今日は、昭和時代前期の1945年（昭和22）に、国鉄八高線多摩川鉄橋（現在の昭島市）で正面衝突事故（八高線列車正面衝突事故）が起き、死者105人、負傷者約150人を出した日です。
　八高線列車正面衝突事故（はちこうせんれっしゃしょうめんしょうとつじこ）は、当時の日本国有鉄道（国鉄）八高線東小宮駅～拝島駅間の多摩川鉄橋で発生した列車正面衝突事故でした。この日、終戦9日目という混乱に加え、早朝より激しい風雨の中で、閉塞装置や鉄道電話が不能に陥っている中で、代用閉塞式での運行が行われます。
　ところが、人為的なミスにより、上り八王子行きの6列車（8850形8869号機牽引、客車5両編成）と下り高崎行きの3列車（8850形8853号機牽引、客車5両編成）が、午前7時40分頃に多摩川鉄橋上で正面衝突し、客車が川に転落する事態となりました。この時客車は、通勤通学者に加え、復員兵や疎開先からの帰宅者らで満員となっていましたが、その多くが衝突によって放り出され、多摩川の濁流に流され、105人（乗客99人・職員6人）が死亡し、約150人が負傷するという大惨事となります。
　その後、2001年（平成13）に当時の車両の車輪が川の中州から引き上げられ、2004年（平成16）に河原のくじら運動公園脇に設置されました。尚、八高線では、1年半後の1947年（昭和22）2月25日にも、東飯能駅～高麗川駅間で列車の脱線転覆事故も発生し、死者184人、負傷者495人を出すという戦後最悪の列車事故も起きています。

〇太平洋戦争後の列車大事故（死者100人以上）

・1945年（昭和20）8月24日　八高線列車正面衝突事故（死者105人・負傷者約150人）
・1947年（昭和22）2月25日　八高線列車脱線転覆事故（死者184人･負傷者495人）
・1951年（昭和26）4月24日　桜木町電車火災事故（死者106人･負傷者92人）
・1962年（昭和37）5月3日　三河島三重衝突事故（死者160人･負傷者296人）
・1963年（昭和38）11月9日　鶴見三重衝突事故（死者161人･負傷者120人）
・2005年（平成17）4月25日　宝塚線（福知山線）脱線転覆事故（死者107人･負傷者562人）

〇同じ日の過去の出来事（以前にブログで紹介した記事）