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 今日は、昭和時代中期の1950年(昭和25)に、キジア台風(昭和25年台風第29号)によって、大雨に見舞われ、山口県岩国市の錦川にかかる錦帯橋が流失した日です。
 キジア台風(きじあたいふう)は、昭和25年台風第29号(国際名:Kezia)といい、1950年(昭和25)9月13日に鹿児島県大隅半島に上陸、九州を縦断して日本海を北上し、西日本を中心に被害をもたらしました。西日本一帯は、9月上旬にジェーン台風が猛威を振るって去った後で、加えてこの台風が通過したため、被害がいっそう大きくなります。
 特に、山口、愛媛、大分の各県では期間総雨量350~500mmの大雨となり、九州、四国、中国、近畿など17府県では、暴風雨や高潮による被害が出ました。全国の被害は、死者35人、行方不明者8人、負傷者75人、住家倒壊・流失4,836棟、同浸水121,924棟、田畑の冠水面積518.1haなどとなり、船舶や鉄道、道路等にも及んでいます。
 その中で、270年余景観を誇っていた山口県岩国市の名勝“錦帯橋”が初めて流失、また、広島県佐伯郡厳島町(現在の廿日市市)の厳島神社では、高潮によって社殿が破損しました。

〇錦帯橋(きんたいきょう)とは?

 山口県岩国市の錦川に架橋された木造のアーチ橋で、日本三名橋または、日本三大奇橋の一つとされ、国の名勝に指定されています。江戸時代前期の1673年(延宝元)に、岩国藩主吉川広嘉によって建造されたもので、全長193.3m、幅員5.0mあり、太鼓橋を5つ連ねたような構造でした。
 橋が流されないための工夫だとされていましたが、惜しくも1950(昭和25)9月14日のキジア台風で流失し、3年後に再建されたものです。その後も、何度か修復されて、現在に至っていますが、河原から、仰ぎ見ると、弓なりになった橋が連なり、独特の景観を形作り、錦川をはさんで、遠く山上に岩国城天守閣が望まれて、彩りを添えていました。
 1966年以降は、「入橋料」が徴収されるようになり、掛け替え・管理の財源に充てられています。

〇厳島神社】(いつくしまじんじゃ)とは?

 平安時代の寝殿造りの粋を極めた建築美で知られる日本屈指の名社です。平家一門の権勢最盛期を象徴する国宝建造物で、平家の栄華の一端を見る思いがします。
 有名な、舞楽が始まったのもこの時代からといわれてきました。廻廊で結ばれた朱塗りの社殿は、潮が満ちてくるとあたかも海に浮かんでいるように見えます。
 全国に約500社ある厳島神社の総本社で、1996年(平成8)には、ユネスコの世界遺産(文化遺産)にも登録されました。また、ここに収められている「平家納経」は、平安時代後期の1164年(長寛2)厳島神社に平清盛が奉納した全32巻の経典で、それに清盛の願文を加えた33巻が完在し、1954年(昭和29)に国宝となっています。それらは、宝物館で見ることができます。
 
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

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