷者数10人、焼失1,121戸)
・1889年(明治22)2月1日~2日 静岡明治22年の大火(焼失1,100余戸)
・1890年(明治23)2月27日 東京の浅草大火(全焼1,469戸)
・1890年(明治23)9月5日 明治23年大阪大火「新町焼け」(死者1名、軽傷者206名、全焼2,023戸、半焼60戸)
・1893年(明治26)3月17日~18日 川越大火(焼失1,302戸、土蔵60棟焼失)
・1893年(明治26)3月29日~30日 松阪明治の大火(焼失1,460戸)
・1894年(明治27)5月26日 山形明治27年「市南の大火」(死者15名、負傷者69名、焼失1,284戸)
・1895年(明治28)4月29日 石川県七尾の大火(焼失1,000余戸)
・1895年(明治28)6月2日~3日 新潟県新発田明治28年の大火(死者4名、負傷者24名、焼失2,410戸)
・1895年(明治28)10月3日 根室明治28年の大火(焼失1,334戸)
・1896年(明治29)4月13日~14日 福井県勝山町明治29年の大火(死者5名、負傷者2名、焼失1,124戸)
・1896年(明治29)8月26日 函館の「テコ婆火事」(焼失2,280戸)
・1897年(明治30)4月3日 柏崎明治30年の大火「日野屋火事」(焼失1,230戸)
・1897年(明治30)4月22日 八王子大火(死者42名、焼失3,500余戸)
・1898年(明治31)3月23日 東京の本郷大火(死者2名、負傷者42名、焼失1,478戸)
・1898年(明治31)6月4日 直江津(上越市)明治31年の大火「八幡火事」(焼失1,595戸)
・1899年(明治32)8月12日 富山明治32年の大火「熊安焼」(全焼4,697戸、半焼9戸)
・1899年(明治32)8月12日~13日 横浜明治32年の大火(死者14名、全焼3,124、半焼49戸)
・1899年(明治32)9月15日 明治32年函館大火(焼失2,294戸)
・1900年(明治33)4月18日 福井「橋南大火」(死者11名、負傷者131名、全焼1891軒、半焼3軒)
・1900年(明治33)6月27日 高岡明治33年の大火(死者7名、負傷者46名、全焼3,589戸、半焼25戸)
・1902年(明治35)3月30日 福井明治35年「橋北の大火」(焼失3,309戸)
・1903年(明治36)4月13日 福井県武生町明治の大火(死者7名、重傷者2名、全焼1,057戸)
・1904年(明治37)5月8日 小樽明治37年「稲穂町の火事」(焼失2,481戸)
・1906年(明治39)7月11日 直江津町(上越市)明治39年の大火「ながさ火事」(焼失1,041戸)
・1907年(明治40)8月25日 明治40年函館大火(死者8名、負傷者1,000名、焼失12,390戸)
・1908年(明治41)3月8日 新潟明治41年3月の大火(焼失1,198戸)
・1908年(明治41)9月4日 新潟明治41年再度の大火(全焼2,071戸、半焼18戸)
・1909年(明治42)7月31日~8月1日 大阪明治42年「北の大火」(焼失11,365戸)
・1910年(明治43)4月16日 輪島町の大火(全焼1,055軒、半焼15軒)
・1910年(明治43)5月3日~4日 明治43年青森大火(死者26名、負傷者163名、焼失7,519戸、半焼5戸)
・1911年(明治44)4月9日 東京の吉原大火(全焼6,189戸、半焼69戸)
・1911年(明治44)5月8日 山形明治44年「市北の大火」(全焼1,340戸)
・1911年(明治44)5月16日 小樽明治44年の大火(焼失1,251戸)
・1912年(明治45)1月16日 大阪明治45年「南の大火」(死者4名、全焼4,750戸、半焼等29戸)
・1912年(明治45)3月21日 東京の州崎大火(全焼1,149戸、半焼11戸)
・1912年(明治45)4月22日 松本明治「北深志の大火」(死者5名、焼失1,341戸)
・1913年(大正2)5月4日 大正2年函館大火(焼失1,532戸)
・1914年(大正3)2月20日 東京神田大正2年三崎町の大火(全焼2,376戸、半焼54戸)
・1916年(大正5)8月2日 大正5年函館大火(焼失1,763戸)
・1917年(大正6)5月22日 米沢大火(死者11名、焼失3,325棟)
・1919年(大正8)5月19日 米沢大火(死者1名、焼失1,385棟)
・1921年(大正10)4月14日 大正10年函館大火(死者1名、焼失2,141戸)
・1924年(大正13)5月21日 八戸大火(死者4名、被災戸数1,393棟)
・1925年(大正14)3月18日 大正日暮里大火(全半焼約2,100戸)
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
| 1526年(大永6) | 駿河国守護今川氏親が「今川仮名目録」を制定する(新暦5月25日) | 詳細 |
| 1536年(天文5) | 奥州の伊達稙宗が分国法の一つである「塵芥集」を制定する(新暦5月5日) | 詳細 |
| 1602年(慶長7) | 連歌師里村紹巴の命日(新暦6月2日) | 詳細 |
| 1867年(慶応3) | 倒幕派の志士・長州藩士高杉晋作の命日(新暦5月17日) | 詳細 |
| 1921年(大正10) | 「軌道法」(大正10年法律第76号)が公布(施行は1924年1月1日)される | 詳細 |
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