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 今日は、大正時代の1926年(大正15)に、明治神宮外苑に絵画館・野球場・相撲場・児童遊園が完成して、外苑完成奉献式が行われた日です。
 明治神宮外苑(めいじじんぐうがいえん)は、東京都新宿区霞ヶ丘町・港区北青山(一部)に所在する緑地です。明治時代は、青山練兵場でしたが、1912年(明治45)に明治天皇が亡くなった時に、葬場殿が設けられ、大葬儀が行われました。その後、明治神宮が国費で造営(内苑)されるにあたって、記念施設として民間の献金により外苑として造成されます。
 1918年(大正7)6月1日に明治神宮外苑地鎮祭で着工されたものの、当初計画では聖徳記念絵画館、葬場殿址記念物、憲法記念館、陸上競技場の4施設のみとするものでした。1923年(大正12)の関東大震災により、造営作業は中断し、敷地を被災者に開放 救護施設を建設、翌年には計画が変更され、野球場、水泳場、相撲場も設けられることになります。
 1924年(大正13)10月25日に、先行して明治神宮競技場が竣功(戦後に国立競技場として建替)、第1回明治神宮競技大会(内務省主催)が開催されました。1926年(大正15)10月22日には、絵画館、野球場、相撲場、児童遊園が完成して、外苑完成奉献式が行われます。
 翌日から野球場開場記念試合として東京六大学紅白試合が行われ、その後は東京六大学リーグ戦の会場となりました。1931年(昭和6)に水泳場、1933年(昭和8)に相撲場併用バスケットボール場設備が出来、1936年(昭和11)には絵画館壁画が完成しています。
 太平洋戦争末期の1945年(昭和20)の東京大空襲の際に、野球場をはじめ、苑内樹木が被災、戦後はGHQによって接収され、メイジパークとして米将兵の運動場ともなりました。1952年(昭和27)にGHQの接収が解除され、米軍施設を引き継ぎ、中央広場は軟式球場として公開されます。
 1952年(昭和27)に「宗教法人法」の施行に伴い明治神宮外苑は宗教法人となりましたが、1956年(昭和31)に1964年の東京オリンピック開催のため、外苑競技場は国(文部省)に譲渡され、国立競技場に建て替えられました。その後、諸施設が設けられ、洋風庭園としても整備され、現在は面積約30万㎡で、聖徳記念絵画館、明治記念館、明治神宮野球場、明治神宮外苑アイススケート場、日本青年館などのスポーツ、文化施設があります。
 絵画館前へ通ずるイチョウ並木は、東京におけるもっとも美しい街路樹の一つとされ、1982年(昭和57)には「新東京百景」にも選定されました。

〇明治神宮外苑の主な施設

・聖徳記念絵画館 - 1926年竣工。明治天皇にまつわる幕末・明治期の政局を描いた絵画を中心に展示されている
・明治記念館 - 明治神宮による結婚式場として有名、大日本帝国憲法の草案を作った建物も残っている
・明治神宮野球場 - 東京ヤクルトスワローズの本拠地、また全日本大学野球選手権大会の舞台
・明治神宮外苑軟式グラウンド - 絵画館の正面にある野球場。
・明治神宮外苑にこにこパーク - 山やログハウスなど緑豊かな有料児童遊園(大人200円、子供50円)
・明治神宮外苑アイススケート場 - 一年中利用できる室内アイススケート場
・神宮外苑フットサルクラブ - 神宮外苑によるフットサルコート
・明治神宮外苑テニスクラブ - 神宮外苑によるテニスクラブ、1957年設立、室内と屋外の2つがある
・明治神宮外苑ゴルフ練習場 - 神宮外苑によるゴルフ練習場
・明治神宮バッティングドーム - 神宮にある全12打席のバッティングセンター
・日本青年館 - 宿泊・会議などもできる施設
・日本文化芸術研究センター - 2010年7月、京都造形芸術大学と東北芸術工科大学が共同で設置したサテライトキャンパス
・三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア - 2019年11月22日に開業した三井ガーデンホテルの1つ

☆明治神宮外苑関係略年表

・1912年(明治45)7月30日 明治天皇が亡くなる
・1912年(大正元)9月13日 旧青山練兵場(現在の明治神宮外苑)葬場殿にて大葬儀が行われる
・1914年(大正3) 明治神宮奉賛会創立準備委員会が結成され、旧青山練兵場を明治天皇を記念する公園施設(外苑)とすることとなる
・1918年(大正7)6月1日 明治神宮外苑地鎮祭で着工されたが、当初の開発計画では聖徳記念絵画館、葬場殿址記念物、憲法記念館、陸上競技場の4施設のみとする
・1919年(大正8) 工夫賃金が上昇して予算がひっ迫すると、全国各地の青年団が勤労奉仕として造営に加わることとなる
・1923年(大正12) 関東大震災により、造営作業は中断し、敷地を被災者に開放 救護施設を建設する
・1924年(大正13) 計画が変更され、野球場・水泳場・相撲場も設けられることになる
・1924年(大正13)10月25日 明治神宮競技場が竣功する(戦後に国立競技場として建替)
・1924年(大正13)10月30日 第1回明治神宮競技大会(内務省主催)が開催される
・1926年(大正15)10月22日 絵画館・野球場・相撲場・児童遊園が完成して、外苑完成奉献式が行われる
・1926年(大正15)10月23日 野球場開場記念試合として東京六大学紅白試合が行われる
・1926年(大正15)10月24日 東京六大学リーグ戦が開始される
・1931年(昭和6)5月9日 野球場改築工事が竣功し、アーケード型通路となる
・1931年(昭和6)6月19日 水泳場が竣功する
・1933年(昭和8)1月19日 相撲場併用バスケットボール場設備が奉献される
・1936年(昭和11)4月21日 絵画館壁画が完成し記念式が行われる
・1943年(昭和18)10月21日 明治神宮競技場で出陣学徒壮行会が挙行される
・1945年(昭和20)5月25日 東京大空襲のため、野球場をはじめ、苑内樹木が被災する
・1945年(昭和20)9月18日 GHQによって接収され、メイジパークとして米将兵の運動場となる
・1945年(昭和20)10月28日 戦後初の六大学野球OB戦が行われる
・1945年(昭和20)11月18日 全早慶戦が行われる
・1945年(昭和20)11月23日 野球場初のプロ野球試合、東西対抗戦が行われる
・1947年(昭和22)6月1日 大相撲夏場所が晴天の10日間開催される(国技館米国接収につき)
・1947年(昭和22)11月1日 憲法記念館を「明治記念館」として結婚式場を開館する
・1950年(昭和25)11月22日 プロ野球初の日本選手権試合、毎日対松竹が行われる
・1952年(昭和27)3月1日 新宿区より絵画館が「建造物の部」で文化財に指定される
・1952年(昭和27)3月31日 GHQの接収が解除され、米軍施設を引き継ぎ、中央広場を軟式球場として公開(当初2面)する
・1952年(昭和27)10月22日 「宗教法人法」の施行に伴い明治神宮外苑は宗教法人となる
・1953年(昭和28)2月3日 ゴルフ練習場が開場する(29.12.31まで野球場外野スタンド)
・1956年(昭和31)12月25日 外苑競技場を国(文部省)に譲渡、国立競技場となる(東京オリンピック開催のため)
・1957年(昭和32)4月1日 硬式テニスコート開場式が行われ、テニスクラブが発会する
・1959年(昭和34)6月21日 絵画館前角池を子供プールに使用する(かっぱ天国 36年まで)
・1960年(昭和35)3月25日 児童遊園が有料化され、こども電車が営業開始する(40年まで)
・1961年(昭和36)4月19日 第二球場が竣功する(相撲場跡地)
・1962年(昭和37)4月7日 神宮球場でのプロ野球公式戦使用を開始する(東映)
・1962年(昭和37)6月8日 野球場ナイター照明工事が竣功する
・1963年(昭和38)11月6日 水泳場新館増改築工事が竣功する(家族プール兼アイススケート場)
・1963年(昭和38)11月7日 アイススケート場が営業開始する
・1964年(昭和39)4月1日 神宮球場を国鉄球団(現在の東京ヤクルトスワローズ)の本拠地として使用開始する
・1964年(昭和39)7月23日 国旗掲揚塔が奉納される
・1964年(昭和39)10月10日 東京オリンピックが開会する
・1968年(昭和43)4月1日 絵画館学園が開校する(明治維新100年事業として)
・1968年(昭和43)8月3日 外苑円周道路においてサイクリングが開始される(日・祝日のみ使用 現在も実施中)
・1969年(昭和44)2月11日 「建国記念塔」が奉納される
・1970年(昭和45)11月6日 第一回明治神宮野球大会が開催される
・1971年(昭和46)5月25日 室内球技場が竣功する
・1972年(昭和47)8月13日 ゴルフ練習場が営業開始する
・1976年(昭和51)10月29日 野球場竣功50周年物故者慰霊祭が行われる
・1977年(昭和52)4月16日 打撃練習場が竣功する
・1978年(昭和53)1月10日 陶芸教室が竣功する
・1978年(昭和53)3月30日 野球場外野芝生席が改修される(椅子席となる)
・1978年(昭和53)10月10日 児童遊園内にトリム遊具が設置される
・1980年(昭和55)3月15日 電光式スコアボードが新設される(野球場)
・1980年(昭和55)8月1日 第一回神宮外苑花火大会が開催される(以降毎年実施)
・1982年(昭和57)3月17日 野球場透水性人工芝生敷設工事が竣功する
・1982年(昭和57)7月29日 キリンビアフェスタが開催される(児童遊園)以降「森のビアガーデン」として毎夏盛況を博す
・1982年(昭和57)10月1日 外苑フィギュア・スケートクラブが発会する
・1982年(昭和57)10月1日 「新東京百景」に選定される
・1990年(平成2)10月22日 聖徳記念絵画館夜間照明が竣功する
・1991年(平成3)3月8日 世界陸上が開催される(軟式球場サブトラックとして使用)
・1993年(平成5)3月27日 室内テニスコートが竣功する
・1994年(平成6)9月21日 アイススケート場通年営業開始
・1996年(平成8)12月26日 銀杏並木「新日本街路樹100景」に認定
・1997年(平成9)3月18日 フットサルコート竣功(軟式球場・水泳場)
・1997年(平成9)11月22日 第一回神宮外苑いちょう祭りが開催される(以降毎年実施)
・2002年(平成14)12月2日 明治神宮水泳場が閉場する
・2003年(平成15)4月25日 フットサル千駄ヶ谷コートが竣功する
・2003年(平成15)6月2日 絵画館が東京都選定歴史的建造物に指定される
・2006年(平成18) 社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会関東支部は、「2016東京オリンピック招致に向けたランドスケープ提言」をまとめる
・2006年(平成18)11月4日 外苑創建八十年記念奉納試合が開催される(東京六大学選抜対東京ヤクルトスワローズ)
・2008年(平成20)3月6日 野球場リニューアル工事が竣功、人工芝全面張替、スコアボード全面LEDハイビジョン化、両翼拡張(91m→101m)される
・2015年(平成27)4月1日  都は指定の容積率を使い切っていない公園や緑地も多いため、神宮外苑地区の地権者と、街づくり(再整備)の検討に向けた基本覚書を交わす
・2018年(平成30)8月23日 都は新国立競技場を中心とした明治神宮外苑地区の再開発について、2020年以降の街づくり指針を有識者らが協議する検討委員会(座長・下村影男東京大学教授)は、大まかな将来像を示めす
・2018年(平成30)11月22日 上記を受けて都がまちづくり指針を発表する

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

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