ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

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 今日は、幕末明治維新期の1868年(慶応4)に、上野・寛永寺に立て籠った彰義隊が新政府軍の総攻撃(上野戦争)により敗走し、新政府が江戸を掌握した日ですが、新暦では7月4日となります。
 上野戦争(うえのせんそう)は、戊辰戦争の戦闘の一つで、幕末明治維新期の1868年(慶応4年5月15日)に、江戸城無血開城を不満として江戸・上野の寛永寺(現在の東京・上野公園)に立て籠って抵抗する彰義隊を新政府軍が壊滅させた戦いです。1868年(慶応4年2月)に徳川慶喜の護衛を名目に旧幕臣を中心に彰義隊が結成され、4月の江戸開城後は、しばしば新政府軍と衝突、慶喜の水戸退去後も解隊勧告に従わず輪王寺宮をたてて抵抗しました。
 寛永寺に集結した旧幕府側の彰義隊などの抵抗勢力に対し、西郷隆盛らの薩摩藩兵のほか、長州藩兵などの新政府軍が攻撃し、本郷から佐賀藩が砲撃、1日で決着がつき、新政府軍の勝利となります。彰義隊は壊滅しますが、一部は輪王寺宮と共に、奥羽地方に逃れ、関東地方での新政府の支配権が確立しました。

〇彰義隊(しょうぎたい)とは?

 幕末明治維新期の1868年(慶応4年2月23日)に結成された、佐幕派の部隊です。戊辰戦争の鳥羽・伏見の戦いに敗れた徳川慶喜は、新政府に対する恭順の意を表し、上野寛永寺に蟄居しました。
 しかし、これに反対し、東征軍 (官軍) に対する徹底抗戦を唱える旧幕臣の渋沢成一郎(頭取)、天野八郎(副頭取)らが彰義隊を結成、その勢力は3,000人に達し、浅草本願寺を屯所とします。徳川家がこれを認め、江戸市中警衛を任されると、慶喜護衛を名目に上野寛永寺に移転しました。
 同年4月11日に江戸城が無血開城し、徳川慶喜が水戸へと退去しても、そのまま抵抗を続けるものが多く、5月15日に東征軍 (官軍) の大村益次郎指揮の部隊と戦い(上野戦争)ます。しかし、敗北して部隊としては壊滅しますが、一部は奥州に逃れて、奥羽越列藩同盟の諸藩と共に、東征軍 (官軍) との戦いを続けました。

〇戊辰戦争(ぼしんせんそう)とは?

 幕末明治維新期の1868年(慶応4/明治元)から1869年( 明治2)にかけて、明治政府を樹立した薩摩藩・長州藩らを中心とした新政府軍と、旧幕府勢力および奥羽越列藩同盟が戦った内戦で、鳥羽伏見の戦いから始まり、各地で戦乱が起きましたが、越後と東北、北海道で激戦となりました。名称は、慶応4年/明治元年の干支が戊辰であることに由来しています。これにより、明治政府が国内を掌握し、明治維新の改革が進められることになります。

☆戊辰戦争関係略年表

<1868年(慶応4/明治元)>

・1月3日 「鳥羽伏見の戦い」で「戊辰戦争」が始まる 
・1月6日 徳川慶喜が大坂城を脱出し、海路で江戸へ逃れる 
・2月12日 徳川慶喜は、上野寛永寺に入って謹慎し、恭順を示す
・3月14日 西郷隆盛と勝海舟の会談が行われ、江戸での戦闘が回避される
・4月11日 江戸開城が無血で行われる
・閏4月11日 奥羽諸藩による白石列藩会議が始まる
・5月3日 奥羽25藩が「奥羽列藩同盟」を結成する
・5月6日 長岡藩など北越6藩が新たに加わり「奥羽越列藩同盟」となる 
・5月15日 上野山にいる彰義隊を新政府軍が一日で破る(上野戦争)
・7月14日 白河口の戦いで、新政府軍が勝利する
・7月29日 奥州の二本松城、越後の長岡城が陥落する
・8月23日 新政府軍が会津藩若松城下に侵攻し、会津側は若松城で籠城戦を開始する
・9月8日 明治に改元される
・9月9日 米沢藩が新政府軍に寝返える
・9月10日 仙台藩が降伏する
・9月22日 会津藩が降伏し、「会津戦争」が終わる
・10月26日 榎本武揚軍が箱館を占領する
・11月15日 暴風雨のため榎本武揚軍の旗艦開陽丸が沈没する

<1869年(明治2)>

・3月9日 箱館の榎本武揚軍追討のため、新政府軍艦隊が江戸湾を出発する
・5月11日 箱館総攻撃が始まる
・5月18日 五稜郭が陥落し、旧幕府軍が降伏して「箱館戦争」が終結し、「戊辰戦争」が終わる

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1333年(元弘3)幕府方の北条泰家軍と反幕府方の新田義貞軍とで、分倍河原の戦いが始まる(新暦6月27日)詳細
1615年(慶長20)武将・安土桃山時代の大名長宗我部盛親が斬首される(新暦6月11日)詳細
1884年(明治17)群馬県陣場ヶ原に農民と自由党員が集結、警察分署と高利貸しを襲撃したが挫折する(群馬事件)詳細
1889年(明治22)大槻文彦が編纂した日本初の近代的国語辞典『言海』第一冊が発刊される詳細
1891年(明治25)建築家村野藤吾の誕生日詳細
1912年(明治45)長塚節著の『土』が春陽堂から刊行される詳細
1932年(昭和7)五・一五事件が起こり、犬養首相が暗殺される詳細
1972年(昭和47) 「沖縄返還協定」が発効する(沖縄復帰記念日)詳細
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 今日は、平成時代の1997年(平成9)に、「アイヌ文化振興法」が公布(施行は同年7月1日)された日です。
 「アイヌ文化振興法」(あいぬぶんかしんこうほう)は、1997年(平成9)5月14日に公布(施行は同年7月1日)された、アイヌの伝統や文化を尊重し、アイヌの人々が民族としての誇りをもって生活できる社会、またすべての国民が共生する社会の実現を図ることを目的とする法律(平成9年第52号)ですが、正式名称は、「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」と言います。これは、アイヌを日本の法律の上で初めて民族として認めたもので、アイヌの伝統的な文化を国と地方公共団体が保証し,振興していくものでした。
 しかし、土地や資源に対する先住民族の権利は明記されず、生活・教育の支援策も含まれていないなど、課題も指摘されています。この法律の施行に伴って、1899年(明治32)に制定された「北海道旧土人保護法」(明治32年法律第27号)および、1934年(昭和9)に制定された「旭川市旧土人保護地処分法」(昭和9年法律第9号)は廃止されました。
 その後、この法律は「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(平成31年法律第16号)により、2019年(令和元年)5月24日に廃止されています。
 以下に、「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(アイヌ文化振興法)」を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」(平成9年第52号)

(目的)
第一条
この法律は、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化(以下「アイヌの伝統等」という。)が置かれている状況にかんがみ、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する国民に対する知識の普及及び啓発(以下「アイヌ文化の振興等」という。)を図るための施策を推進することにより、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り、あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条
この法律において「アイヌ文化」とは、アイヌ語並びにアイヌにおいて継承されてきた音楽、舞踊、工芸その他の文化的所産及びこれらから発展した文化的所産をいう。

(国及び地方公共団体の責務)
第三条
国は、アイヌ文化を継承する者の育成、アイヌの伝統等に関する広報活動の充実、アイヌ文化の振興等に資する調査研究の推進その他アイヌ文化の振興等を図るための施策を推進するよう努めるとともに、地方公共団体が実施するアイヌ文化の振興等を図るための施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
2 地方公共団体は、当該区域の社会的条件に応じ、アイヌ文化の振興等を図るための施策の実施に努めなければならない。

(施策における配慮)
第四条
国及び地方公共団体は、アイヌ文化の振興等を図るための施策を実施するに当たっては、アイヌの人々の自発的意思及び民族としての誇りを尊重するよう配慮するものとする。

(基本方針)
第五条
国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文化の振興等を図るための施策に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次の事項について定めるものとする。
 一 アイヌ文化の振興等に関する基本的な事項
 二 アイヌ文化の振興を図るための施策に関する事項
 三 アイヌの伝統等に関する国民に対する知識の普及及び啓発を図るための施策に関する事項
 四 アイヌ文化の振興等に資する調査研究に関する事項
 五 アイヌ文化の振興等を図るための施策の実施に際し配慮すべき重要事項
3 国土交通大臣及び文部科学大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、次条第一項に規定する関係都道府県の意見を聴かなければならない。
4 国土交通大臣及び文部科学大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、次条第一項に規定する関係都道府県に送付しなければならない。

(基本計画)
第六条
その区域内の社会的条件に照らしてアイヌ文化の振興等を図るための施策を総合的に実施することが相当であると認められる政令で定める都道府県(以下「関係都道府県」という。)は、基本方針に即して、関係都道府県におけるアイヌ文化の振興等を図るための施策に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。
2 基本計画においては、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 アイヌ文化の振興等に関する基本的な方針
 二 アイヌ文化の振興を図るための施策の実施内容に関する事項
 三 アイヌの伝統等に関する住民に対する知識の普及及び啓発を図るための施策の実施内容に関する事項
 四 その他アイヌ文化の振興等を図るための施策の実施に際し配慮すべき重要事項
3 関係都道府県は、基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを国土交通大臣及び文部科学大臣に提出するとともに、公表しなければならない。
4 国土交通大臣及び文部科学大臣は、基本計画の作成及び円滑な実施の促進のため、関係都道府県に対し必要な助言、勧告及び情報の提供を行うよう努めなければならない。

(指定等)
第七条
国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文化の振興等を目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一に限り、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
2 国土交通大臣及び文部科学大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者(以下「指定法人」という。)の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 指定法人は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣及び文部科学大臣に届け出なければならない。
4 国土交通大臣及び文部科学大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

(業務)
第八条
指定法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
 一 アイヌ文化を継承する者の育成その他のアイヌ文化の振興に関する業務を行うこと。
 二 アイヌの伝統等に関する広報活動その他の普及啓発を行うこと。
 三 アイヌ文化の振興等に資する調査研究を行うこと。
 四 アイヌ文化の振興、アイヌの伝統等に関する普及啓発又はアイヌ文化の振興等に資する調査研究を行う者に対して、助言、助成その他の援助を行うこと。
 五 前各号に掲げるもののほか、アイヌ文化の振興等を図るために必要な業務を行うこと。

(事業計画等)
第九条
指定法人は、毎事業年度、国土交通省令・文部科学省令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、国土交通大臣及び文部科学大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の事業計画書は、基本方針の内容に即して定めなければならない。
3 指定法人は、国土交通省令・文部科学省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書及び収支決算書を作成し、国土交通大臣及び文部科学大臣に提出しなければならない。

(報告の徴収及び立入検査)
第十条
国土交通大臣及び文部科学大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定法人に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定法人の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(改善命令)
第十一条
国土交通大臣及び文部科学大臣は、指定法人の第八条に規定する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、指定法人に対し、その改善に必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(指定の取消し等)
第十二条
国土交通大臣及び文部科学大臣は、指定法人が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
2 国土交通大臣及び文部科学大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

(罰則)
第十三条
第十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して同項の刑を科する。

附則抄

(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(北海道旧土人保護法等の廃止)
第二条
次に掲げる法律は、廃止する。
 一 北海道旧土人保護法(明治三十二年法律第二十七号)
 二 旭川市旧土人保護地処分法(昭和九年法律第九号)

(北海道旧土人保護法の廃止に伴う経過措置)
第三条
北海道知事は、この法律の施行の際現に前条の規定による廃止前の北海道旧土人保護法(次項において「旧保護法」という。)第十条第一項の規定により管理する北海道旧土人共有財産(以下「共有財産」という。)が、次項から第四項までの規定の定めるところにより共有者に返還され、又は第五項の規定により指定法人若しくは北海道に帰属するまでの間、これを管理するものとする。
2 北海道知事は、共有財産を共有者に返還するため、旧保護法第十条第三項の規定により指定された共有財産ごとに、厚生労働省令で定める事項を官報で公告しなければならない。
3 共有財産の共有者は、前項の規定による公告の日から起算して一年以内に、北海道知事に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該共有財産の返還を請求することができる。
4 北海道知事は、前項に規定する期間の満了後でなければ、共有財産をその共有者に対し、返還してはならない。ただし、当該期間の満了前であっても、当該共有財産の共有者のすべてが同項の規定による請求をした場合には、この限りでない。
5 第三項に規定する期間内に共有財産の共有者が同項の規定による請求をしなかったときは、当該共有財産は、指定法人(同項に規定する期間が満了した時に、第七条第一項の規定による指定がされていない場合にあっては、北海道)に帰属する。
6 前項の規定により共有財産が指定法人に帰属したときは、その法人は、当該帰属した財産をアイヌ文化の振興等のための業務に要する費用に充てるものとする。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)抄

(施行期日)
第一条
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

附則(平成一八年六月二日法律第五〇号)
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。

附則(平成二三年六月二四日法律第七四号)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

   「ウィキソース」より

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1221年(承久3)鎌倉幕府倒幕の為、後鳥羽上皇が近隣諸国の武士を結集、承久の乱が始まる(新暦6月5日)詳細
1227年(安貞元)鎌倉幕府第5代執権北条時頼の誕生日(新暦6月29日)詳細
1839年(天保10)蛮社の獄で、渡辺崋山、高野長英らが処罰される詳細
1871年(明治4)神道を国家の宗祀と定める「神社の世襲神職を廃し精選補任の件」が布告される(新暦7月1日)詳細
1888年(明治21)大和田建樹と奥好義によって、『明治唱歌 第一集』が発行される詳細
1927年(昭和2)「東京日日新聞」「大阪毎日新聞」で、大佛次郎著の小説『赤穂浪士』の連載が開始される詳細
1938年(昭和13)東京市が「東京市町会規約準則」を出して、隣組の整備方式を打ち出す 詳細
1945年(昭和20)名古屋大空襲で名古屋城が焼失する詳細
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 今日は、昭和時代後期の1983年(昭和58)に、サラ金規制の為の「貸金業の規制等に関する法律(現在の貸金業法)」が公布(施行は同年11月1日)された日です。
 「貸金業法」(かしきんぎょうほう)は、1983年(昭和58)5月13日公布(施行は11月1日)された、貸金業を規制するための法律(昭和58年法律32号)です。「貸金業を営む者について登録制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うとともに、貸金業者の組織する団体の適正な活動を促進することにより、その業務の適正な運営を確保し、もつて資金需要者等の利益の保護を図ること」(第1条)を目的とし、貸金業を届出制から登録制に変更、貸金業の適正な運営と貸金需用者の利益の保護するために制定され、当初は、「貸金業の規制等に関する法律(通称:貸金業規制法)」という名称でした。
 しかし、利息制限法の上限(年15~20%)と出資法の上限(年29.2%)の間の金利(グレーゾーン金利)による個人向け無担保貸付けに関する過払い金返還訴訟で、2006年(平成18)1月に最高裁判所が、貸金業者に返還を命じる判決を出したことを受けて、2007年(平成19)に改正され、同年12月19日より、正式名称が「貸金業法」となりました。これによって、2009年末をめどにグレーゾーン金利を廃止して、金利を年15~20%に引き下げ、違反は刑事罰の対象とし、借り手の返済能力を超える〈借りすぎ〉を防止し、多重債務者を出さないために,年収の3分の1を超える貸付けを原則禁止とし、貸金業者には信用情報機関への登録を義務づけ、純資産額の登録条件は5000万円以上に引き上げるなどの内容を含むものになります。
 以下に、制定当初の「貸金業の規制等に関する法律」(昭和58年法律32号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「貸金業の規制等に関する法律」(昭和58年法律32号)1983年(昭和58)5月13日公布、同年11月1日施行

   第一章 総則

 (目的)
第一条 この法律は、貸金業を営む者について登録制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うとともに、貸金業者の組織する団体の適正な活動を促進することにより、その業務の適正な運営を確保し、もつて資金需要者等の利益の保護を図ることを目的とする。

 (定義)
第二条 この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
 一 国又は地方公共団体が行うもの
 二 貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの
 三 物品の売買、運送、保管又は売買の媒介を業とする者がその取引に付随して行うもの
 四 事業者がその従業者に対して行うもの
 五 前各号に掲げるもののほか、資金需要者等の利益を損なうおそれがないと認められる貸付けを行う者で政令で定めるものが行うもの
2 この法律において「貸金業者」とは、次条第一項の登録を受けて貸金業を営む者をいう。
3 この法律において「貸付けの契約」とは、貸付けに係る契約又は当該契約に係る保証契約をいう。

   第二章 登録

 (登録)
第三条 貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては大蔵大臣の、一つの都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 前項の登録は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
3 第一項の登録のうち大蔵大臣の登録を受けようとする者は、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の定めるところにより登録免許税を、同項の登録のうち都道府県知事の登録を受けようとする者及び前項の登録の更新を受けようとする者は、政令の定めるところにより手数料を、それぞれ納めなければならない。

 (登録の申請)
第四条 前条第一項の登録を受けようとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては大蔵大臣に、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事に、次の各号に掲げる事項を記載した登録申請書を提出しなければならない。
 一 商号、名称又は氏名及び住所
 二 法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この章及び第三十八条において同じ。)である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者をいい、いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し、これらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者として大蔵省令で定めるものを含む。以下同じ。)の氏名及び住所並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
 三 個人である場合において、政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
 四 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
 五 営業所又は事務所の名称及び所在地
 六 業務の種類及び方法
 七 他に事業を行つているときは、その事業の種類
2 前項の申請書には、第六条第一項各号に該当しないことを誓約する書面その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 (登録の実施)
第五条 大蔵大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次の各号に掲げる事項を貸金業者登録簿に登録しなければならない。
 一 前条第一項各号に掲げる事項
 二 登録年月日及び登録番号
2 大蔵大臣又は都道府県知事は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (登録の拒否)
第六条 大蔵大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の登録を受けようとする者が次の各号の一に該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 一 禁治産者又は準禁治産者
 二 破産者で復権を得ないもの
 三 第三十七条第一項又は第三十八条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)
 四 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しない者
 五 この法律、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)若しくは旧貸金業者の自主規制の助長に関する法律(昭和四十七年法律第百二号)の規定に違反し、又は貸付けの契約の締結若しくは当該契約に基づく債権の取立てに当たり、物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第十二条の規定に違反し、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しない者
 六 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号の一に該当するもの
 七 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までの一に該当する者であるもの
 八 個人で政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までの一に該当する者のあるもの
2 大蔵大臣又は都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (登録換えの場合における従前の登録の効力)
第七条 貸金業者が第三条第一項の登録を受けた後、次の各号の一に該当して引き続き貸金業を営もうとする場合において、同項の規定により大蔵大臣又は都道府県知事の登録を受けたときは、その者に係る従前の大蔵大臣又は都道府県知事の登録は、その効力を失う。
 一 大蔵大臣の登録を受けた者が一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を有することとなつたとき。
 二 都道府県知事の登録を受けた者が当該都道府県の区域内における営業所又は事務所を廃止して、他の一の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置することとなつたとき。
 三 都道府県知事の登録を受けた者が二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を有することとなつたとき。

 (変更の届出)
第八条 貸金業者は、第四条第一項各号(第五号を除く。)に掲げる事項に変更があつたときは、その日から二週間以内に、同項第五号に掲げる事項を変更しようとするとき(前条各号の一に該当することとなる場合を除く)は、あらかじめ、その旨をその登録をした大蔵大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
2 大蔵大臣又は都道府県知事は、前項の規定による届出を受理したときは、当該届出に係る事項が第六条第一項第六号から第八号までの一に該当する場合を除き、届出があつた事項を貸金業者登録簿に登録しなければならない。
3 第四条第二項の規定は、第一項の規定による届出について準用する。

 (貸金業者登録簿の閲覧)
第九条 大蔵大臣又は都道府県知事は、貸金業者登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。

 (廃業等の届出)
第十条 貸金業者が次の各号の一に該当することとなつた場合においては、当該各号に掲げる者は、その日(第一号の場合にあつては、その事実を知つた日)から三十日以内に、その旨をその登録をした大蔵大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
 一 貸金業者が死亡した場合 その相続人
 二 法人が合併(人格のない社団又は財団にあつては、合併に相当する行為。第四号において同じ。)により消滅した場合 その法人を代表する役員であつた者
 三 貸金業者が破産した場合 その破産管財人
 四 法人が合併及び破産以外の理由により解散(人格のない社団又は財団にあつては、解散に相当する行為)をした場合 その清算人(人格のない社団又は財団にあつては、その代表者又は管理人であつた者)
 五 貸金業を廃止した場合 貸金業者であつた個人又は貸金業者であつた法人を代表する役員
2 貸金業者が前項各号の一に該当するに至つたときは、第三条第一項の登録は、その効力を失う。
3 貸金業者が死亡した場合においては、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)は、被相続人の死亡後六十日間(当該期間内に第六条第一項の規定による登録の拒否の処分があつたときは、その日までの間)は、引き続き貸金業を営むことができる。相続人がその期間内に第三条第一項の登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。この場合において、これらの期間内の営業については、相続人を貸金業者とみなす。

 (無登録営業等の禁止)
第十一条 第三条第一項の登録を受けない者は、貸金業を営んではならない。
2 貸金業者は、貸金業者登録簿に登録された営業所又は事務所以外の営業所又は事務所を設置して貸金業を営んではならない。

 (名義貸しの禁止)
第十二条 貸金業者は、自己の名義をもつて、他人に貸金業を営ませてはならない。

   第三章 業務

 (過剰貸付け等の禁止)
第十三条 貸金業者は、資金需要者である顧客又は保証人となろうとする者の資力又は信用、借入れの状況、返済計画等について調査し、その者の返済能力を超えると認められる貸付けの契約を締結してはならない。

 (貸付条件の掲示)
第十四条 貸金業者は、大蔵省令で定めるところにより、営業所又は事務所ごとに、顧客の見やすい場所に、次の各号に掲げる事項を掲示しなければならない。
 一 貸付けの利率
 二 返済の方式
 三 返済期間及び返済回数
 四 前三号に掲げるもののほか、大蔵省令で定める事項

 (貸付条件の広告)
第十五条 貸金業者は、貸付けの条件について広告をするときは、大蔵省令で定めるところにより、貸付けの利率その他大蔵省令で定める事項を表示しなければならない。

 (誇大広告の禁止)
第十六条 貸金業者は、その業務に関して広告をするときは、貸付けの利率その他の貸付けの条件について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

 (書面の交付)
第十七条 貸金業者は、貸付けに係る契約を締結したときは、遅滞なく、大蔵省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項についてその契約の内容を明らかにする書面をその相手方に交付しなければならない。
 一 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所
 二 契約年月日
 三 貸付けの金額
 四 貸付けの利率
 五 返済の方式
 六 返済期間及び返済回数
 七 賠償額の予定(違約金を含む。以下同じ。)に関する定めがあるときは、その内容
 八 前各号に掲げるもののほか、大蔵省令で定める事項
2 貸金業者は、貸付けに係る契約について保証契約を締結したときは、遅滞なく、大蔵省令で定めるところにより、前項各号に掲げる事項を記載した書面及び当該保証契約の内容を明らかにする事項で大蔵省令で定めるものを記載した書面を当該保証人に交付しなければならない。

 (受取証書の交付)
第十八条 貸金業者は、貸付けの契約に基づく債権の全部又は一部について弁済を受けたときは、その都度、直ちに、大蔵省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した書面を当該弁済をした者に交付しなければならない。
 一 貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所
 二 契約年月日
 三 貸付けの金額(保証契約にあつては、保証に係る貸付けの金額。次条及び第二十条において同じ。)
 四 受領金額及びその利息、賠償額の予定に基づく賠償金又は元本への充当額
 五 受領年月日
 六 前各号に掲げるもののほか、大蔵省令で定める事項
2 前項の規定は、預金又は貯金の口座に対する払込みその他大蔵省令で定める方法により弁済を受ける場合にあつては、当該弁済をした者の請求があつた場合に限り、適用する。

 (帳簿の備付け)
第十九条 貸金業者は、大蔵省令で定めるところにより、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、債務者ごとに貸付けの契約について契約年月日、貸付けの金額、受領金額その他大蔵省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (白紙委任状の取得の制限)
第二十条 貸金業者は、貸付けの契約について、債務者又は保証人から、これらの者が当該貸付けの契約に基づく債務の不履行の場合に直ちに強制執行を受けるべきことを記載した公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任することを証する書面(以下「委任状」という。)を取得する場合においては、当該貸付けの契約における貸付けの金額、貸付けの利率その他大蔵省令で定める事項を記載していない委任状を取得してはならない。

 (取立て行為の規制)
第二十一条 貸金業者又は貸金業者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。
2 貸金業者又は貸金業者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たり、相手方の請求があつたときは、貸金業者の商号、名称又は氏名及びその取立てを行う者の氏名その他大蔵省令で定める事項を、その相手方に明らかにしなければならない。

 (債権証書の返還)
第二十二条 貸金業者は、貸付けの契約に基づく債権についてその全部の弁済を受けた場合において当該債権の証書を有するときは、遅滞なく、これをその弁済をした者に返還しなければならない。

 (標識の掲示)
第二十三条 貸金業者は、営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、大蔵省令で定める様式の標識を掲示しなければならない。

 (債権譲渡等の規制)
第二十四条 貸金業者は、貸付けに係る契約に基づく債権を他人に譲渡するに当たつては、その者に対し、当該債権が貸金業者の貸付けに係る契約に基づいて発生したことその他大蔵省令で定める事項並びにその者が当該債権に係る貸付けの契約に基づく債権に関してする行為について第十七条、第十八条、第二十条から第二十二条まで、第四十二条及びこの項の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用がある旨を、大蔵省令で定める方法により、通知しなければならない。
2 第十七条、第十八条、第二十条から第二十二条まで、第四十二条及び前項の規定は、貸金業者の貸付けに係る契約に基づく債権の譲渡があつた場合における当該債権を譲り受けた者について準用する。この場合において、第十七条、第十八条第一項、第二十条、第二十二条及び前項中「貸金業者は」とあるのは「貸金業者の貸付けに係る契約に基づく債権を譲り受けた者は」と、第十七条第一項中「貸付けに係る契約を締結したとき」とあるのは「当該債権を譲り受けたとき」と、「その契約」とあるのは「当該譲り受けた債権」と、「その相手方」とあるのは「当該譲り受けた債権に係る債務者」と、同項第一号中「貸金業者」とあるのは「債権を譲り受けた者及び当該債権に係る貸付けに係る契約を締結した貸金業者」と、同項第二号中「契約年月日」とあるのは「債権の譲受年月日及び当該債権に係る貸付けに係る契約の契約年月日」と、同項第三号中「金額」とあるのは「金額及び譲り受けた債権の額」と、同条第二項中「貸付けに係る契約」とあるのは「当該譲り受けた債権」と、「保証契約を締結したとき」とあるのは「保証契約が締結されているとき又は新たに保証契約を締結したとき」と、「前項各号」とあるのは「第二十四条第二項の規定により読み替えられた前項各号」と、第十八条第一項中「貸付けの契約」とあるのは「当該譲り受けた債権に係る貸付けの契約」と、同項第一号中「貸金業者」とあるのは「債権を譲り受けた者及び当該債権に係る貸付けの契約を締結した者」と、同項第二号中「契約年月日」とあるのは「債権の譲受年月日及び当該債権に係る貸付けの契約の契約年月日」と、「貸付けの金額(」とあるのは「貸付けの金額及び譲り受けた債権の額(」と、「貸付けの金額。」とあるのは「貸付けの金額又は譲り受けた債権の額。」と、第二十条中「貸付けの契約について」とあるのは「当該譲り受けた債権に係る貸付けの契約について」と、第二十一条中「貸金業者又は貸金業者の」とあるのは「貸金業者の貸付けに係る契約に基づく債権を譲り受けた者又は当該譲り受けた債権に係る」と、「貸金業者その他の者」とあるのは「当該債権を譲り受けた者その他の者」と、「、貸付けの契約」とあるのは「、当該譲り受けた債権に係る貸付けの契約」と、同条第二項中「貸金業者の商号」とあるのは「当該債権を譲り受けた者の商号」と、第二十二条中「貸付けの契約」とあるのは「当該譲り受けた債権に係る貸付けの契約」と、第四十二条第一項中「当該都道府県の区域内において貸金業を営む者」とあるのは「貸金業者の貸付けに係る契約に基づく債権を譲り受けた者で当該都道府県の区域内に営業所又は事務所(営業所又は事務所を有しない者にあつては、住所又は居所)を有するもの」と、前項中「貸付けに係る契約に基づく債権」とあるのは「当該譲り受けた債権」と読み替えるものとする。
3 貸金業者は、貸付けの契約に基づく債権の譲渡又は取立ての委託(以下「債権譲渡等」という。)をしようとする場合において、その相手方が貸付けの契約に基づく債権の取立てに当たり第二十一条第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定に違反し、若しくは刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯すおそれが明らかである者(以下「取立て制限者」という。)であることを知り、若しくは知ることができるとき、又は当該債権譲渡等の後取立て制限者が当該債権の債権譲渡等を受けることを知り、若しくは知ることができるときは、当該債権譲渡等をしてはならない。

   第四章 貸金業協会及び全国貸金業協会連合会

 (貸金業協会)
第二十五条 貸金業者は、都道府県の区域ごとに、その区域内に営業所又は事務所を有する貸金業者を会員とし、貸金業協会と称する民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定による法人を設立することができる。
2 貸金業協会(以下「協会」という。)は、都道府県ごとに一個とする。
3 協会は、貸金業の適正な運営及び不正金融の防止に資することを目的とし、次の各号に掲げる業務を行う。
 一 貸金業を営むに当たり、この法律、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律その他の法令の規定を遵守させるための会員に対する指導、勧告その他の業務
 二 会員の営む貸金業に関し、契約の内容の適正化その他資金需要者等の利益の保護を図るため必要な調査、指導、勧告その他の業務
 三 会員の営む貸金業の業務に対する債務者等からの苦情の解決
 四 貸金業者の営業所又は事務所の営業の主任者その他貸金業の業務に従事する者に対する研修
 五 信用情報に関する機関の設置又は他の信用情報に関する機関の指定等による会員の過剰貸付けの防止
 六 その他協会の目的を達成するため必要な業務

 (加入)
第二十六条 協会は、貸金業者が協会に加入しようとするときは、正当な理由がないのに、その加入を拒み、又はその加入につき不当な条件を付してはならない。

 (貸金需要者等の利益の保護)
第二十七条 協会は、会員の営む貸金業に関し、契約の内容の適正化その他資金需要者等の利益の保護を図るため必要な調査、指導、勧告その他の業務を行わなければならない。
2 前項の目的を達成するため、協会は、会員の営む貸金業に関し、都道府県知事の認可を受けて契約約款の内容となるべき事項を定め、会員に対し、当該事項を内容とする契約約款により貸付けの契約を行うよう指導しなければならない。

 (苦情の解決)
第二十八条 協会は、債務者等から会員の営む貸金業の業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 会員は、協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。

 (貸金業の業務に関する研修)
第二十九条 協会は、一定の課程を定め、貸金業者の営業所又は事務所の営業の主任者その他貸金業の業務に従事する者に対し、その業務に必要な知識及び能力その他の事項についての研修を実施しなければならない。

 (過剰貸付けの防止)
第三十条 協会は、信用情報に関する機関(資金需要者の借入金返済能力に関する情報の収集及び貸金業者に対する当該情報の提供を行うものをいう。以下この項において「信用情報機関」という。)を設け、又は他の信用情報機関を指定し会員にこれらの機関を利用させること等の方法により、資金需要者等の返済能力を超えると認められる貸付けの契約を締結しないよう指導しなければならない。
2 会員は、前項に規定する情報を資金需要者の返済能力の調査以外の目的のために使用してはならない。

 (大蔵大臣又は都道府県知事に対する協力)
第三十一条 大蔵大臣又は都道府県知事は、この法律の円滑な実施を図るため、大蔵省令で定めるところにより、この法律の規定に基づく登録の申請、届出その他必要な事項について、協会に協力させることができる。

 (会員名簿の閲覧)
第三十二条 協会は、会員の名簿を一般の閲覧に供しなければならない。

 (全国貸金業協会連合会)
第三十三条 協会は、全国を単位として、協会を会員とする全国貸金業協会連合会と称する民法第三十四条の規定による法人を設立することができる。
2 全国貸金業協会連合会(以下「連合会」という。)は、全国を通じて一個とする。
3 連合会は、協会の運営に関する連絡、調整及び指導を行うことを目的とする。

 (名称の使用制限)
第三十四条 協会及び連合会でない者は、貸金業協会又は全国貸金業協会連合会という名称又はこれらに類似する名称を使用してはならない。
2 協会に加入していない者は、貸金業を営むについて、貸金業協会会員の名称又はこれに類似する名称を使用してはならない。

 (報告徴収及び立入検査)
第三十五条 大蔵大臣は連合会に対して、都道府県知事は協会に対して、連合会又は協会の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、報告若しくは資料の提出を命じ、又はその職員にその業務を行う場所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査し、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

   第五章 監督

 (業務の停止)
第三十六条 大蔵大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者が次の各号の一に該当する場合においては、当該貸金業者に対し、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
 一 第八条第一項、第十一条第二項、第十二条、第十四条から第二十三条まで又は第二十四条第一項(同条第二項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
 二 債権譲渡等をした場合において、次の場合のいずれにも該当することとなつたとき。
  イ 当該貸金業者が、当該債権譲渡等に当たりその相手方が取立て制限者であることを知らなかつたことにつき相当の理由があることを証明できなかつたとき、又は当該債権譲渡等に当たり当該債権譲渡等の後取立て制限者が当該債権の債権譲渡等を受けることを知らなかつたことにつき相当の理由があることを証明できなかつたとき。
  ロ 当該債権譲渡等を受けた取立て制限者又は当該債権譲渡等の後当該債権の債権譲渡等を受けた取立て制限者が、当該債権の取立てをするに当たり、第二十一条第一項(第二十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したとき。
 三 この法律の規定に基づく大蔵大臣又は都道府県知事の処分に違反したとき。
 四 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の規定に違反し、又は貸付けの契約の締結若しくは当該契約に基づく債権の取立てに当たり、物価統制令第十二条の規定に違反し、若しくは刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したとき。
2 都道府県知事は、大蔵大臣の登録を受けた貸金業者で当該都道府県の区域内において業務を行うものが、当該都道府県の区域内における業務に関し、前項各号の一に該当する場合においては、当該貸金業者に対し、一年以内の期間を定めてその業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

 (登録の取消し)
第三十七条 大蔵大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者が次の各号の一に該当する場合においては、その登録を取り消さなければならない。
 一 第六条第一項第一号又は第四号から第八号までの一に該当するに至つたとき。
 二 第七条各号の一に該当して引き続き貸金業を営んでいる場合において、新たに受けるべき第三条第一項の登録を受けていないことが判明したとき。
 三 不正の手段により第三条第一項の登録を受けたとき。
 四 前条第一項各号の一に該当し情状が特に重いとき、又は同条第一項若しくは第二項の規定による業務の停止の処分に違反したとき。
2 第五条第二項の規定は、前項の処分があつた場合に準用する。

 (所在不明者の登録の取消し)
第三十八条 大蔵大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者の営業所又は事務所の所在地を確知できないとき、又はその登録を受けた貸金業者の所在(法人である場合においては、その役員の所在)を確知できないときは、大蔵省令で定めるところにより、その事業を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該貸金業者から申出がないときは、当該貸金業者の登録を取り消すことができる。

 (弁明の機会の供与)
第三十九条 大蔵大臣又は都道府県知事は、第三十六条第一項若しくは第二項又は第三十七条第一項の規定に基づく処分をしようとするときは、あらかじめ、大蔵省令で定めるところにより、当該貸金業者にその処分の事由を通知し、弁明及び証拠の提出の機会を与えなければならない。

 (登録の消除)
第四十条 大蔵大臣又は都道府県知事は、第三条第二項、第七条若しくは第十条第二項の規定により登録が効力を失つたとき、又は第三十七条第一項若しくは第三十八条の規定により登録を取り消したときは、当該貸金業者の登録を消除しなければならない。

 (監督処分の公告等)
第四十一条 大蔵大臣又は都道府県知事は、第三十六条第一項若しくは第二項、第三十七条第一項又は第三十八条の規定による処分をしたときは、大蔵省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
2 都道府県知事は、第三十六条第二項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に報告しなければならない。

 (報告徴収及び立入検査)
第四十二条 大蔵大臣はその登録を受けた貸金業者に対して、都道府県知事は当該都道府県の区域内において貸金業を営む者に対して、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に営業所若しくは事務所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査し、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

   第六章 雑則

 (任意に支払つた場合のみなし弁済)
第四十三条 貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の利息(利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第三条の規定により利息とみなされるものを含む。)の契約に基づき、債務者が利息として任意に支払つた金銭の額が、同法第一条第一項に定める利息の制限額を超える場合において、その支払が次の各号に該当するときは、当該超過部分の支払は、同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。
 一 第十七条第一項又は第二項(第二十四条第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十七条第一項又は第二項に規定する書面を交付している場合におけるその交付をしている者に対する貸付けの契約に基づく支払
 二 第十八条第一項(第二十四条第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十八条第一項に規定する書面を交付した場合における同項の弁済に係る支払
2 前項の規定は、次の各号に掲げる支払に係る同項の超過部分の支払については、適用しない。
 一 第三十六条第一項若しくは第二項の規定による業務の停止の処分に違反して貸付けの契約が締結された場合又は当該処分に違反して締結された貸付けに係る契約について保証契約が締結された場合における当該貸付けの契約又は当該保証契約に基づく支払
 二 物価統制令第十二条の規定に違反して締結された貸付けの契約又は同条の規定に違反して締結された貸付けに係る契約に係る保証契約に基づく支払
 三 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律第五条第一項の規定に違反して締結された貸付けに係る契約又は当該貸付けに係る契約に係る保証契約に基づく支払
3 前二項の規定は、貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定に基づき、債務者が賠償として任意に支払つた金銭の額が、利息制限法第四条第一項に定める賠償額の予定の制限額を超える場合において、その支払が第一項各号に該当するときに準用する。

 (登録の取消し等に伴う取引の結了)
第四十四条 貸金業者について、第三条第二項若しくは第十条第二項の規定により登録が効力を失つたとき、第三十七条第一項若しくは第三十八条の規定により登録が取り消されたとき、又は第十条第三項の規定により引き続き貸金業を営むことができる期間を経過したときは、当該貸金業者であつた者又はその一般承継人は、当該貸金業者が締結した貸付けの契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお貸金業者とみなす。

 (権限の委任)
第四十五条 大蔵大臣は、財務局長又は福岡財務支局長に対し、政令で定めるところにより、この法律による権限の全部又は一部を委任することができる。

 (省令への委任)
第四十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の規定に基づく登録の申請、届出の手続きその他この法律を実施するために必要な事項は、大蔵省令で定める。

   第七章 罰則

第四十七条 次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併料する。
 一 不正の手段によつて第三条第一項の登録を受けた者
 二 第十一条第一項の規定に違反した者
 三 第十二条の規定に違反して他人に貸金業を営ませた者
 四 第三十六条第一項又は第二項の規定による業務の停止の命令に違反して業務を営んだ者

第四十八条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併料する。
 一 第十一条第二項の規定に違反した者
 二 第十六条の規定に違反した者
 三 第二十一条第一項(第二十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

第四十九条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
 一 第四条第一項の登録申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
 二 第十四条又は第十五条の規定に違反した者
 三 第十七条第一項若しくは第二項又は第十八条第一項(第二十四条第二項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定に違反して書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者
 四 第十九条の規定に違反して帳簿を備え付けず、これに同条に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又はこれを保存しなかつた者
 五 第二十条(第二十四条第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して、第二十条に規定する事項を記載しない委任状を取得した者
 六 第二十一条第二項(第二十四条第二項において準用する場合を含む。)又は第二十三条の規定に違反した者
 七 第二十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
 八 第三十四条第二項の規定に違反した者

第五十条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
 一 第八条第一項又は第十条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 二 第八条第三項において準用する第四条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
 三 第三十五条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をし、同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
 四 第四十二条第一項(第二十四条第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、第四十二条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

第五十一条 法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前四条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
2 人格のない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につきその人格のない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第五十二条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の過料に処する。
 一 第二十二条(第二十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
 二 正当な理由がないのに第三十二条の名簿の閲覧を拒んだ者
 三 第三十四条第一項の規定に違反した者

   附 則

 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (貸金業者の自主規制の助長に関する法律の廃止)
第二条 貸金業者の自主規制の助長に関する法律(以下「旧自主規制法」という。)は、廃止する。

 (経過措置)
第三条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)第七条第一項の規定による届出をして第二条第一項に規定する貸金業を営んでいる者は、この法律の施行の日から一年間(当該期間内に第六条第一項の規定による登録の拒否の処分があつたときは、その日までの間)は、第三条第一項の登録を受けないでも、引き続き当該事業を営むことができる。その者がその期間内に当該登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。
2 前項の規定により引き続き貸金業を営むことができる場合においては、その者をその営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けた貸金業者とみなして、第十二条から第二十二条まで、第二十四条、第三十六条第一項、第三十九条、第四十一条第一項、第四十二条及び第四十四条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、第四十四条中「第十条第三項」とあるのは、「附則第三条第一項」とする。

第四条 第二十五条第一項の規定による貸金業協会又は第三十三条第一項の規定による全国貸金業協会連合会が設立されるまでの間は、この法律の施行の際現に存する旧自主規制法第三条第一項の規定による庶民金融業協会又は旧自主規制法第十二条第一項の規定による全国庶民金融業協会連合会については、旧自主規制法第二章(第四条を除く。)、第三章及び第十六条の規定は、なおその効力を有する。
2 この法律の施行の際現に存する旧自主規制法第三条第一項の規定による庶民金融業協会は、この法律の施行の日から一年以内に、第二十五条第一項の規定による貸金業協会になるために必要な定款の変更の認可を都道府県知事に申請することができる。当該庶民金融業協会は、この期間内に当該定款の変更の認可を申請しなかつたときは当該期間の経過する日に、当該定款の変更の認可を申請した場合において認可しない旨の処分があつたときは当該処分があつた日に、解散する。
3 この法律の施行の際現に存する旧自主規制法第十二条第一項の規定による全国庶民金融業協会連合会は、この法律の施行の日から一年以内に、第三十三条第一項の規定による全国貸金業協会連合会になるために必要な定款の変更の認可を大蔵大臣に申請することができる。この場合において、前項後段の規定は、当該全国庶民金融業協会連合会について準用する。

第五条 大蔵大臣又は都道府県知事は、第二十五条第一項の規定による貸金業協会が設立されるまでの間は、旧自主規制法第三条第一項の規定による庶民金融業協会に第三十一条の協力をさせることができる。

第六条 貸金業者がこの法律の施行前に業として行つた金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約に基づき、この法律の施行後に、債務者が利息として金銭を支払つたときは、当該支払については、第四十三条第一項及び第二項の規定は、適用しない。
2 貸金業者がこの法律の施行前に業として行つた金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定に基づき、この法律の施行後に、債務者が賠償として金銭を支払つたときは、当該支払については、第四十三条第三項において準用する同条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

第七条 この法律の施行前にした旧自主規制法第十四条の規定による業務の停止については、なお従前の例による。

 (出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律の一部改正)
第八条 出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律の一部を次のように改正する。
  題名中「受入」を「受入れ」に、「取締等」を「取締り」に改める。
  第七条及び第八条を削り、第九条中「第七条」を「前条」に改め、同条を第七条とする。
  第十条を削り、第十一条を第八条とする。
  第十二条を削り、第十三条中「前二条」を「前条」に改め、同条を第九条とする。

 (出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第九条 第二条第一項第五号に規定する者のうち政令で定める者については、当分の間、この法律による改正前の出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第七条及び第八条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)並びに第十条の規定は、なおその効力を有する。

 (罰則に関する経過措置)
第十条 この法律の施行前にした行為並びにこの法律の施行後にした行為であつて附則第四条第一項の規定によりその効力を有するものとされる旧自主規制法第二章の規定に係る罰則の規定に該当するもの及び附則第七条の規定により従前の例によることとされる業務の停止の命令に違反するものに対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (登録免許税法の一部改正)
第十一条 登録免許税法の一部を次のように改正する。
  別表第一中第二十四号の次に次のように加える。
二十四の二 貸金業者の登録
貸金業の規制等に関する法律(昭和五十八年法律第三十二号)第三条第一項(登録)の大蔵大臣がする貸金業者の登録(更新の登録を除く。)登録件数一件につき九万円

 (大蔵省設置法の一部改正)
第十二条 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
  第十二条第一項第九号の次に次のように加える。
  九の二 貸金業を営む者を登録し、これを監督すること。
  第十二条第一項第十六号中「貸金業の実態を調査し及び」を削り、同条第三項中「検査に関するもの」の下に「並びに貸金業者に対する立入検査に関するもの」を加える。

 (大蔵・内閣総理大臣署名) 

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ningenshittkaku01
 今日は、昭和時代中期の1948年(昭和23)に、太宰治が小説『人間失格』を脱稿した日です。
 『人間失格』(にんげんしっかく)は、太宰治著の中編小説で、『ヴィヨンの妻』、『走れメロス』、『斜陽』と並ぶ代表作の1つです。昭和時代中期の1948年(昭和23)に、雑誌『展望』の1948年6月号~8月号に3回にわたって連載され、同年筑摩書房より短編「グッド・バイ」と併せて刊行されました。
 生きる能力さえ失うに至った東北地方の豪家に生れた大庭葉蔵の手記の形で、自己を見つめながら人間存在の本質を問うた作品となっています。作者は、作品完成後の連載中に、山崎富栄と共に玉川上水で入水自殺しました。
 若者を魅了した小説となり、戦後の大ベストセラー作品とされています。

〇太宰治(だざい おさむ)とは?

 昭和時代に活躍した小説家で、本名は津島修治といい、1909年(明治42)6月19日に青森県金木村(現在の五所川原市金木町)の県下有数の大地主対馬家の六男として生まれました。県立青森中学校(現在の県立青森高等学校)から、官立弘前高等学校に学びましたが、高校在学中から、プロレタリア文学に興味を持って、同人誌に作品を掲載することになります。
 卒業後は、東京帝国大学文学部仏文学科に入学しましたが、あまり授業にも出ず、井伏鱒二に弟子入りし、在学中に、人妻と入水自殺を図ったりして、大学は辞めることになりました。その後、同人誌『海豹』に参加し、1935年(昭和10)、「逆行」を『文藝』に発表して、第1回芥川賞候補となって注目されます。
 それからも、自殺未遂したりしますが、1939年(昭和14)石原美知子と結婚して安定し、「富嶽百景」「駆け込み訴へ」「走れメロス」などの優れた短編小説を発表しました。戦時下も『津軽』『お伽草紙』など創作活動を続け、戦後は、『ヴィヨンの妻』、『斜陽』、『人間失格』などを書いて無頼派などと呼ばれて脚光を浴びますが、1948年(昭和23)6月13日に40歳の若さで、玉川上水にて入水自殺しました。

<代表的な作品と初出>

・富嶽百景 『文体』1939年2月号、3月号
・黄金風景 『國民新聞』1939年3月2日、3月3日
・女生徒 『文學界』1939年4月号
・葉桜と魔笛 『新潮』1939年6月号
・八十八夜 『新潮』1939年8月号
・畜犬談 『文学者』1939年10月号
・皮膚と心 『文學界』1939年11月号
・俗天使 『新潮』1940年1月号
・鷗 『知性』1940年1月号
・女の決闘 『月刊文章』1940年1月号~6月号
・駈込み訴へ 『中央公論』1940年2月号
・走れメロス 『新潮』1940年5月号
・古典風 『知性』1940年6月号
・乞食学生 『若草』1940年7月号~12月号
・清貧譚 『新潮』1941年1月号
・みみずく通信 『知性』1941年1月号
・佐渡 『公論』1941年1月号
・千代女 『改造』1941年6月号
・新ハムレット 書き下ろし 『新ハムレット』(文藝春秋、1941年7月)
・誰 『知性』1941年12月号
・恥 『婦人画報』1942年1月号
・十二月八日 『婦人公論』1942年2月号
・律子と貞子 『若草』1942年2月号
・水仙 『改造』1942年5月号
・正義と微笑 書き下ろし 『正義と微笑』(錦城出版社、1942年6月)
・黄村先生言行録 『文學界』1943年1月号
・右大臣実朝 書き下ろし 『右大臣実朝』(錦城出版社、1943年9月)
・不審庵 『文藝世紀』1943年10月号
・花吹雪 書き下ろし 『佳日』(肇書房)
・佳日 『改造』1944年1月号
・散華 『新若人』1944年3月号
・津軽 書き下ろし 『津軽』(小山書店、1944年11月)
・ほかは書き下ろし 『新釈諸国噺』(生活社、1945年1月)
・竹青 『文藝』1945年4月号
・惜別 書き下ろし 『惜別』(朝日新聞社、1945年9月)
・お伽草紙 書き下ろし 『お伽草紙』(筑摩書房、1945年10月)
・冬の花火 『展望』1946年6月号
・春の枯葉 『人間』1946年9月号
・雀 『思潮』1946年9月号 『冬の花火』(中央公論社)
・親友交歓 『新潮』1946年12月号
・男女同権 『改造』1946年12月号
・トカトントン 『群像』1947年1月号
・メリイクリスマス 『中央公論』1947年1月号
・ヴィヨンの妻 『展望』1947年3月号
・女神 『日本小説』1947年5月号
・フォスフォレッスセンス 『日本小説』1947年7月号
・眉山 『小説新潮』1948年3月号
・斜陽 『新潮』1947年7月号~10月号
・如是我聞 『新潮』1948年3月号、5月号~7月号
・人間失格 『展望』1948年6月号~8月号
・グッド・バイ 『朝日新聞』1948年6月21日

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1333年(元弘3)久米川の戦いで、新田義貞軍が鎌倉幕府の軍勢を破る(新暦6月24日)詳細
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1979年(昭和54)本州四国連絡橋計画の最初として、アーチ橋の大三島橋が完成(翌日から供用開始)する詳細
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wadoukaichin01
 今日は、飛鳥時代の708年(和銅元)に、「和同開珎」の銀銭が使用開始された日ですが、新暦では6月3日となります。
 和同開珎(わどうかいちん、わどうかいほう)は、日本で鋳造・発行されたと考えられる銭貨で、皇朝十二銭のうちで最も古いものです。飛鳥時代の708年(和同元)に発行され、銀銭と銅銭がありましたが、銀銭は翌年廃止されたものの、銅銭は、天平宝字年間(757~765年)頃までの長期間鋳造されました。
 708年(和銅元)1月11日に、武蔵国秩父郡から和銅が献上され、元号を和銅と改元したのを受けて、同年2月11日に、催鋳銭司(銭貨の鋳造を監督する役人)が置かれ、5月11日に、はじめて銀銭を使用させ、7月28日に、近江国に銅銭を鋳造させ、8月10日に、はじめて銅銭を使用させたと『続日本紀』に記述されています。直径24mm前後の円形で、中央には、一辺が約7mmの正方形の穴が開いている円形方孔の形式で、全国数ヶ所(近江国、山城国、長門国、播磨国など)で鋳造され、主に畿内およびその周辺で流通したとされます。

〇皇朝十二銭一覧

・「和同開珎」708年(和銅元)鋳造
・「万年通宝(萬年通寳)」760年(天平宝字4)鋳造
・「神功開宝(神功開寳)」765年(天平神護元)鋳造
・「隆平永宝(隆平永寳)」796年(延暦15)鋳造
・「富寿神宝(富壽神寳)」818年(弘仁9)鋳造
・「承和昌宝(承和昌寳)」835年(承和2)鋳造
・「長年大宝(長年大寳)」848年(嘉祥元)鋳造
・「饒益神宝(饒益神寳)」859年(貞観元)鋳造
・「貞観永宝(貞観永寳)」870年(貞観12)鋳造
・「寛平大宝(寛平大寳)」890年(寛平2)鋳造
・「延喜通宝(延喜通寳)」907年(延喜7)鋳造
・「乾元大宝(乹元大寳)」958年(天徳2)鋳造

☆『続日本紀』(巻第四)和銅元年の和銅に関する記述抜粋

・「和銅改元」に関する記述

和銅元年春正月乙巳。
 武藏國秩父郡獻和銅。
 詔曰。「現神御宇倭根子天皇詔旨勅命乎。親王諸王諸臣百官人等天下公民衆聞宣。高天原由天降坐志。天皇御世乎始而中今尓至麻氐尓。天皇御世御世天豆日嗣高御座尓坐而治賜慈賜來食國天下之業止奈母。隨神所念行佐久止詔命乎衆聞宣。如是治賜慈賜來留天豆日嗣之業。今皇朕御世尓當而坐者。天地之心乎勞弥重弥辱弥恐弥坐尓聞看食國中乃東方武藏國尓。自然作成和銅出在止奏而獻焉。此物者天坐神地坐祗乃相于豆奈比奉福波倍奉事尓依而。顯久出多留寳尓在羅之止奈母。神随所念行須。是以天地之神乃顯奉瑞寳尓依而御世年號改賜換賜波久止詔命乎衆聞宣。」故、改慶雲五年而和銅元年為而、御世年号止定賜。

<読み下し文>

和銅元年春正月乙巳。
 武蔵国秩父郡[1]、和銅[2]を献ず。
 詔して日く。「現神[3]と御宇倭根子天皇が詔旨らまと勅りたまふ命を、親王・諸王・諸臣・百官人等、天下公民、衆聞きたまへと宣る。高天原[4]ゆ天降り[5]坐しし。天皇が御世を始めて、中・今に至めまでに。天皇が御世御世、天つ日嗣[6]高御座[7]に坐して治め賜ひ慈しび賜ひ來る食國[8]天下の業となも。神ながら念し行さくと詔りたまふ命を衆聞きたまへと宣る。如是治め賜ひ慈しび賜ひ來る天つ日嗣[6]の業と。今皇朕御世に當りて坐せば。天地の心を勞しみ重しみ辱み恐み坐すに聞し看す食國[8]の中の東方武蔵国に自然に作成る和銅[2]出でたりと奏して献れりと。此の物は天に坐す神・地に坐す祗の相うづなひ奉る事に依りて、顯し[9]く出でたる寳に在るらしともな。神ながら念し行す。是をもちて、天地の神の顕し[9]奉れる瑞寳[10]によって、御世の年号を改め賜ひ換へ賜はく詔りたまふ命をもろもろ聞しめさへと宣る。」故、慶雲五年を改めて和銅元年と為て、御世の年号と定め賜ふ。

【注釈】

[1]武蔵国秩父郡:むさしのくにちちぶぐん=現在の埼玉県秩父郡。
[2]和銅:わどう/にぎあかがね=製錬を要しない自然銅。
[3]現神:あきつみかみ=現に姿をあらわしている神の意で多く天皇に用いられる。
[4]高天原:たかまがはら=日本神話における天上の国。
[5]天降り:あまくだり=天上から地上におりること。
[6]天つ日嗣:あまつひつぎ=皇位を継承すること。また、皇位。
[7]高御座:たかみくら=大極殿または紫宸殿の中央に設けられていた天皇の席。
[8]食國:おすくに=天皇の統治なさる国。天下。
[9]顯し:うつし=姿が見えている。実在する。この世に生きている。
[10]瑞寳:ずいほう=めでたい宝物。

<現代語訳>

和銅元年(708年)春正月乙巳(1月11日)。
 武蔵国秩父郡が和銅を献上してきた。
 (元明天皇は)次のような詔を下した。「現御神として天下を統治する天皇が詔として宣べられるお言葉を、親王・諸王・諸臣・百官の人々等、天下公民はみな聞き賜れと申し述べる。高天原から降臨されて、天皇の御世が始まり、中ごろから今に至るまでに、天皇の治世ごとに、皇位継承者として高御座に坐して治められて、人々を慈しんで来られ、天下統治のつとめとして、神ながらに思うというお言葉をみな聞き賜れと申し述べる。このように統治して慈しまれてきた皇位継承者の勤めとして、今は私が治世を担当しているので、天地の心を大切にし重く受け止めて畏み、恐れ多く思っていたところ、統治しているこの国の東方にある武蔵国に自然に生じた和銅が出たと奏上して献上してきた。この物は、天に鎮座する神と地に鎮座する神がともに愛でられ祝福されることによって、現出した宝物であるらしいと、神として思うのである。そこで、天地の神の現されためでたい宝物によって、御世の年号を新しく改元されると詔りたまうお言葉をみな聞き賜れと申し述べる。」そのため、慶雲五年を改元して和銅元年として、御世の年号を定められた。

・銭貨の鋳造を監督する役人の任命に関する記述

<原文>

二月甲戌。始置催鋳銭司。以従五位上多治比眞人三宅麻呂任之。

<読み下し文>

二月甲戌。始めて、催鋳銭司を置く。以従五位上多治比眞人三宅麻呂を以て、之に任ず。

<現代語訳>

二月十一日、はじめて催鋳銭司(銭貨の鋳造を監督する役人)を置いた。従五位上多治比眞人三宅麻呂をこれに任じた。

・銀銭使用に関する記述

<原文>

五月壬寅。始行銀銭。

<読み下し文>

五月壬寅。始めて銀銭を行ふ。

<現代語訳>

五月十一日、はじめて和同開珎の銀銭を使用させた。

・銅銭鋳造に関する記述

<原文>

七月丙辰。令近江国鋳銅銭。

<読み下し文>

七月丙辰。近江国に銅銭を鋳せしむ。

<現代語訳>

七月二十八日、近江国に銅銭を鋳造させた。

・銅銭使用に関する記述

<原文>

八月己巳。始行銅錢。

<読み下し文>

八月己巳。始めて銅銭を行ふ。

<現代語訳>

八月十日、はじめて銅銭を使用させた。

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1974年(昭和49)古河鉱業が被害者971人に補償金15億5千万円を支払う調停案受諾で足尾鉱毒事件が決着する詳細
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